空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

空手の稽古で、無闇に子ども達の感興に応じてはならないと思う事

 昨日の徳島市加茂道場少年部クラスの受け返し。


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 ワンツーパンチを下段払いでディフェンスして、上段回し蹴りの返し。

 受け返しの基本は、仕掛け手は返し手が受けやすいタイミングで仕掛け、返し手はそのタイミングに応じる、お互いがタイミングを合わす事にあります。

 合わせやすい状況から相手の仕掛けるタイミングを体で覚え、そのタイミングを相手が何を仕掛けて来るか分からない自由攻防の組手・スパーリングで計っていくのが、組手・スパーリングの上達への受け返しのアプローチとなります。

 受け返しはお互いがタイミングを合わせることが、まず大切ですが、どちらか一方がふざけて行えばタイミングは合わず、稽古の意味は成さないようになります。

 

 子ども達は楽しさを求めるもので、楽しくない事にはふざけて楽しさを求めようとする場合があります。

 楽しさを求める事自体は悪いことでなく、むしろ子ども達の健全な発育には不可欠なものであり、子ども達の感興に応じることは周囲の大人役割と思います。

 しかし、無闇に子ども達の感興に応じてしまえば、本質を歪める物事もあります。

 武道としての空手には、無闇に感興に応じてならない事柄たくさんあり、受け返しはその最たる例の一つです。

 

 昨日の少年部クラス、感興を覚えないのか、よく、ふざけて受け返しを行っていた子が、昨日はふざけずしっかりとタイミングを合わせていました。

 ふざけている時は厳しく注意してきましたが、昨日の稽古ではふざけてはならない事に気づいた彼の成長を感じました。

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 その成長は意味のない感興に流されず、物事の本質に向き合う自制心の芽生えのように私は感じました。

 空手の稽古でも子ども達の感興に応えることは大切と思いますが、その応じ具合は適切に計って行きたいと思います。

 

 昨日の徳島市加茂道場

 少年部クラス(18 時30 分~19 時30 分)

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 一般部クラス(19 時15 分~21 時)

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 8.4.2021 記