空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

右下突きのカウンター

 右下突きのカウンターは私の得意な合わせ方の一つですが、道場生にもよく指導しています。

 最近、数名の道場生が右下突きのカウンターをスパーリングで見せるようになりました。

 その一例がこちら。


右下突きのカウンター

 相手が内股下段からワンツーのコンビネーションを仕掛けてくるのに、内股下段から少し前に出るように距離を合わせワンツーパンチのワンのタイミングで右下突きでカウンターを取っています。

 カウンター後の相手の変則蹴りを冷静に捌いているのも見事ですが、カウンターからの一連の動きは当人にとっては無意識な動き、無意識で自然な動きだからこそ変則蹴りにも上手く対応出来ています。

 カウンターは私の組手の指導の最重要点ですが、それがスパーリングで自然と出来る道場生がこのところ増えているので嬉しく思います。

 カウンターのような技術が使えてくるとスパーリング面白く感じてきます。

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 道場生にはカウンターを練り上げ、スパーリングの面白さを大いに感じて欲しいと思います。

 そして面白さが募れば楽しさとなりますが、空手の本当の楽しさを感じて欲しいと思います。

 

 昨日の徳島市加茂道場

 少年部クラス(18 時30 分~19 時30 分)


徳島市加茂道場少年部1.27.2021

 一般部クラス(19 時45 分~21 時)


徳島市加茂道場一般部1.27.2021

 1.27.2021 記

認知スキルと非認知スキル

 昨日の美馬道場少年部(19 時~20 時) 、移動稽古は受け技からの逆突き。


美馬道場少年部1.26.2021

 幼年、低学年の子達にはなかなか難しい動作ですが、難しいからといって妥協せず正確な動作を指導。  

 子供たちにとって難しい動作は、興味を覚え積極的に取り組む稽古ではないと思います。

 興味を覚え自ら積極的に取り組める物事は、子供たちの能力を高めるものであり、それは認知スキルの向上に分類されるものと思います。  

 積極性が持てることが認知スキルを高めるのに対し、積極性を持てないことが無意味であるかと言えば、私はそうではないと思っています。

 認知スキルに対し非認知スキルという言葉がありますが、非認知スキルは簡単に言えば〝我慢〟をすることから継続力やセルフコントロール 力を高める、その人の社会性に及ぶ能力です。

 昨日の移動稽古は、厳しい雰囲気を出して指導しました。

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 その雰囲気には子供たちの我慢も相まったと思いますが、最初出来なかった動作が出来るようになりました。

 空手の稽古は非認知スキルを高めるのに最適のように個人的に思いますが、少年部指導においては非認知スキルの向上を求めて行きたいと思 います。

 

 さて一般部(20 時15 分~21 時15 分) は、2 月28 日に行われる第16 回徳島錬成大会に出場する道場生が大半だったので選手稽古。


美馬道場一般部1.26.2021

 久しぶりの大会に出場する道場生には大いに頑張って欲しいと思いますが、第16 回徳島錬成大会は先週の土曜日に申込みを締め切りました。

 今大会は131 名の選手にエントリーしていただきましたが、当初の大会案内より変更を検討する点が出てきました。

 変更点の最たるものはワンマッチ、クラスの統廃合ですが、コロナ禍により試合の機会が激減した選手に少しでも試合を提供したい意図が変更にはあります。

 変更の検討は次の日曜日に行われる一回目の運営会議で決めたいと思いますが、変更された場合は所属長を通じて該当選手の皆さんに打診し ます。

 変更の良否は選手の皆さんに委ねたいと思いますが、打診があった選手の皆さんには忌憚のない応答をお願いしたいと思います。

 この時期に参加される選手にはより良い大会を提供したいと思いますが、もちろんコロナ対策を最重要点として運営を練って行きたいと思います。

1.26.2021記

居残りスパーリング、動きや反応の柔らかさを求めて

 鴨島道場の居残り稽古では、顔面パンチ有り、簡単な組技有りのスパーリングを行っています。

 以前は約束練習で顔面パンチのディフェンス練習を行ってからスパーリングをしていましたが、最近は最初からスパーリング。

 顔面パンチは普段のフルコンスタイルでの稽古を応用して、組技に関してはタックルの簡単な切り方だけ知ってもらって、これもまた普段の稽古の応用で対応してもらっています。


居残りスパーリング1.23.2021

 最近、居残りに参加されだしたシニア道場生の方、慣れない普段と違うスパーリングに普段の稽古を応用すべく〝柔らかく動くこと〟〝柔らかく反応〟することをアドバイス

 〝柔らかく動くこと〟はまだしも〝柔らかく反応〟することとは抽象的な例えですが、スパーリングで見よう見まねでやっていた普段しないタックル等は動きや反応の柔らかさとなります。

 突き・蹴りのみといった技が限定されたスパーリングでは、動きや反応は固くなりがちのように個人的に思います。

 反してバラエティに飛んだ技の展開のあるスパーリングの方が、動きや反応の柔らかさは練り上げやすく、その柔らかさは技が限定されたスパーリングにもフィードバックされるものと思います。

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 シニア道場生の方の見よう見まねでされていたタックルはタイミング的にはバッチリでしたが、見よう見まねでもやってみようとする柔軟な志向も動きや反応の柔らかさとなります。

 居残りスパーリング、頑張っていただきたいと思います。

 

 土曜日の鴨島道場

 選手クラス1 部(15 時~16 時)


選手クラス1部1.23.2021

 少年部クラス(16 時15 分~17 時15 分)


鴨島道場少年部1.23.2021

 選手クラス2 部(17 時30 分~19 時)


選手クラス2部1.23.2021

 一般部クラス(19 時15 分~20 時30 分)


鴨島道場一般部1.23.2021

 居残り稽古(21 時~21 時30 分)


鴨島道場居残り稽古1.23.2021

 1.25.2021 記 

スリッピングアウェイ

 先日のスパーリング、顔面にストレートを被弾するのを被弾する瞬間に顔を後方に下げて、ダメージを軽減させるディフェンスが咄嗟にでました。


スリッピングアウェイもどき

 後で「確か似たようなディフェンスが、ボクシングでは技術として確立していたな」と思い返し調べたところ、該当したのがスリッピングアウェイ。

 (※スリッピングアウェイ=パンチが伸びる方向と同じ方向に顔を背けるようにして受け流し、パンチをかわしたり、衝撃を和らげる高等技術)

 そしてそのスリッピングアウェイを調べたところ、ヒットしたのが川島郭志選手。


川島選手のスリッピングアウェイ

 日本プロボクシング史上屈指のテクニシャンと称され、中でも〝アンタッチャブル〟(触らせない)と称された防御技術は世界的にも高い評価を得た往年の世界チャンピオンです。

 私のスリッピングアウェイは顔を引いているだけで、上記添付の川島選手のように背けておらずスリッピングアウェイもどきですが、被弾際の反応はおこがましいですが同質なものと思います。

 被弾際においても被弾を回避しようとする技術は、ディフェンス重視の戦略思考の現れと思います。

 ディフェンス重視的思考のもとでは競技スタイルによって形は変われど、同質なディフェンス技術が現れると思います。

 その一例が下の添付動画。


下段の受け流し

 相手の下段を被弾際に後方へとバックステップしてダメージを軽減しています。

 我々の競技であるフルコンタクト空手はトーナメント制であり、勝ち上がっていくにはいかにダメージを負わないかが大きなキーポイントになります。

 競技の特性からディフェンス技術が軽視されがちなフルコンタクト空手ですが、ディフェンス技術は大いに高めるべきと個人的に思います。

 またフルコンタクト空手のディフェンス技術でも高めると、競技スタイルを変えたスパーリングにおいても適応できるものであり、私のような現役を退いたものにはそれが面白く感じます。

 〝アンタッチャブル〟の川島選手については今後大いに研究させてもらいたいと思いますが、その思い入れは強くなりそうです。

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 思い入れが強くなる理由は、他ならぬ川島選手が徳島県出身ゆえに。


 昨日の指導

 やわらかカラテ(15 時30 分~16 時30 分)


やわらかカラテ1.22.2021

 徳島市加茂道場少年部(18 時30 分~19 時30 分)


徳島市加茂道場少年部1.22.2021

 徳島市加茂道場一般部(19 時45 分~21 時)


徳島市加茂道場一般部1.22.2021

 徳島市加茂道場居残り稽古(21 時~21 時30 分)


徳島市加茂道場居残り1.22.2021

 1.23.2021 記

子供たちのスパーリングで、明暗を分けるもの

 最近の少年部クラスでのスパーリングで、ステップが上手く使えている子とそうでない子の明暗がよく目に止まるようになってきました。


少年部スパーリング

 スパーリングでステップを使うことは頻繁に指導するところであり、ステップはスパーリング・組手の最重要項目と個人的に位置付けています。

 ステップを重視する理由は多々ありますが、その一つは重心コントロールによる動きが良くなるからです。

 その好例が昨日のスパーリングで見れたこのシーン。


小2女子のステップ

 青帯の女の子は相手とステップで距離を取る展開の中で、走りながら打ってくる相手の追い突きをシフトウェイト( 重心移動) でサイドに躱し、返しの横蹴りを被弾させています。

 横蹴りの前の牽制の突きがちょっと顔に流れ、競技的としては反則を取られかねませんが、この返しもステップを利したもので技の組み立てとしては良いものです。

 シフトウェイトで技を躱す練習など指導したことはありませんが、ステップによって整った重心コントロールにより自然と使えたものと思います。

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 小学校低学年から彼女のような上手な体の使い方が出来ていると将来、成長とともに優れた身体感覚が身につくように思います。

 子供たちに優れた身体感覚を養わせる要素の一つがステップにありますが、しっかりステップ指導していきたいと思います。


 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時)


美馬道場少年部1.21.2021

 一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)


美馬道場一般部1.21.2021

 1.22.2021 記

フィットネスとしてのスパーリング。

 昨日は久しぶりにストライク・フィットネス。

 パーソナル( お一人様対応)・セミパーソナル( お二人様対応) の格闘技エクササイズであるストライク・フィットネスの特色はスパーリングです。


ストライクフィットネス1.20.2021

 そもそも本格的に格闘技に取り組む人たちのトレーニングであるスパーリングを、フィットネスとして誰でも気軽にトレーニング出来ないかと着想したのがストライク・フィットネスの起こりです。

 スパーリングをフィットネス目的とする理由は、運動としての効果が優れているからです。

 その効果を逐一紹介するには枚挙にいとまがありませんが、効果を確信する最大の理由は私自身が実感しスパーリングを欠かさない点です。

 またフィットネスとしてスパーリングが適合するように思う理由は、利用者様のパンチが当たった時の喜び、パンチを躱された時の悔しさ、それらが相まった楽しそうなご様子からです。

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 エクササイズは単なる運動、フィットネスは健康のための運動であることが一般的な解釈です。

 フィットネスであるためには運動効果+楽しさが必要かと思いますが、フィットネスとしてのスパーリングを提唱していきたいと思います。

 

 昨日の鴨島道場

 ストライク・フィットネス(14 時~15 時)


ストライクフィットネス1.20.2021

 少年部1 部(17 時45 分~18 時45 分)


鴨島道場少年部1部1.20.2021

 少年部2 部(19 時~20 時)


鴨島道場少年部2部1.20.2021

 一般部(20 時15 分~21 時)


鴨島道場一般部1.20.2021

 1.20.2021

突き、蹴りの気配を感じる物理的条件

 先日、ある有名ボクサーのディフェンス技術を「気配で躱している」と解説している動画を見ました。

 「動体視力が重要」とよく唱えられるディフェンス技術に〝気配〟などと目に見えないものを引き合いに出し、眉唾に思う人もいるかも知れませんが、私は上手い例えのように思いました。

 〝気配によるディフェンス〟以前にブログに書いた予想によるディフェンスと同じことですが、気配は目に見える物理的条件から感じることが出来ます。

 その物理的条件とは相手のポジションとタイミング。


ディフェンス

 上記の添付動画では、相手の左から右の蹴りで体がやや流れたポジションで、流れた体勢を利用して後ろ回し蹴りか後ろ蹴りを放つ気配を感じ( 予想し)、蹴ろうと反動を取ったタイミングで蹴りが来るのを確信しバックステップで躱しています。

 


ディフェンス

 上記の添付動画では追い突きをブロックされた時点のポジションとタイミングで返しの追い突きの気配を感じ( 予想し)、バックステップを始め、なおかつポジション的にバックステップだけでは躱し切れないとブロックしています。


 気配や予想は約束練習( 受け返し) とディフェンスをしっかり意識したスパーリングを重ねていけば、自然と身につくものです。

 気配や予想によるディフェンス技術はポジションとタイミングから感じることなので、その上達は感性を高める作用があるように思います。

 ディフェンスで感じることは、まず相手に対し構えることが大切ですが、最近構えを取らず、構えても隙だらけで相手との距離を詰めて技をもらう道場生が散見されました。

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 道場生の感性を高めるためにも、ディフェンスへの意識をしっかり指導せねばと思います。


 昨日の徳島市加茂道場

 少年部クラス(18 時30 分~19 時30 分)


徳島市加茂道場少年部1.19.2021

 一般部クラス(19 時45 分~21 時)


徳島市加茂道場一般部1.19.2021

 1.20.2021 記