空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

スポーツ競技で割り切れない部分。

 「手が腫れるからミット打ちはやらない」との、我々とはジャンルが違う空手のトップ選手のコメントを目にしました。

 空手は本来、人を素手の拳で打つことを想定された武道です。

 拳は鍛えないと人を打てるものではありませんが、昔から素手でミット、サンドバックを打って拳を鍛えてきた私としては甚だ冒頭のコメントには違和感を覚えました。  

f:id:osakadojo:20201127095749j:plain

 違和感を覚えるトップ選手は、何らかの方法で拳を鍛えているのかも知れませんが、鍛えた拳ならばミットを打っても腫れないように思います。

 もし拳を鍛える意識が無いのであらば、それは空手の本質と掛け離れるものと思います。

 ただ社会において色んな空手が受け入れられている昨今、個人個人においてスポーツ競技として空手を割り切れるのであらば拳を鍛えないことも理解はでき、個人的には〝生兵法〟の言葉のもと完全なスポーツ競技空手に違和感を感じつつも、それを否定できるものではありません。

 しかし空手を武道として捉えるならばスポーツ競技で割り切れない部分があり、その割り切れない部分が武道の特質であり、日本固有の武道精神に通づるものと思います。

 昨日は、そんなことを考えならばサンドバックを…。


自主練習11.26.2020 ※この動画は音声が出ます。

11.27.2020記