以前、子供達の組手やスパーリングでのダメージのほどについて、スポーツドクターの方に質問したことがあります。
伺ったお話によると子供達、特に年齢が幼いほど力は弱く、子供たちの力でましてサポーターをつけている状態では、突き蹴りを被弾しても重大なダメージには及び難いとのことでした。
しかし重大なダメージには及ばなくても、突き蹴りを被弾すれば子供達の組手・スパーリングでも相応の痛みは感じるものです。
突き蹴りの被弾で組手・スパーリングで泣く子供達がいますが、体へのダメージよりも痛みで心が削られるがために泣いてしまうように思います。
子供達の心は成長過程にあっては未熟であり、その未熟な心を削る組手・スパーリングといったことが、果たして子供達に良いのかどうか考えたことがありますが、未熟、未熟に伴って純粋だからこそ組手・スパーリングが子供達の心を強くするという結論に長年の指導経験から至りました。
先日、その結論を確信するようなお手紙を道場生からもらいました。
書いてくれたのは、年長さんの女の子。
彼女は最近強くなってあまり泣かなくなりましたが、少し前まではスパーリングでよく泣いており、今でも時々泣いいます。
手紙の内容を要約すると〝先生がスパーリング中に「頑張れ」と言ってくれると頑張れる〟とのことでした。
幼い心で、心を削られるようなスパーリングの最中に私の声を心で受け止めてくれている、その健気さ、純粋さに私の方が励まされるように心情的には思いました
また組手・スパーリングが子供達の心を強くする具体性としては、頑張るという事をスパーリングでの痛みを我慢することと認識する、非認知スキル(IQ や学力テスト、偏差値などのように点数や指標などで明確に認知できるものではないけど、子どもの将来や人生を豊かにする一連の能力) の高まりであるように思いました。
そして、子供達の心を強くするには周囲の大人達の接し方が大切であり、組手・スパーリングで泣いている子供達への大人達の接し方が、子供達の心を大きく左右するように思いました。
空手は、他のスポーツと違った方法で子供達の心を強くする、組手・スパーリングという特異性があります。
最近の風潮で、その特異性が失われつつあるように思う時がありますが、西南支部では空手として子供達の心を強くする組手・スパーリングを守っていきたいと思います。
昨日の美馬道場
少年部クラス(19 時~20 時)
一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)
2.16.2021 記