空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

子どもの脳の働きを活発化させる〝地力〟の養成

 「力を出せ」少年部クラスで基本、移動、型稽古の突き、蹴りまたは他の動作に力強さが見れない時、よく発する言葉です。

 この言葉に後に「力を出さないと力はつかない」と続けますが、「力を出さないと力はつかない」とは、当たり前のことながら本質をうがった言葉と我ながら思います。

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 空手の動きには力強さが求められますが、空手の稽古を力強く行うことで手足、体幹に及ぶ全身が鍛えられます。

 空手の稽古で養う力は重い物を持ったりする過度の負荷にならないので、幼年、シニアを問わず全世代に適しています。

 実際の組手に反映する力を付けるのには時間はかかりますが、その力は〝地力〟となります。

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 数値で見て取れる一般的な力と地力は私が感じるところでは違いがあり、その違いは組手で感じるものであり数値では表せないものです。

 一般的な力は体格、体重に比例するものですが、地力は体格、体重に比例せず時には体格、体重を凌駕するものです。

 このことは選手現役中に幾度となく、自分より体格の劣る選手に負けてきただけに肌で感じるところです。

 地力は長い時間をかけて養ってきただけに、その力にはメンタルの精分が加わり、そのメンタルの精分が体格、体重を凌駕する地力となるように思います。

 

 道場生には〝地力〟を養って欲しいと思います。

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 特に少年部道場生には地力を養って欲しいと思いますが、地力は前述の通りメンタルが精分となります。

 メンタルは脳の働きであり、幼少期から地力を養うことは、脳の働きを幼少期から活発化させることであり、それは子どもの発育に好影響をもたらすものと思います。

 〝地力〟空手の強さとなり、それを養うことで脳の働きも良くするものですが、地力を身につけるために必要なことはシンプルです。

 稽古で指導されたことを素直に、そして一所懸命に行うことです。

 

 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19時〜20時)

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 一般部クラス(19時〜20時)

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 8.17.2021 記

新型コロナ感染拡大、今後開催予定の大会を視野に入れて

 お盆休みの8/12、8/13 はお盆強化稽古を行いました。

 強化稽古では、選手クラスの新メニューを試してみました。

 新メニュー、小4 以下の道場生にはラダートレーニング。

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 これまでラダートレーニングで行えることは、空手の基本、移動、型また他のトレーニングで行えると感心を持ちませんでした。

 ステップ強化が主となるラダートレーニングですが、実際、道場生にさせてみるとステップの踏込みを踵から行っている子が散見されました。

 本来ステップはつま先で行うものですが、ラダートレーニングによって低学年以下の子ども達は基本的な体の使い方が未熟な事を改めて思い知らされました。

 選手クラスでは、低学年以下の道場生には足から鍛えて行こうと少し方針転換しますが、ラダートレーニングは足の使い方の基本を身に付けやすい利点があると思います。

 大いに活用しようと思います。


  新メニュー、小5 以上の道場生にはチューブを使った内転筋強化と腹打ち。

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 先の試合で道場生全般の接近戦でのオフェンス・ディフェンスワークを高める必要性を感じましたが、個人的な感覚から接近戦ではスタンス ( 立った姿勢) の強さが必要であり、それには内転筋の強さが不可欠のように思います。

 私自身も行っているメニューですが、膝上に付けたチューブの負荷で道場生の内転筋を強化して行きたいと思います。

 また接近戦で欠かせないのが、腹の打たれ強さ。

 腹打ちをメニューに加えるとともに通常クラスではライトスパーリングですが、強化稽古、選手クラスのスパーリングでは腹は効かせる意識を道場生に持たせるように方針転換しました。

 私も中学3 年生以上の道場生には、腹を効かせるつもりで行いました。


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 中学3 年生以上の道場生は、特に腹の打たれ強さを意識して欲しいと思いますが、その意識の延長上にはノーサポーターの本来の極真スタイルでの試合を視野に入れて欲しいと思います。

 

 新型コロナの感染拡大が止まりません。

 人流の抑制が唱えられていますが、闇雲な人流抑制は、もうナンセンスのように個人的に思います。

 しっかりとした感染対策の上で人流をコントロールすべきと思いますが、今後開催予定の大会を視野に入れて選手クラスの内容を高めて行きたいと思います。

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 お盆休みも終わり、今日から通常稽古を再開です。

 道場生の皆さん、頑張って行きましょう!!  

 8.16.2021 記

8月度・新極真徳島合同稽古

 先の日曜日(8/8) は北東あわじ支部さんとの合同稽古でした。

 小4 以下を9 時~10 時30 分、小5 以上を11 時~12 時30 分と参加者を2 グループに分け、さらに幼稚園

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 小学1・2 年生

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 小学3・4 年生

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 小学5・6 年生、中学2 年生以下・女子

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 中学3 年生以上男子のグループに分かれて、スパーリングのみの稽古会です。

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 日曜日はことのほか暑く、稽古に参加した私も稽古後には水をかぶったような汗で、全身ずぶ濡れでした。

 熱中症を気にかけ絶えず参加者の顔色を見ていましたが、参加者の表情は引き締まり、暑さに負けない気持ちの強さを見せる参加者がたくさんいました。

 熱中症を気にかけての稽古では、参加者全体の表情、そして動きをよく見ています。

 表情、動きに集中力がない場合は、稽古を止めさせますが、他の参加者に集中力がある場合は稽古全体は止めることなく続けます。

 また稽古後の様子も見ていますが、稽古後にぐったりしているか、していないかは熱中症へのバロメーターになります。

 熱中症は決して甘く見てはいけないと思いますが、かといって過度になってもいけないように思います。

 酷暑の中の稽古は厳しいものですが、暑さに負けない気持ちの強さを見せる人にはフィジカルの強さが感じられ、暑さがメンタルとフィジカルを高めるように個人的に思います。

 ただやはり酷暑での闇雲の稽古は厳禁であり、小まめな水分補給と休憩、そして長すぎないの稽古への配慮が必要と思います。

 まだまだ酷暑は続きますが、熱中症対策を第一に、この時期に道場生を鍛えたいと思います。

 日曜日の合同稽古に参加の皆さん、保護者の皆様、お疲れさまでした。

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 9 月も開催予定です。

 また頑張りましょう!!

 

< 支部内連絡>

 明日(8/11 ㈬) の鴨島道場は以下の通り稽古を行います。

 少年部(18 時30 分~19 時30 分)

 一般部(19 時45 分~21 時)

 ニュースレターで明日は祝日と書いてしまいましたが、明日は祝日の移動で祝日ではありませんでした。

 時間はいつもより変更しますが、通常稽古を行いますので、道場生、保護者の皆様よろしくお願いいたします。

 

 また8/12 ㈭・8/13 ㈮は両日とも以下の通り、鴨島道場にて強化稽古を行います。

 小4 以下…9 時~10 時

 小5 以上…10 時30 分~12 時30 分

 参加できる人は頑張りましょう!!

 8.9.2021 記

強さの成分、弱さの成分

 〝強さは優しさなり〟空手でよく使われるフレーズです。

 このフレースを裏返せば〝優しさが強さ〟となる訳ですが、強さは人の様々な性質が成分となり構成されると思います。

 例えば〝素直さ〟。

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 空手は指導されたことを素直に稽古することで、技と力が身につきます。

 

 強さが様々な成分で構成されるように、逆に弱さも様々な成分で構成されています。

 道場生、特に子ども達には、強さとなる成分をたくさん指導せねばなりませんが、それ以上に弱さとなる成分を自ら気付かさねばならないようにも思います。

 自分の弱さを知ることも、強さの成分になりますが、それは〝聡明〟といった性質になると思います。

 

 人は自分の弱さから目をそらしがちですが、空手、特にフルコンタクト空手は稽古で否応無しに自分自身の弱さを目の当たりにする時があります。

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 それは厳しいことですが、厳しさは自分の弱さの成分に気づくチャンスでもあります。

 道場生には自分の弱さが、自分のどういった性質が引き金になっているかを気づけるようになって欲しいと思います。


<支部内連絡>
 明日は北東あわじ支部さんとの徳島合同稽古です。

 詳細は以下の通り
 場所…鴨島東中学
 小4以下…9時〜10時30分
 小5以上…11時〜12時30分

 参加できる人は頑張りましょう!!

 また、8/9(月)の美馬道場は祝日でお休みです。

 

 昨日の指導

 やわらかカラテ(15 時30 分~16 時30 分)

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 徳島市加茂道場少年部クラス(18 時30 分~19 時30 分)

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 徳島市加茂道場一般部クラス(19 時45 分~21 時)

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 8.7.2021 記

打たれ強さを高める〝腹打ち〟空手の原風景を追って

 競技のみに固執する空手には個人的に違和感を感じるところであり、稽古が競技目的のみに特化することは個人的には否定的です。

 しかし選手かどうかに関わらず、道場生全般においてルールに基づく組手での、競技力は高めて行こうと思います。

 競技目的のみの空手へ違和感を感じるのは空手の原風景を想うからであり、空手を武道とするならば、空手の原風景は見失ってはならないと思います。

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 空手の原風景の一端は型に見受けられますが、それは目を突いたりと殺伐とした部分も含むものであり、原風景をそのまま追うことは時代、そして幅広い世代に適合しがたいものと思います。

 色んな空手観があると思いますが、私は空手を文化として未来へと昇華していくには、空手は時代、そして幅広い世代に適合していかねばならないと思います。

 空手の原風景を見失わず、空手を未来へと文化として昇華させる。

 その手段として思うところは〝競技スタイルの稽古の中で、空手の原風景を追って行く〟ことが手段の一つとして有効に思います。

 型、そして直接打撃の組手を行う我々フルコンタクト空手は、特にその任に叶うものと思います。

 原風景は形だけで幻想するよりも、実際に力と力がぶつかり合う中でインスピレーションしていく方が追いやすいと個人的に思います。

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 競技力向上の中で原風景を追って行きたいと思いますが、一部道場生では、これまでほとんどしてこなかった腹打ちで打たれ強さを高めていこうと思います。

 打たれ強さは、組手での引かない気持ち、前に出る気持ちの強さとなります。

 〝戦わなければならない状況で、引かない、前に出る気持ち〟

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 それは空手が派生した当時の原風景に含まれていると思います。

 

 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時) 

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 一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)

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 8.6.2021 記

ライトスパーリングとガチンコスパーリング

 昨日の鴨島道場一般部クラスのスパーリング。


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 一般部クラスでのスパーリングでは相手にダメージを与えるようなガチンコを禁止とし、軽く技を与えるライトコンタクトを心掛けるように指導しています。

 ライトコンタクトに限定する理由は、一般部クラスに参加している社会人に、翌日の仕事に支障をきたすようなダメージは、与えるべきではないと思うところが一番の理由です。

 また、ライトコンタクトであっても、スピードは意識するように指導しています。

 見合う場面も少なくし、攻防を間断なくスピード感を持って展開することによって技を練る意識を高めています。

 

 結局のところ強くなるためにはガチンコスパーリングが不可欠になってきますが、私は初心者は最初からガチンコはしない方が良いと思います。

 初心者が最初からガチンコになると相手を効かそうとする意識が先走り技が荒れ、荒れた技は競技ルールでの反則まがい、もしくは反則そのものの技になりがちです。

 強さを求めるならばライトスパーリングでコントロールの効いた技を練り、ガチンコに転じていく方が良いように私は思います。

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 西南支部では今後、ライトとガチンコのスパーリングを分けて行っていこうかと思います。

 ガチンコスパーリングは選手クラス、もしくは不定期に行う強化クラスで行いたいと思います。

 ガチンコといっても強打する身体部分は限定し、ダメージが幾日も残るような身体部分への強打は禁止したいと思います。

 競技でフルにガチンコをしたければ試合に出れば良いもので、強さへのアプローチは試合を重ねることが一番であることの筋道にもなるかと思います。

 道場生には段階を経るスパーリング、そして組手を提示していきたいと思います。

 

 昨日の鴨島道場

 少年部クラス1 部(17 時45 分~18 時45 分)

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 少年部クラス2 部(19 時~20 時)

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 一般部クラス(20 時15 分~21 時30 分)

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 8.5.2021 記

空手の稽古で、無闇に子ども達の感興に応じてはならないと思う事

 昨日の徳島市加茂道場少年部クラスの受け返し。


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 ワンツーパンチを下段払いでディフェンスして、上段回し蹴りの返し。

 受け返しの基本は、仕掛け手は返し手が受けやすいタイミングで仕掛け、返し手はそのタイミングに応じる、お互いがタイミングを合わす事にあります。

 合わせやすい状況から相手の仕掛けるタイミングを体で覚え、そのタイミングを相手が何を仕掛けて来るか分からない自由攻防の組手・スパーリングで計っていくのが、組手・スパーリングの上達への受け返しのアプローチとなります。

 受け返しはお互いがタイミングを合わせることが、まず大切ですが、どちらか一方がふざけて行えばタイミングは合わず、稽古の意味は成さないようになります。

 

 子ども達は楽しさを求めるもので、楽しくない事にはふざけて楽しさを求めようとする場合があります。

 楽しさを求める事自体は悪いことでなく、むしろ子ども達の健全な発育には不可欠なものであり、子ども達の感興に応じることは周囲の大人役割と思います。

 しかし、無闇に子ども達の感興に応じてしまえば、本質を歪める物事もあります。

 武道としての空手には、無闇に感興に応じてならない事柄たくさんあり、受け返しはその最たる例の一つです。

 

 昨日の少年部クラス、感興を覚えないのか、よく、ふざけて受け返しを行っていた子が、昨日はふざけずしっかりとタイミングを合わせていました。

 ふざけている時は厳しく注意してきましたが、昨日の稽古ではふざけてはならない事に気づいた彼の成長を感じました。

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 その成長は意味のない感興に流されず、物事の本質に向き合う自制心の芽生えのように私は感じました。

 空手の稽古でも子ども達の感興に応えることは大切と思いますが、その応じ具合は適切に計って行きたいと思います。

 

 昨日の徳島市加茂道場

 少年部クラス(18 時30 分~19 時30 分)

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 一般部クラス(19 時15 分~21 時)

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 8.4.2021 記