空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

〝干渉の道理〟を見据えることのススメ、誹謗・中傷の前提に存在する他人への〝干渉〟

 インターネット上の誹謗・中傷問題は、依然として大きな社会問題であり続けているようです。
 私もSNSで誹謗・中傷をよく見かけますが、誹謗・中傷は発生の前提として、人への〝干渉〟があるように思います。

 〝干渉〟を改めて調べてみると「立ちいって他人の物事に関係すること。他人のことに立ちいり、強いて自分の意思に従わせようと指図・妨害すること。」とあります。
 干渉は悪い意味合いが強い言葉ですが、必ずしも悪い意味合いだけが先行するものではないと思います。

 上記では「他人のことに立ち入り」とありますが、他人を「自分以外の人」と定義した場合、親の子に対する干渉などは、何もできない赤ちゃんで生まれてきた子に親が干渉することは自然なことであり、親の子に対する干渉のような必然的な干渉も存在します。

 必然的な干渉が存在するように、他人と関わりあって生きてゆく人間は、誰かに干渉し、また誰かから干渉されることが宿命であるように思います。
 人間にとって干渉が必然であるのならば、干渉から発生する誹謗・中傷は、その前提にある、他人に対する干渉を見据えることで、解決策の一つが見えてくるように個人的に思います。

 私自身の干渉を見据えた時、まず頭に浮かぶのは空手の指導者として行う〝道場生に対する干渉〟です。
 私は道場生に対する干渉に自分なりに注意を払っていますが、プライベートな事には干渉せず、道場生の空手に関しての干渉のみからブレないことを心掛けています。

 「しっかりご飯を食べて、しっかり寝て、身体を大きくしよう」などと、私生活に干渉することもありますが、そういった干渉もあくまでも空手に関連したものであり、そして、その干渉が道場生の私生活に好影響をもたらす内容であることに留意しています。

 また、道場生は当り前のことですが、空手を学び、そして稽古するために道場に通ってきます。
 私自身がそうでしたが、熱心に空手を学び、稽古する修練者ほど「自分がしている稽古は正しいのか?」といった疑問を持つものです。
 その疑問は指導者の指導内容にも向けられますが、指導者への道場生からの視線には、指導者への干渉といった内実が含まれるものと思います。

 空手の指導者は道場生に〝干渉する立場〟でありますが、道場生から〝干渉される立場〟でもあると私は思います。
 私は道場生からの干渉に対しては、自身が学び、研鑽した〝正しい空手〟を実践し、そして指導することを対応として心掛けています。
 私は空手指導者として〝干渉する〟〝干渉される〟立場にあって、「空手からブレない」「正しい空手を指導する」といったことを留意、心掛けていますが、それは干渉が発生する人間関係においての〝道理〟を通すことと任じています。

 干渉は人間関係における宿命であり、また〝必然的な干渉〟〝不要な干渉〟に大別されますが、様々な形態があるものと思います。

 様々な〝必然的な干渉〟には、それぞれ〝道理〟が存在するものと思いますが、〝干渉の道理〟は人間関係の道理を正せば、自然と見えてくると思います。
 基本的な人間関係である親子関係を〝干渉の道理〟に照らした時、親子関係においては「親から子への干渉」が基軸となると思います。
 自力では生きられない、赤ちゃんとして生まれきた子は、親の養育で自力で生きる力を身につけていきます。
 〝自力で生きる力〟は、教育の最大目的とされる〝自立〟の概念の一つであると思います。
 子の〝自力で生きる力〟は親の養育で芽吹き、そして教育によって子の〝自立〟へと結実するものに思いますが、養育・教育は親子関係における〝必然的な干渉〟と思います。

 子の〝自立〟に至る親の養育・教育としての干渉の根底には「子を幸せを願う親の心」が存在するものですが、それは親子関係における〝干渉の道理〟となるものに思います。
 干渉が発生する人間関係においては、何事においても「空手の指導者と道場生」「親と子」といった人間関係の根底を見据え、〝干渉の道理〟を踏まえねばならないと思います。

 インターネット上の人間関係は実生活では繋がりのない、希薄な関係が多いと思いますが、そもそもインターネット上では〝必然的な干渉〟は希少と思います。

 希少の必然性のうえで、あえて希薄な人間関係で干渉するため〝干渉の道理〟が成り立たず、干渉がいびつになり〝不要な干渉〟として誹謗・中傷は発生するように思います。
〝干渉の道理〟は、インターネット上の誹謗・中傷問題だけでなく、大きな視点では中東情勢、ウクライナ危機など、昨今の世相においては個々人が見据えるべきのことのように思います。
 個々人が世相に反映する様々な視点、そして大きな視点で〝干渉の道理〟を見据えるには、個々人が自分の身の回りに生じる身近な干渉の道理を見据えることが大切だと思います。

 私、一個人を成り立たせる色合いは、空手指導者としての色合いが濃いものですが、空手指導者としての〝干渉の道理〟を見据えることを見失わないように、日々の指導に専心したいと思います。

 < ご案内>【新極真会徳島西南支部、道場生・保護者様対象】
 5/23 ㈭の美馬道場の稽古は道場が所在する施設のトイレが使えないため、お休みとさせていただきます。
 支部内配布のニュースレターには、記載されていないお休みとなりますのでご注意ください。

 5/24 ㈮~5/27 ㈪まで、JFKO全日本大会関連の出張のため、以下の道場の稽古はお休みとなります。
 5/24 ㈮…徳島市加茂道場
 5/25 ㈯…美馬道場、鴨島道場
 5/27 ㈪…阿南道場
 よろしくお願い致します。

 5.21.2024 記