空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

好評のネーム入り入賞者メダル、コロナ対策を転じて

 先日の徳島錬成大会での入賞者メダルが出来上がり、今週の稽古から入賞者に渡しています。

 今回のメダルは各個人のネーム入りのオンリーワンメダルです。

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 今回がネーム入りメダルになった経緯は奇しくもコロナ対策が原因ですが、コロナ対策として感染状況により大会中止も想定しており、中止に備えてなるべく経費のかかる準備物は抑えるべく入賞者メダルは大会後の発注となりました。

 トロフィーでなくメダルにしたのも後日発送での破損、送料等を考慮したからです。

 このネーム入りの入賞者メダル、好評を得ています。

 「大会後発注だったら、個人名を入れてあげると喜ぶのでは」と何気なく思ったのですが、喜んでいただき何よりです。

 コロナ禍はまだまだ収束が見込めず、東京近郊の緊急事態宣言が解除になっても徳島においても気を緩めず9 月予定の次回徳島錬成大会、そして日常の道場の運営に講じていかねばと思います。

 コロナ対策は選手、道場生、保護者の皆さんに何かと不便をかけるものですが、今回のメダルのようにその対策にちょっとしたアイディアを加えれば不便によるフラストレーションを少しでも緩和できるように思います。

 そのアイディアは自分の立場や利益を元に発想するより、選手、道場生に喜んでもらえることを考えることが大切だと思いますが、智恵を絞って行きたいと思います。

 ちなみに9月の次回徳島錬成大会の入賞者メダルも、できれば個人ネーム入りにしたいと思います。

 

 昨日の徳島市加茂道場

 少年部クラス(18 時30 分~19 時30 分)


徳島市加茂道場少年部3.23.2021

 一般部クラス(19 時45 分~21 時)


徳島市加茂道場一般部3.23.2021

 3.24.2021 記

指導者が厳しさによる手応えを、勘違いしないために…

 東京出張に伴う私の健康観察期間での休講期間を明け、昨日は10 日ぶりとなる道着に袖を通しての通常稽古での指導。

 久しぶりの通常稽古指導に気持ちが引き締まりました。

 気持ちの引き締まりから指導にも熱が入り、気を抜いての誤りがあれば指導の語調も厳しくなったりしました。

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 語調が厳しくなれば道場生の緊張感が高まり、その緊張感が良い方向に働き稽古での間違いをしなくなったり、動きが良くなったりします。

 厳しさを与えることによる良い方向への道場生の変化に指導の手応えを感じたりしますが、昨日の指導中にふっと思ったのは、〝この手応えを指導者は勘違いしてはならないと…〟。

 厳しさによる手応えを勘違いすれば、それは支配欲となり、支配欲が過剰にエスカレートすれば時折報道されるスポーツ指導者の暴力となるように思います。

 勘違いしないために肝要なのは、厳しさを良い方向へと導くように限度を設けることであり、その限度は道場生の年齢、体力等の条件をよく考慮することと思います。

 指導が限度を超えた時、過剰なエスカレートは発生するように思います。

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 そして指導者が厳しさを与えることを支配欲としないためには、指導者が自分自身をわきまえることが大切であり、そのわきまえ方とは〝自分が人に厳しくできるような厳しいことをしてきたのか?〟に尽きると個人的に思います。

 

 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時)


美馬道場少年部2.22.2021

 一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)


美馬道場一般部3.22.2021

 3.23.2021 記

昇段者稽古、〝組手主義〟の再認識

 東京出張に伴う健康観察期間明けの昨日は、4/4 ㈰に行われる昇段審査の受審者向けの昇段者稽古でした。

 稽古内容は基本、移動、型の見直しと確認、

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 そしてスパーリング。


スパーリング3.21.2021


スパーリング2.3.21.2021

 以前の昇段者稽古ではスパーリングは行っていませんでしたが、今回の昇段審査から10 人組手で私は相手をつとめず検分役に徹するため、昇段審査の10 人組手の代わりにスパーリングを行いました。

 今回の昇段審査から審査の主題を変えていこうと思います。

 主題を変えることについては、また改めてブログで書こうと思いますが、10 人組手を検分役に徹することはその変化の一つです。

 主題を変えても西南支部は〝組手主義〟を掲げており、標榜するところに変わりはありません。

 昨日の参加者には、こと空手においては組手を中心に物事を考えるように伝えました。

 基本、移動、型は組手のための基本、移動、型であり、基本、移動、型のどういったことが組手に繋がるのか?

 また対戦相手との接し方においても、自分より強い人とどう組手をするのか、そして自分よりも弱い人組手とどう組手をするのか?

上記、組手に関することを昇段するにあたり今一度考え、そして昇段後にその考えを深めていくことが空手を学ぶ最大の意義になると思います。

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 今回の昇段審査受審者には、西南支部の〝組手主義〟をしっかり認識する審査になることを願います。

 

 <支部内連絡>

 昇段者稽古は次の日曜日(3/28)も行いますが、参加者はスパーリングの準備をしてきて下さい。

 顔面スパーリングは普段稽古している人のみで行います。

 してない人は普通のスパーリングです。

 また本日より、美馬道場、徳島市加茂道場、鴨島道場は稽古再開です。

 3.22.2021 記

上虚下実=体幹の使い方

 先週のスパーリングの1 シーン。


内回し蹴り

 相手の前足への下段回し蹴りを足を軽く後ろに引いて躱し、そのまま切り返しのように内回し蹴りを被弾させています。

 足を引いて躱す動作から内回しを被弾させるまでの体幹部分をスローモーションで見てみると、足を引くときに肩が動いたり、内回しを蹴るときに腰をしゃくるように動かしたりしておらず、体幹部分はほとんど動いていません。 

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 道場生にはよく上段を蹴るとき、上半身を動かさないようにと指導しますが、上半身を動かさないとは添付動画のような体幹の使い方を示しています。

 〝使う〟という言葉の語感には〝動かす〟といったニュアンスが強いですが、〝動かさない〟ことも〝使う〟ことになります。

 体幹は無論〝動かす使い方〝もありますが、〝動かさない使い方〟もあります。

 道場生にはその両方を体得して欲しいと思います。

 

 さて、上虚下実といった言葉がありますが、意味は〝上半身の余分な力みが抜けて、丹田に象徴される下半身に力が充実している状態〟といったことです。

 養生法として使われることが多いようですが、武術的に使われることもあり武術的な意味は様々です。

 大雑把な武術的意味合いとしては〝上半身を空虚のように柔らかく使い、下半身を実利的に使う〟といったことで、虚が実を伴い、実が虚を伴うといった虚・実の相互扶助的な意味としても使われます。

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 上半身を虚とすることとは体幹の使い方だと個人的に思いますが、体幹の使い方が養生法、武術的希望である上虚下実のための重要ポイントの一つであるとも思います。

 体幹の使い方を高めるには、体幹を鍛えることが肝心ですが、昨今は色んな体幹強化の方法を情報として得ることが出来ます。

 道場生には、自ら体幹強化を計る意識を高めて欲しいと思います。

 

 昨日の健康観察トレーニン

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 3.20.2021 記

型・平安3、型の得意な道場生へのはなむけとして

 先週のスパーリングの1 シーン。


ショルダースルー

 私の得意な型・平安3 の肩を使った受けの分解実践。

 スパーリングの相手は今春県外に進学する道場生で、彼は型が得意です。

 型が上手くなるには指導されたことを素直に、そして根気よく体が覚えるまで反復しなければなりません。

 上手くなるのに素直さと根気が必要な型、型は昨今の教育分野で注目されている非認知スキルの体現するものと個人的に思います。

 親元を離れての県外への高校進学、またコロナ禍が重なっては色々と大変なことがあると思いますが、空手で高めた非認知スキルで乗り切り、自分の将来を切り開いて欲しいと思います。

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 スパーリングで平安3 を使ったのは、型の得意な彼へのはなむけとして。

 

 昨日の健康観察トレーニン

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 3.19.2021 記

上段への初被弾〝逆卒業証書〟

 先週のスパーリングの1 シーン、上段前蹴りの被弾。


上段前蹴り

 普段のスパーリングでも、よく上段前蹴りを使う彼女ですが、普段は前蹴りの起り( モーション) の時点で下段払いでカットしてます。

 しかし今回は、打ち回し蹴り気味に前蹴りを仕掛け蹴りの軌道を変えてきましたが、その軌道の変化にまんまと引っかかり被弾。

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 恐らくはとっさの閃きで軌道を変えたものと思いますが、組手の刹那の瞬間にとっさの閃きで技を仕掛けるのは組手の華である上段系の蹴り技での技あり、一本に繋がります。

 スパーリングで閃きの感覚を練り上げ、試合で技あり、一本を量産して欲しいと思います。

 

 ところで今週、小学校を卒業した彼女、道場でも少年部を卒業し名実ともに一般部編入となります。

 今回の上段被弾は彼女に許した上段への初被弾となりましたが、奇しくも少年部卒業の〝逆卒業証書〟になったかと。

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 逆卒業証書を胸に華のある一般部としての彼女を指導していきたいと思います。

 

 昨日の健康観察トレーニング。

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 3.18.2021 記

顔面パンチあり・なしのスパーリングは基本的に同じ

 先々週のスパーリングの1 シーン。


手差しハイ

 私の牽制の追い突きを捌き、逆突きを返しながら上段回し蹴りまで繋げる道場生。

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 返しの逆突きは反応できましたが、上段回し蹴りは気づけば背足が顔の前にあり、返しの逆突きを躱した時点で追撃を警戒してバックステップしていなければ被弾していたと思います。

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 スリリングなコンビネーションでした。

 私は顔面パンチのないフルコンスパーリングと顔面パンチのあるスパーリングは、顔面パンチに慣れる必要はありますが、基本的に同じと思います。

 その理由の一つはフルコンの技術は、顔面ありでも通用する部分が大きいからです。

 上記添付のコンビネーションは往年の名選手であられる師範のセミナーに参加した時、フルコン組手で突きで蹴りの軌道を隠して被弾させる技術として同じコンビネーションを指導されていました。

 「ボクシングとか習っているんですか?」と聞かれることがありますが、私はボクシングは習ったことはありません。

 またボクシングを参考にすることはありますが、ボクシングをしているつもりもボクシングを求めている訳ではありません。

 フルコンタクト空手の技術をグローブを付けた顔面パンチのあるスパーリングで行っているだけです。

 顔面ありをやっていると使えるフルコンタクト空手の技術がたくさんあり面白く感じますが…、

 フルコンと顔面ありが基本的に同じとするには前提があります。

 それは〝相手の技をもらわないこと〟です。

 この前提をもとにルールを超えたフルコンタクト空手の技術を模索していきたいと思います。


 昨日の健康観察トレーニング。

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 3.17.2021 記