空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

真っ直ぐな競争心のススメ、競争心の視点

 私が師範を務める新極真会徳島西南支部の道場生の大半は小中学生です。

入会する際は入門誓約書を提出してもらいますが、小中学生の入会の場合は保護者の方が入門誓約書を記入されます。

 入門誓約書には稽古に対する希望を記入してもらう欄がありますが、その欄は保護者の方の稽古に対する希望が書かれています。

 内容のほとんどは「礼儀を身に付けて欲しい」「挨拶ができるようになって欲しい」などのお子さんの成長に関する事がですが、道場を立ち上げて26年になりますが「試合に出て勝ってもらいたい」などと書かれた入門誓約書は見た記憶がありません。

 空手をお子さんに学ばす保護者のほとんどの方は「空手、武道を学ぶことはお子さんの良い成長に繋がる」と思い、お子さんに空手を学ばすものと思います。

 しかし時折、保護者の方が空手に対して熱が入りすぎることによって、空手がお子さんの良い成長には繋がっていないように見受けられるケースが散見されます。

 そういったケースには共通点が見受けられますが、私が感じる共通点とは〝歪んだ競争心〟です。

 

【歪んだ競争心】

 我々のフルンコンタクト空手は試合が盛んです。

 試合の本質は〝競争〟ですが、競争心自体は自分を高める心としてお子さんの成長にある意味必要です。

 しかし、競争心が歪むと成長にむしろ害を与えます。

 歪んだ競争心とは、競争の視点をその場の試合のみに置くことから生じるものと思います。

 その場の試合のみに競争の視点を置くと、競争相手の強さに対して嫉妬や妬みのみを感じるようになり、競争相手の悪口を言う、どのような手段を用いても試合に勝つなどの競争心の歪みが生じ、お子さんの成長に害を及ぼします。

 

【競争心の視点】

 競争の視点は、その場の試合のみに置かず試合までの過程、そして試合後の稽古に置くべきです。

 試合までの過程に競争の視点を置くと、競争相手が身につけた強さの背景に競争相手の努力を感じるようになり、競争相手の努力に比べての自分の努力を見つめ直すようになります。

 試合の勝敗は主に努力の差から生じますが、試合に負けた場合、試合までの過程に対して自分の努力が足りなかったことを自省し「次の試合はもっと努力して勝つ事を目指そう」と、試合を区切りに これまでの過程から次に繋げる稽古の道筋を定めるようになります。

 そのような道筋を定める事がいわゆる〝武道〟としての一つ姿勢であり、保護者の方がお子さんに空手を学ばす、お子さんへの思いに沿う武道への取り組み方になります。

 

【真っ直ぐな競争心】

 私は選手あがりの指導者です。

 私は試合を区切りにこれまでの過程を見直し、これからの稽古を見据えてきました。

 道場生には試合を区切りとしての〝これまで〟と〝これから〟が一本の道筋として繋がる〝真っ直ぐな競争心〟を伝えていきたいと思います。

 また保護者の方にも、競争の視点を試合のその場に置かずにお子さんのサポートをしていただきたいと思います。

 試合はそれぞれのタイミング、都合で挑戦すれば良いものと私は思っていますが、試合は空手を武道とたらしめる背景になります。

 保護者の方にはタイミング、都合が合えばお子さんを試合へとその背を押していただきたいと思います。

 2026.9.1記

 

<お知らせ>

 本年12/6(日)、鳴門大塚スポーツパーク/アミノバリューホールで開催されるTokushima武道ツーリズム/徳島県知事杯・第2回オープントーナメント徳島県空手道選手権大会の試合参加エントリーを新極真会徳島西南支部のホームページにて開始しました。

 同大会は武道ツーリズムによる「武士道精神の発心」をテーマとした大会です。

 たくさん選手のご参加をお待ちしております。

 ぜひ、よろしくお願い致します。