空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

付け焼刃では組手・スパーリングで使えない蹴り、その基本

 蹴りの基本は、基本稽古で行う前蹴上げに集約されていると個人的に思います。

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 基本たる所以は、骨盤を使っての足の振り、前屈立ちで軸足を強固に構築する2 点です。

 

 足の振りと軸足の強固な構築は、蹴りの威力と蹴りのコントロールに直結します。


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 骨盤を使っての足の振りは、骨盤を回す、個人的には骨盤を構成する腸骨の振り上げる足の部分を前に押し出す感覚を高めます。

 軸足の構築では、前屈立ちで軸足となる前足に体重を乗せ予め強固なものとして、振り上げた足を降ろす時には、降ろす足に軸足が崩されないように前屈立ちでの前足の膝の曲げをキープします。

 

 上記2 点の意識を高めて前蹴上げを反復することで、本当に組手・スパーリングで使える蹴りの根幹が練りあがってくると思います。

 蹴りは見栄えが良く、多くの人が好んで使いたがりますが、付け焼刃では組手・スパーリングでは使えません。

 使えないどころか、軸足が甘い蹴りはコントロールも甘く、蹴るべきでない場所を蹴って足の怪我を誘発します。

 道場生には、蹴りの基本である前蹴上げを、地道に反復練習して欲しいと思います。

 

 ちなみに前蹴上げは直接、組手・スパーリングでは使えませんが、蹴りの軌道を変えれれば、そのままカカト落としに応用できます。


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 カカト落としに応用するには、足を高く蹴上げることが必要となりますが、若い道場生には最初から高く上げるように心掛け、シニア世代の道場生には最初に上がる高さから、徐々に高く上がるように頑張って欲しいと思います。

 

 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時)

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 一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)

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 < 西南支部連絡>

 次の日曜日(6/27) は徳島合同稽古です。

 詳細は以下の通りです。

 場所…鴨島東中学武道場

 小4 以下…10 時~11 時30 分

 小5 以上…12 時~13 時30 分

 参加できる道場生は頑張りましょう。

 6.25.2021 記

コンビネーションが上手くできない理由の一つ、距離の調整・補正

 突きから蹴り、もしくは蹴りから蹴りといったコンビネーションは、組手を有利に展開する技法であり、試合競技では判定基準となる有効打の一角になります。

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 組手の上達を望むならばコンビネーションを習得すべきですが、なかなかコンビネーションが上手くできない人もいると思います。

 コンビネーションが上手くできない理由の一つに、コンビネーションを構成する個々の技を上手く繋げられないことが挙げられます。

 例えば、突きと蹴りのコンビネーションでは、手と足の長さが違うように突き・蹴りでは届く距離・リーチが違います。

 蹴りより短い突きの距離で蹴りを出そうとすると、距離が詰まってしまい上手く出せないのは当然の現象です。

 

 昨日の鴨島道場一般部クラスのミット稽古。


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 ワンツースリー、膝蹴りから下段の回し蹴りのコンビネーション。

 ワンツースリーから膝蹴りはリーチが合うので繋ぎやすいですが、足でも膝で蹴る膝蹴りと主に背足( 足の甲) で蹴る下段回し蹴りではリーチが違い、繋ぎに距離の調整・補正が必要になってきます。

 その調整・補正を膝蹴りの引き足を利用したステップで行うことが、このミット稽古でのポイントです。

 また同日の稽古では、上記のコンビネーションに約束組手の要素を盛り込んだ、ワンツースリーの後に返してくる相手のワンツーに膝蹴りから下段回し蹴りを合わせるミット稽古も行いました。


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 コンビネーションに習熟するには、こういったミット稽古での距離の調整・補正を含む、技の繋ぎに意識を高めて欲しいと思います。

 私は道場生の組手の上達には、指導で細かい上達へのアプローチを盛り込んでいますが、道場生にはその要点をしっかり押さえて欲しいと思います。

 

 昨日の鴨島道場

 少年部クラス1 部(17 時45 分~18 時45 分)

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 少年部クラス2 部(19 時~20 時)

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 一般部クラス(20 時15 分~21 時30 分) 

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 6.24.2021 記

武道の観点に基づくディフェンス〝身を守る〟こと

 我々フルコンタクト空手の競技ルールでの組手・スパーリングのディフェンスでは、相手の攻撃を1. 受ける、2. 躱す、3. 打たれても耐えるの3つに大別されると思います。

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 どれも大切なディフェンスであり、特に試合を考えると3 つ目の打たれても耐えることは欠かせないものです。

 しかしディフェンスの基本は〝相手の技をもらわないことであり〟私は2 つ目の躱すことを重視します。

 昨日の徳島市加茂道場少年部クラスの受け返し。


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 受け返し棒を持った仕掛け手の腹部への突きを前蹴りに見立てて、右の前蹴りに対しては前蹴りの基本の捌き方である右の下段払いを用いつつ左方向にステップし右の回し蹴りの返し、左の前蹴りに対してはその逆を行う約束組手を行いました。 

 受けることと、躱すことを合わせたディフェンス練習ですが、ステップで回り込みを行うことで相手の死角に入り、返しである上段回し蹴りに繋げることにおいては、躱すステップを重視しています。

 昨日の少年部クラスの稽古前、保護者様と先の日曜日に行われたボクシングの井上選手の活躍からディフェンスの話になりました。

 様々な武道、格闘競技におけるディフェンスに関しては、その競技の目的によって考え方が様々に違うようです。

 我々の空手のディフェンスは武道の観点に基づき〝身を守る〟ことが、優先されるべきと個人的に思います。

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 私が指導する空手のディフェンスは、先述したように〝躱す〟ことを第一義としますが、躱す動作は単なるトレーニングとしても老若男女を問わずに個々の運動能力向上に大きく寄与するようにも思います。

 躱すディフェンスが、道場生の組手・スパーリングに大いに反映するような稽古を、工夫を持って構築していきたいと思います。 

 

 昨日の徳島市加茂道場

 少年部クラス(18 時30 分~19 時30 分)

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 一般部クラス(19 時45 分~21 時)

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 6.23.2021 記

武道としての根拠、競技に非情を含むこと

 我々の空手の競技はいわゆるKO、一本勝ちが至上の勝ち方になります。

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 添付させてもらった動画の冒頭、私の一本勝ちを取り上げていただいていますが、この時、腹への攻撃で相手のガードが下がっているのが分かり、ガードが甘くなった上段に倒すつもりで蹴りを放ちました。

 一本勝ちが至上がゆえに、無防備な上段へ、しかも倒すために蹴るのに躊躇はありませんでした。

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 また倒した後も勝利、そしてまかり間違えば自分が逆に倒されでいたかもしれない虎口から脱したことに安堵を覚え、倒した相手への気遣いはすぐには起こりませんでした。

 一本勝ちでは誰しもが私と同じ心情になると思いますが、一本勝ちは非情と言えると思います。

 しかし、この非情さは武道としての本質の一面と個人的に思います。

 また競技に武道としての非情さ含むことから、我々の空手は武道を唱えられるとも思います。

 礼を持って非情の本質に向き合い、非情のせめぎ合いの中で見えてくる自分の心弱さから人の心を推しはかる〝人への思いやり〟を持つことが、我々の空手が心を高しめる武道である所以と思います。

 武道としての非情で心を練っていくには稽古に緊張感を持たなくてはなりませんが、私が緊張感を欠く道場生を時に厳しく叱責するのは上記のような理由があります。

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 武道を唱えるならば、武道としての根拠をその稽古に持たなくてはならないと思いますが、指導者として武道の根拠を道場生に伝えていけるようになりたいと思います。

 

 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時)


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 一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)


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 6.22.2021 記

西南デイキャンプ01のお知らせ

 < 支部内連絡>

 以前のブログで少し案内しましたが、宿泊を伴わない日帰り合宿的なデイキャンプを7/17 ㈯、7/18 ㈰の2 日間行います。

 7/17 ㈯の鴨島道場、阿南道場、阿南東道場、池田道場の稽古を休みとしてスケジュールは以下の通りです。

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 西南デイキャンプ01

 Camp.1▶日時…7/17 ㈯<14 時~16 時> 場所…阿南市武道館

 Camp.2▶日時…7/17 ㈯<19 時~21 時> 場所…鴨島第一中学体育館

 Camp.3▶日時…7/18 ㈰<10 時~12 時> 場所…東みよし町農業者トレーニングセンター

 稽古は基本、移動、型稽古、スパーリングで行い、基本、移動、型稽古は各回で内容を変えて普段よりも詳細に指導、スパーリングでは低学年と高学年等、普段では対戦しないパターンも行いたいと思います。

 場所はコロナ対策として広い体育館を用意し、各回での場所を変えることで普段交流することのない道場生の交流の機会としました。

 参加料は必要なくCamp.1~3 まで、どのCamp で何回参加するかも自由です。

 多くの道場生に参加してもらいたいと思いますが、コロナ禍でも出来るイベントは少しずつ行っていきたいと思います。

 

 土曜日の指導

 選手クラス1 部(15 時~16 時)


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 鴨島道場少年部(16 時15 分~17 時15 分)


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 選手クラス2 部(17 時30 分~19 時)


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 鴨島道場一般部(19 時15 分~20 時30 分)


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 居残り稽古(21 時~21 時30 分)


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 6.19.2021 記

〝らしさ〟を求めること、豚キムチとトンカツ定食( ご飯大盛り)

 〝男らしさ〟〝女らしさ〟といった〝らしさ〟を求めることは、昨今デリケートさを必要とするようですが、私は道場生に〝らしさ〟を求めていきたいと思います。

 〝らしさ〟は自分への規範となりますが、例えば自分より実力の劣る相手を稽古の組手・スパーリングで一方的に痛めつけたりすることは、空手を学ぶ者らしくありません。

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 空手を武道として標榜するならば〝らしさ〟は、まして追求していかねばならないものと個人的に思います。

 私は武道とは、武士道と定義します。

 武士道とは〝名こそ惜しけれ〟の精神のもと、武士らしい振る舞いを求めていくものです。

 〝らしく〟あるために、自分の心を練り、身体を鍛えていくのが武士道からなる武道と個人的に思います。

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 〝らしさ〟は固定観念の一面もあり、それが人の多様性にそわず、多様性に理解を示そうとする昨今の世相は良いことと思います。

 しかし人の多様性への理解が野放図となり、人の調和を乱しているように思うスポーツニュースを最近目にしました。

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 武道としての空手にあっては、人との調和をかもす〝らしさ〟を求めていきたいかと。

 

 さて、毎週金曜日は恒例の青柳さんでのランチ。

 昨日は豚キムチとトンカツ定食( ご飯大盛り)。

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 ちなみに、このマンガ盛りのご飯を、私は自分らしさとしています。

 

 昨日の指導

 やわらかカラテ(15 時30 分~16 時30 分)


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 徳島市加茂道場少年部(18 時30 分~19 時30 分)


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 徳島市加茂道場一般部(19 時45 分~21 時)


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 6.19.2021 記

技術が人格となるスパーリング、体格差、年齢差に甘んじないこと、配慮、コントロール

 高学年の道場生が、中学生の先輩とのスパーリングで「パンチが当たらん」と漏らしているとのことが聞こえてきました。

 私は体格差や年齢差に甘んじないスパーリングをするように指導しています。

 体格差や年齢差に甘んじないことは、相手との体格差や年齢差を配慮することであり、体格差、年齢差の優位さを封じコントロールを持ってスパーリングするこことなります。

 コントロールのスパーリングは、高い技術を特にディフェンス面で生むものとして自らにも課しています。


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 私は中学生・高校生とのスパーリングの機会はありますが、高学年の道場生との機会はあまりありません。

 高学年の道場生が「パンチが当たらん」と感じたことは、私の中高生とのスパーリングの反映と思いますが、体格差、年齢差に甘んじないこと、配慮、コントロールは技術を生むのみならず、人への接し方にも繋がると思います。

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 技術が人格となるスパーリング、そして組手が行われる道場でありたいと思います。

 

 さて昨夜も予定どおり体重二桁の世界に。

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 すぐに三桁に戻りましたが…。

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 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時)


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 一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)


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 6.18.2021 記