空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

応用があって初めて分かる、基本の意義と大切さ

 若い頃は「基本( 基本、移動、型稽古を含む広義的意味) などあまりやらず、ミットとスパーリングとフィジカルだけ稽古でやれば良いのに」と正直、思っていました。

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 しかし最近の自身のスパーリングで突きを打つ時の重心移動、相手のオフェンスを躱す体捌きなどに、基本が息づいていることを感じることがあり、今は基本抜きの稽古など逆に考えられないようになっています。

 49 歳になってもスパーリングが出来るのは、基本に負うところが大きいと感じていますが、空手に稽古としての基本の体系があって良かったとつくづく思います。


 個人的に基本は、応用があって初めて基本の意義や価値が分かるように思います。

 指導者として応用を示さず、基本のみの大切さを発信しても、それは発信不足で道場生に伝わらず、また応用を発信するのみでも発信不足であり、発信内容を実演しなければならないと思います。


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 空手における基本の応用は、私は組手と思いますが、空手の組手はルールによって成立しています。

 様々な流派の空手があるようにルールも様々に整備されていますが、様々なルールの組手に対応できることが、基本の重要性を発信する内容の深さになると思います。


 空手の基本は正直、退屈に感じる部分もあります。

 発信内容を深めても、若い頃は基本に身を入れ難いと思います。

 しかし私自身がそうであったように、若い頃はそれで良いと思います。

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 若い道場生に基本の重要性を指導していて、身を入れ難くても、内容の深さについては感じている部分はあることを感じます。

 その感性を失わずにいれば、いずれ基本の大切さには気づくものと思います。

 若い道場生の感性を深める指導方法に、私はスパーリングを用いていますが、49 歳、アラフィフの身体を張っていきたいと思います。


 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時)

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 一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)

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 9.7.2021 記

ハードで厳しく、そして楽しいとは言い難い稽古を、なぜ、子ども達がするのか?

 土曜日の稽古、小学一年生の女子道場生からお手紙をいただきました。 

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 私は道場生に、自分から話しかけコミュニケーションを取るといった事をあまりしません。

 自分から話しかけてくれる道場生もいますが、そういった場合無論つっけんどんなことはせず、楽しくお話します。

 手紙をくれた道場生とは、普段ほとんどお話しませんが、手紙には話をしない私への空手への思いを綴ってくれたのだと思います。

 小学1 年生ながら彼女の空手への主体性が伝わってくる手紙の内容ですが、その主体性が感じられる一言一句が、私にはとても良い文字に思えました。

 彼女が黒帯を取るのは、まだまだ遠い先のことになりますが、その時を楽しみに待ちたいと思います。


 さてブログでよく書く事ですが、我々の空手は直接突き蹴りを当てるハードなものです。


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 特に小さい子供のカテゴリーでも、いわゆるKO が認められる試合は厳しいものです。

 我々の空手の稽古は必然的にハードで厳しいものとなり、決して楽しいとは言い難いものです。


 ハードで厳しく、そして楽しいとは言い難い稽古をなぜするのか? 

 それは強くなるためです。

 空手は強くなるために学び、稽古するものであり、それが本質だと私は思います。

 空手で強くなるためには色んな方法があると思いますが、私がこれまでの経験、また見聞したことから断言できることは、ハードで厳しく、楽しくない稽古は、強くなるための稽古の一つであることに間違いはないということです。

 ハードで厳しく、楽しくない稽古、そんな稽古を前述の小学1 年生の女の子以外にも主体性を持って取り組んでいる道場生が、私が指導する新極真会徳島西南支部にはいます。

 彼ら、彼女らが、なぜハードで厳しく、楽しくない稽古に主体性を持てるのか?

 それは彼ら、彼女らが空手の本質、また強くなるために必要なことを理解しているからだと私は思います。

 その理解は彼ら、彼女らの人格を構成する聡明さであると思います。

 彼ら、彼女らの聡明さは〝強くなりたい〟と思う、純粋さから生じたものと思います。

 空手のようなフィジカル的な強さ以外にも、強さには色んな強さがあると思いますが、どんな強さであれ、強さを得るには純粋な気持ちがなければならないと思います。

 お話はしなくても稽古への態度を見ていると、道場生の気持ちは分かるものです。

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 純粋な気持ちを持って稽古にのぞむ道場生に、怒鳴り立てるようなハードで厳しく、楽しくない〝指導〟でなく、理にかなったハードで厳しく、楽しくない〝稽古〟を指導していきたいと思います。


 土曜日の鴨島道場

 選手クラス1 部(15 時~16 時)

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 少年部クラス(16 時15 分~17 時15 分)

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 選手クラス2 部(17 時30 分~19 時)

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 一般部クラス(19 時15 分~20 時30 分)

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 居残り稽古(21 時~21 時30 分)

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 9.6.2021 記

身体パフォーマンスが健康の証の一つ

 パーソナル空手フィットネス「ストライクフィットネス」及び、健康講座「やわらかカラテ」を道場生以外の方に指導させていただいております。

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 「ストライクフィットネス」「やわらかカラテ」ともに健康を意識した運動の意味であるフィットネスですが、空手のフィットネス的作用を抽出して〝楽しく〟、または〝やわらかく〟空手を学んでいただき健康増進に寄与したいと思っています。

 空手である以上、学んだことが身体パフォーマンスとして現れなければならないと思い指導させていただいていますが、両フィットネスともパフォーマンスはスパーリングに重きを置いています。

 スパーリングは私が対戦相手をつとめ、安心、安全に行っています。


 最近「やわらかカラテ」の皆さんは、パンチが伸び、重さが出てきました。

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 また「ストライクフィットネス」の皆さんは、スパーリングの駆け引きが巧妙になり、私の動きを読んでパンチを被弾させるようになってきました。


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 パフォーマンスが健康の証の一つであると個人的に思いますが、「ストライクフィットネス」「やわらかカラテ」の皆さんのパフォーマンスを高めていきたいと思います。

 

 昨日のランチ、青柳さん、アジフライ& とんかつ定食大盛り

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 9.4.2021 記

空手の稽古のファンクショナルトレーニング要素の一つ、緩急

 昨日の美馬道場少年部クラスの移動稽古。


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 上段逆突きから中段2 本の3 本突き。

 私はこの移動稽古を重視しています。

 この移動稽古は、上段逆突きを突いた後少し間を空け、その後中段突き2 本をそのまま続けざまに打ちます。

 リズム的にトン、トントンといったリズムですが、このリズムは緩急として指導しています。

 動きの緩急は、組手における駆け引きやタイミングをはかる呼吸となります。

 初心者の組手はとかくバタバタとしたものですが、バタバタとする一因は動きに緩急がないためです。

 

 緩急は呼吸であり、自身の内面的作用でもあります。

 動きに緩急をつけることは、自分の内面をコントロールし、精神を落ち着かせる作用があるように個人的に思います。

 なので、子ども達にとっては非常に良い稽古だと思います。

 空手の基本、移動、型稽古はファンクショナルトレーニング( 身体の機能を高めるためのトレーニング) であると、私は常々主張しています。

 身体をつかさどるのは、内面としての精神です。

 単に身体、フィジカルのみを強くするだけでなく、その精神を高めるトレーニング要素を含む、空手の基本、移動、型稽古はファンクショナルトレーニングとして、ますますもって優秀であると個人的に思います。

 

 空手の基本、移動、型稽古でのファンクショナルトレーニング要素を見出すには、指導者の基本、移動、型稽古への深い見識が必要かと思います。

 その見識は、空手の本質的目的である組手での、自身の経験から見えてくるものと思います。

 これまで自分が経た試合での組手経験、これからのスパーリングでの組手経験をもとに、空手の基本、移動、型稽古でのファンクショナルトレーニング要素を見出し、道場生に指導していきたいと思います。

 

 <支部内連絡>
 本日の徳島市加茂道場の稽古は、新型コロナでの徳島アラートの引き上げにより、稽古場所の加茂コミュニティーセンターが休館しているため休講です。

 

 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時)

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 一般部クラス(20時15分〜21時15分)

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 9.3.2021記

 

突きの威力を得るために、フォームよりも大切なこと

 以前は突き蹴りのフォームを細かく、徹底して指導していましたが、最近はあまり徹底しなくなりました。

 突き蹴りのフォーム、特に突きに関しては他の格闘技、庶流派の空手を研究させていただき、自分の中で威力のある突きのフォームが確立しています。

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 フォームが構築される段階においては、フォームの優秀性を道場生に伝えたく道場生にも細かく、徹底に指導していました。

 しかし、その確立の度合いが高まり、自分自身の突きの威力に自信が出来るにつれ、あまり道場生のフォームにはこだわらなくなりました。

 それはフォームにこだわるよりも、身に付けなければならない、もっと大切なことに気づいたからですが、その大切なこととは〝実際に効かせる〟 意識を持つことです。


 昨日の鴨島道場一般部クラスでのミット稽古では、〝実際に効かせる意識を持ち、全力でミットを打つ〟ことを要点として指導しました。


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 まだどんなに素晴らしいフォームを身につけようと、全力で突きを打ってフォームを練り上げなければ組手、スパーリングでは使えないことを付け加えました。


 フォーム、いわゆる型ですが、空手は基本、移動稽古も含め型を重んじて稽古します。 

 空手の型は、型が最初にあったものでなく、実際の戦いの中で、戦いでの利を得る方法を型にしたものと思います。

 型は実際の戦いの後から作れたものであり、型を有り難がるよりも先に実際の戦いを意識せねば、結局のところ型は身に付かないと思います。


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  突きに関して言えば、実際に効かせる意識を持って全力でミットを打ってると威力は自然とついてくるものです。

 緻密なフォーム主導によって突きの威力も高まりますが、それは実際に効かせる意識のもとに身に付いた自然の威力が土台となって発揮されるものと私は思います。

 実際に効かせる意識は、実際での組手での意識です。

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 通常クラスでのスパーリングは効かせることは厳禁としていますが、組手への意識を常に持つために稽古では毎回スパーリングを行っています。

  道場生には、空手は型よりも実際の戦い、組手が先にあることを銘じて欲しいと思います。

 

 昨日の鴨島道場

 少年部クラス1 部(17 時45 分~18 時45 分)

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 少年部クラス2 部(19 時~20 時)

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 一般部クラス(20 時15 分~21 時30 分)

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 9.2.2021 記

子ども達の主体性を身に付ける稽古の工夫

 主体性を持って、積極的に行動する子ども達には可能性を感じます。

 少年部クラスでの型稽古では、初級の型は全員で行いますが、中級、上級の型をするか、しないかは本人の意思に委ねます。

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 型の順番があやふやでしないことを選択した道場生には見学を指示しますが、休憩でなく〝見学〟いずれ〝する〟ように文字通り見て学ぶことを見学で言い聞かせます。

 私は型の要点は指導しますが、順番はあまり指導しません。

 順番は上記の見学などで、自分から覚えるように指導しています。

 

 昨日の徳島市加茂道場少年部クラス、初級の型を終え、中級、上級の型に移る際にいつもどおり、するか、しないかを聞くと全員が〝する〟選択を。


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 中級、上級の型を初めて〝する〟選択をした白帯、また幼稚園の道場生もいましたが、それまでの見学で見て覚えた順番をたどたどしくながらも追い、私の要点の説明を一生懸命に行う姿は素晴らしかったです。

 空手のみに限らず主体性を持って行動することが、自らの可能性を広げることだと思います。

 私は少年部クラスでは、子ども達の主体性を芽生えさせ、高めることを指導指針の一つとして稽古を工夫しています。

 何かしらの興味、何かしらの理由をもって始めた空手、未来がある子ども達には空手が自らの可能性を広げるものであって欲しいと思います。

 そのために空手で主体性を身に付けることは、指導者として、子ども達への私の思いの一つです。

 主体性を身に付けるには、始めたからには空手はするものとして規定し、そこに〝する〟〝しない〟の選択は設けず、稽古のなかで、いずれする方向で〝する〟〝しない〟を設定させることが大切であると私は思います。

 

 昨日の徳島市加茂道場

 少年部クラス(18 時30 分~20 時30 分)

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 一般部クラス(20 時45 分~21 時)

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 9.1.2021 記

受け返し、視覚を深めて感覚を働かせる、タイミングを合わせて呼吸をはかる

 スパーリング・組手では、タイミングが大事です。

 勢いよく一気呵成に攻められても、相手のオフェンスにタイミングを合わせてディフェンスを行い、相手のオフェンスの合間にタイミングを合わせて自分のオフェンスを極める。


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 タイミングはパワー、スピードなど組手に必要な構成要素の中で私が最も重視しているものですが、その重要視の度合いは道場生への指導にも反映させています。

 道場生に相手のタイミングをはかる呼吸を身につける稽古方法として、私が指導するのは受け返しです。

 

 昨日の美馬道場少年部クラスでの受け返し。

 相手のワンツーパンチを下段払いで受け、追撃の上段回し蹴りを受けて上段回し蹴りを返す。


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 タイミングが合わず、なかなか覚束ない場面も見られますが、この受け返しを集中して反復練習をするうちに相手のタイミングをはかる呼吸が身につきます。

 受け返しでは、技を返す返し手だけでなく、受け返し棒を扱う仕掛け手もタイミングを合わすように指導しています。

 タイミングを合わせることは、呼吸を合わせることとなります。

 タイミングは相手の動きを見てアクションを起こす視覚的作用ですが、呼吸は目に見えないものであり感覚的作用です。

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 視覚を深めて感覚を働かせる、タイミングを合わせて呼吸をはかる稽古は、子ども達にとって相手の気持ちを読み、そして思いやるような情操を育むことに通じると思います。

 受け返し、しっかり指導していきたいと思います。

 

 <支部内連絡>

 現在、新型コロナ感染拡大による徳島アラートの引き上げにより、金曜日の徳島市加茂道場の稽古で使用している加茂コミュニティセンターが休館していますが、その休館期間が延長となりました。

 休館期間は徳島アラートが下がるまでとのことで、よって金曜日の徳島市加茂道場の稽古は、当面の間休講させていただきます。

 道場生の皆さんにはご不便をお掛けしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時)

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 一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)

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 8.31.2021 記