空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

新極真空手

第 18 回徳島県空手道錬成大会、勝利至上主義の抑制となる武道競技の矜持を考えて

昨日 (9/4) は美馬市脇町のうだつアリーナにて第 18 回徳島県空手道錬成大会でした。 まずは大会に参加、協力していただいた選手、関係者の皆様、皆様のお陰を持ちまして無事に大会を終えることが出来ました。 誠にありがとうございました。 さて大会では色…

自分一人の練習で働く〝お天道様が見ている〟という心理

先ごろ SNS のニュース記事で 10 数年前に痴漢行為で罰せられ、その事件がインターネットで検索すれば未だに掲示され自分の名前が出ることを、反省しているのに過去の罪が晒されると、自分がインターネット社会の被害者のように苦にしているといった記事を目…

出力動作と入力動作、入力動作は頭の働きに直結するもの

昨日 (8/31) の鴨島道場一般部クラスの受け返しは、受け返し棒を用いてワンツースリーパンチ、下段回し蹴りのスネ受け、上段回し蹴りへのステップ、下段回し蹴りの返しを最初は 5 秒間隔で、 そして 4 秒間隔 www.youtube.com 3 秒間隔 www.youtube.com 最終…

人間関係の良し悪しは、対人感覚の正誤、空手の稽古で対人感覚の正誤を見極める

空手の稽古は、正しい形を学び、身に付けるものです。 例えば移動稽古で行う前屈立ち。 足のスタンスの横幅は肩幅、縦幅は肩幅の 2 倍、前足の膝を曲げて、後ろ足の膝はしっかり伸ばすといった具合です。 一方、正しい形を学ぶということは、誤りの形を知る…

愛知合同稽古、真実のある世界に触れることのできる幸運

昨日 (8/28) の日曜日は、愛知県春日井市で行われた合同稽古に見学参加させていただきました。 昨日の合同稽古は、第 7 回全世界ウエイト制空手道選手権大会の日本代表メンバーを主体とする合同稽古ですが、同大会に出場させていただく息子の同行でした。 昨…

組手で身をかばい過ぎる意識を捨てることの大切さ、体捨流

スパーリングで上段への蹴りが顔を掠めたり、強い突きを被弾すると体がこわばりますが、そういった場合、私は肩の力を抜くように体がこわばらないように心掛けています。 www.youtube.com 初心者のスパーリングを見ていると、体がこわばったままスパーリング…

出力動作と入力動作、負荷を設定しにくい入力動作を高めるための負荷

空手の動作は攻守、いわゆるオフェンスとディフェンスに大別されることができます。 オフェンス動作は突きや蹴りといった、その動作に必要なパワーやスピードを発出させることから出力動作と言える思います。 それ対しディフェンス動作は、相手の発出された…

子ども達の裸足で運動することの大切さ、ステップ練習

少年部の子ども達の稽古での動きを見てると、足の裏のつま先側に体重を乗せる、つま先重心の未熟さをよく感じます。 空手はつま先重心と、かかと側に体重を載せるかかと重心を必要に応じて使い分ける必要があります。 子ども達など若い世代は機敏さが動きの…

全九州空手道選手権大会、一歩でも外で

先週末の土曜日 (8/20) から昨日 (8/22) まで、全九州大会への参加による福岡県出張でした。 全九州大会、素晴らしい大会に参加させていただき、主催者の緑健児師範、福岡支部のスタッフ皆様、誠にありがとうございました。 さて全九州大会には、新極真会徳…

スパーリングで「相手が泣き出したら、加減をするように」との指導が示すもの

〝社会は人の共通意識で構成されている〟と、以前読んだ本に書かれていました。 例えば「嘘をつく事は悪いことである」とは、社会を構成する共通意識であり、その共通意識のもと人は社会で行動するそうです。 しかし意識は共通できても、行動の元となる意識…

稽古で示す厳格さに、試合における勝負の厳しさを匂わせる

指導において、道場生の実際の動作の誤りを指摘するとともに、心構え的な誤りとして「そんな事では試合に勝てない」と声に出して指摘することがあります。 声に出さずとも、心の中で思いつつ動作の誤りだけ指摘する場合もありますが、全ての道場生に対する稽…

最近の猛暑の中の稽古、相手の汗で滑ることで思い出す昔の稽古

最近のような猛暑の中での稽古では、稽古着が汗で水を被ったようにびっしょりしてきます。 スパーリングにおいて前蹴りを蹴ると、相手の汗が足の裏に着き、そのまま蹴り足を接地させると滑ることもあります。 基本稽古の蹴り技では、引き足の接地を音がしな…

今回のお盆強化稽古でのテーマ、2 種類の押しミット

お盆休みが明けて、本日より新極真会徳島西南支部は通常稽古の再開です。 お盆休み期間中は3 日間に渡りお盆特別稽古を行いましたが、普段、顔を合わさない道場生同士が稽古を共にするなど、さながら日帰り合宿のようでした。 日帰り合宿のようなお盆特別稽…

「こういう風に」が「どういう風に」を誘発させる指導の意図

最近の指導においては、見本を示し「こういう風にしてください」との言い方をよくしています。 基本稽古の最初に行う三戦( サンチン) 立ちの指導では、特に上記の言い方をします。 本来ならば足を肩幅に開いて内側に締め、肘は90 度に曲げて、拳は肩の位置に…

コロナ陽性者になって思うこと、感染しないための感染対策、感染しても軽症で済むための感染後対策

コロナ陽性者になってからの行動制限が解除され、先週末の土曜日から指導を再開しました。 行動制限中の休講期間中は、道場生の皆さんにはご不便をおかけしましたが、コロナ病後の後遺症もなく、逆に疲労が取れてコロナ前よりも体調は良く、指導再開において…

カラテドリームフェスティバル2022 全国大会、最高の笑顔

週末の2 日間(7/23 ㈯、7/24 ㈰) は、東京体育館で行われたカラテドリームフェスティバル2022 全国大会でした。 まずは、この時期にエントリー実数で2,596 名の素晴らしい大会を開催していただいた大会実行委員長である緑健児、新極真会代表をはじめとする関…

いよいよカラテドリームフェスティバル2022 全国大会、最高の視界の中で広がる選手の視界

「強くありたい」「人より秀でたい」と、思う人は多い思います。 その欲求を満たすため、人は誰かと自分を比べたがります。 人と自分を比べることは別段悪いことでなく、空手指導者としての私は人と自分を比べることをむしろ推奨し、あまり目立ちませんが指…

空手でよく使われる言葉〝重心〟、物理的意味合いと人間固有の意味合いである重心の〝心〟

空手では〝重心〟という言葉がよく用いられます。 重心を改めて調べてみると、下記の通りの内容がグーグルでは掲載されています。 1. 物体の各部に働いている重力の作用と等価な合力が作用するはずの点。 2. 図形については、それと同等と見られる点。 3. 質…

空手の組手、スパーリングで優勢を得るための物量作戦と省エネ作戦

空手の組手、スパーリングでは、対戦相手は自分の思うようには動いてくれないものです。 よって組手、スパーリング、そのものがなかなか自分の思うようには展開しないものです。 自分の思うように展開しない組手、スパーリングにおいて勝ちを得るため、また…

選手時代の余生としての空手指導者の今、選手時代の跡形を道場生に

久しぶりの連休となった日曜日、月曜日、たまった疲れを回復させようと静養につとめました。 静養を心がけるも、ずっと家でゴロゴロしているのも、かえって体の節々がコリ、休み明けの体の調子が良くないもので、昨日の月曜日は夕方に1 時間ほど自習練習。 …

子ども達の楽しそうな表情、真剣な表情、空手道場が引き出すべき子ども達の表情

少年部クラスの稽古前は、鬼ごっこで遊んでいる道場生が多く見られます。 鬼ごっこはトレーニングにもなるので、私も別段止めたりしませんが、遊んでいる時の子ども達の表情は、楽しそうで実に活き活きとしており、とても良いものです。 表情は心ばえを映す…

型( かた) の中の形( かたち)、空手の稽古の型に必要と思うこと

空手は型( 稽古で分類されている基本、移動、型稽古を総じての意) で稽古することの多い稽古体系です。 型( かた) では各動作の形( かたち) を整えますが、その形に隙を生じさせないようにと、昨日の鴨島道場一般部クラスでは強調して指導しました。 〝形の…

カラテドリームフェスティバル2022 全国大会のトーナメント発表、小学生の全国大会不要論について思うこと

カラテドリームフェスティバル2022 全国大会のトーナメントが、新極真会公式ホームページに掲載されています。 同ホームページには同大会の総合ページが掲載されており、大会の注意事項などがまとめられているので、選手、保護者の皆様にはご確認ください。 …

自身の身体が劣化、弱体化することで広がる、指導者としての幅

先週土曜日の鴨島道場居残り稽古、アドバンス・スパーリング。 www.youtube.com 最近のアドバンス・スパーリングではスピードに頼らず、なるべくモーション( 予備動作) を削り相手の反応を遅らせ、それにタイミングを計って突きを被弾させる、ノーモーション…

感情のコントロールのマニュアル化、スパーリングで怒りを覚える反則を被って感じた情操

昨日の午前中は人権擁護委員の活動で、少しだけ美馬市内の中学校を訪問しました。 校内には色んな掲示物が貼られていましたが、その中の一つで〝キレる、怒りのコントロール〟という掲示物に目が止まりました。 滞在時間がわずかなだったので、じっくりと内…

個人的に嫌いじゃない、動きづらく、着心地の悪い夏場の汗みずくな道着の着用

新極真会徳島西南支部では夏季期間、熱中症対策として上着をT シャツに代用する道着の軽装化を道場生に推奨しています。 道場生には道着の軽装化を推奨するものの、私は上下道着を着用しています。 その理由は以前のブログでも書きましたが、空手の基本的な…

決まりごとである整列前のヘッドギアの装着、その根拠

昨日は台風による稽古の休講が心配されましたが、徳島市加茂道場の稽古は影響を受けることなく通常どおりに行われました。 気温も上がり暑かったですが、スパーリングで整列してからヘッドギアを装着する道場生が散見され注意しました。 暑いため少しでも涼…

四国岡山合同稽古、同質に感じる試合での集中力と逆境での集中力

昨日の日曜日(7/3) は、四国岡山合同稽古でした。 四国岡山合同稽古をいつも企画・準備していただく三好師範、野本師範代、この度も誠にありがとうございました。 新極真会徳島西南支部からの参加者は、今回も非常に良い稽古をさせていただきました。 非常に…

人権啓発の根幹に繋がる、フルコンタクト空手の組手、スパーリングで育む心

昨日(6/30) は終日、今年から引き受けている人権擁護委員の業務でした。 一口に〝人権〟といっても、子ども、高齢者、障害者、男女共同参画など、人権は多岐にわたります。 人権の〝権〟の意味がそもそも何のなのか、ちょっと気になって調べたところ 〝他人…

練習でのスパーリング、試合での組手で使い分けるべき心情

先日の香川錬成大会では、何名かの道場生の試合を審判しました。 そのうちの 1 名の試合、試合早々からペースを握るも、ある程度の攻勢のまま攻めきっていない印象の道場生がいました。 攻めきっていない分、相手選手も攻勢に出て本戦が終了。 攻めきる印象…