空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

新極真空手

感覚としてのディフェンスセンスを高めるために

私が指導する通常クラスでの定番メニューになっている、受け返し棒を使った受け返し。 www.youtube.com 昨日は前足、奥足と棒を打ってくるのを、組手での相手の右左の下段回し蹴りに見立てて、それを右左のステップで躱して左下段を返すバターンを。 受け返…

空手の指導者として、混同してはならないと思う、子ども達の〝素直さ〟と〝従順さ〟

少年部の子ども達が稽古の要点をしっかり聞き取り、その要点を忠実にキビキビとした動きで私の号令化の元、集中して稽古している姿を見るのは、私は空手の指導者として満足を覚えます。 ただ、その満足のあり方には、注意をしなければと思います。 注意すべ…

理解出来ないことに感じる不安と可能性

農業を営んでいる 80 歳を過ぎた方に「もう農業のことは何でも分かるでしょう ?」と尋ねたところ、「そうでもない。」 「お天道様、相手のことだから」と言葉短に語られた、そんなお話を先日伺いました。 その方は先祖代々の農家の方で、昔は子どもの頃から…

空手の血が宿す〝体が忘れないもの〟心の拠り所

長いブランクのある道場生が久しぶりに稽古参加したり、稽古に復帰した時「ブランクの割には動けるな」とよく思います。 先日のブログで「空手の血」というものを書かせてもらいました。 「空手の血」は長い年月の間、厳しい稽古によって学ぶ、忍耐や人への…

脱力、〝脱ぐことの出来る力〟と〝脱ぐことの出来ない力〟

毎週木曜日の指導前に行っている自主練習、水曜日の指導前にもフィジカルトレーニングをメインに小一時間、行うようになりました。 50 代に突入し、加齢に伴う体力の低下を補うためですが、選手現役当時より今の方がフィジカルトレーニングはこまめに行って…

武道で重んじられる平常心、その根元となる身体の脱力

良質な身体パフォーマンスを引き出す〝脱力〟は、身体技術として全てのスポーツ、武道の指導者が重要視する技術だと思います。 空手の組手において〝脱力〟が最も求めらるシーンは、相手に先手を取られて攻め込まれた時だと私は思います。 先手を取られて攻…

アントニオ猪木さんのロマンチシズムに思う、空手本来の稽古の姿

先般、アントニオ猪木さんが亡くなられました。 アントニオ猪木さんと言えば空手、ボクシング、柔道、レスリングなどの選手と戦った異種格闘技戦が有名ですか、アントニオ猪木さんの異種格闘技戦を本来はナンセンスと語るプロレスで著名な方の動画を拝見しま…

初動の動きの柔らかさと速さ、アンチエイジング的な体の使い方

私は自分の組手、スパーリングでの動きの中で初動の動きを重視します。 初動の動きを柔らかく、速く行うように心掛けて練り上げてきましたが、それは相手の最初の攻撃を確実に躱したり、受けたりディフェンスする自身の組手スタイルから心掛けるようになりま…

子ども達への保護が、過保護にならないために空手道場ができること

実際に技を当てる我々の空手の組手、稽古で行うスパーリングでは幼年や小学生低学年の子ども達でも、お腹に突きを受けてその場でうずくまる、といったことがありす。 子ども達は社会的には保護されるべき立場にあります。 保護されるべき立場の子ども達が「…

空手に必要な、体の素直さを引き出すのに、大切なこと

〝道場生の素直さを、いかに引き出すか ?〟が、私の指導における最大のテーマの一つです。 〝素直さ〟は心の素直さは無論の事、素直さで本来目指している点は体の素直さです。 素直さは空手の本質である組手に大きく反映し、組手の勝敗を左右するものです。 …

指導者が空手道場のあり方を、宗教家に問う動画を拝見して

SNS では色んな方が色んな事を発信されています。 先日、動画が短くはっきりとした背景が分かりませんでしたが、宗教家と思われる方が、少年部主体の空手道場の指導者から空手道場のあり方を問われ、それに答えるといった内容の動画を拝見しました。 宗教家…

四国岡山合同稽古、慣れない相手とのスパーリングだからこそ自分にハマる動き

昨日の日曜日 (10/16) は四国岡山合同稽古でした。 今回は場所を変えて愛媛県新居浜市で開催されました。 合同稽古を開催、お手配いただいた三好師範、野本師範代、近藤先生、今回も誠にありがとうございました。 さて西南支部からはアスマ君、タイシン君、…

型のデフォルメの考察、型・セイエンチン第 29 挙動

先日のブログで「型で行う前足の負荷となる前屈立ち、後ろ足の負荷となる後屈立ちなどは動きの制御力を高めるフィジカルトレーニングの一種として、実践的な動きにデフォルメが加えられているように解釈しています。」と書きましたが、型がデフォルメされて…

人があんまりやっていない空手〝負を見極めて正へと転じる〟

先日「空手に興味があり、自分に自信を持てるようになりたいから、人があんまりやっていない空手を自分のペースでやって、自分に自信を持てるようにしたい」との内容のお問合せをいただきました。 〝人があんまりやっていない空手で自信を持ちたい〟という問…

長年の厳しい稽古で成分が構成されていく「空手の血」

写真を撮り忘れてしまいましたが、土曜日 (10/8) の鴨島道場の稽古には、久しぶりにウキョウ君とイロハちゃんが参加。 主に小学生時代、選手として頑張っていた彼らですが、昔、頑張っていた道場生が、たまに稽古に来てくれるのは私としても嬉しいものです。…

号令を用いた型稽古の良さ、動きの制御

空手の型稽古の優秀性の一つは、私は動きをしっかり止める点にあると思います。 私は人の動きのコントロールは、動きの制御にあると思っています。 動きは起動から生じますが、それをコンロトールするのは制御です。 動きには動きが連なる連動がありますが、…

指導者の〝公〟への意識、今夏の私の反省

普段の指導中、私自身の水分補給は道場生とタイミングを合わせて行うように心掛けています。 しかし今年の夏は暑く、指導中、道場生が稽古している時もおもわず水分補給をしてしまいました。 昨日のブログで道場において稽古中を〝公〟として、道場生の〝公…

全世界ウエイト制大会で感じ、学んだこと〝公〟の意識

先月末から 10 日間にわたる海外出帳を終え、一昨日 (10/3) の月曜日から指導を再開しております。 出張期間中、阿南道場を除いて私の指導するクラスは全てお休みをいただきましたが、休みをいただいた分、第 7 回全世界ウエイト制大会で感じ、学んだことを…

世界の舞台で有効性の確証を得た技、追い突き、新極真会徳島西南支部の追い突き

少しは強くなったと思えた息子の第 7 回全世界ウエイト制空手道選手権大会。 強くなった理由は覚悟を持てたメンタル、心の変化に負うところが大きいですが、メンタルだけでは世界の舞台では戦えません。 心・技・体、技と体も伴わなければ体格に優れる海外選…

 第 7 回全世界ウエイト制空手道選手権大会において見届けたもの、日本人の遺伝子

ポーランド、キエルツで行われた第 7 回全世界ウエイト制空手道選手権大会関連の海外出張を終え、9/30 ㈮に帰国しました。 同大会には私は審判参加、そして息子タケルが選手として出場しました。 息子は 2 回戦敗退でしたが、大会前は息子の実績、実力から考…

第 7 回全世界ウエイト制空手道選手大会、必死の頑張りをポーランドで見届けに

今週末の 9/24 ㈯、9/25 ㈰に行われる第 7 回全世界ウエイト制空手道選手大会、開催地のポーランド、キエルツェに向けて本日の夜半、日本を出国します。 同大会に私は審判参加、そして息子タケルが選手として参加します。 息子は第 7 回全世界ウエイト制空手…

昇級審査会、見栄えだけのグレードアップ、ステータスアップにならないために

一昨日の日曜日 (9/18) は秋季昇級審査会でした。 昇級審査会では今年より従来の方法を変更し、審査会として 1 時間で基本、移動、型、力量の審査を終了させ、その後 1 時間 30 分の支部内強化稽古を設けていますが、審査受審者はこの支部内強化稽古への参加…

〝鉄は熱いうちに打て〟スパーリングにおいて体で理解する痛み

昨日の少年部クラスのスパーリング、途中でお腹を効かされた道場生が「痛いので止めても良いですか」と、私の元に走り寄ってきました。 途中のリタイヤを認めましたが、リタイヤ前に「なんで痛いか分かるか。打たれるから痛いんだよ。」「打たれたら痛いんだ…

自然に沿った〝ありのままの自分〟〝自分らしさ〟

今朝の徳島新聞に個人的に、とても興味深い記事が掲載されています。 〝ありのままの自分〟〝自分らしさ〟といった言葉が今の社会では氾濫しているそうですが、確かによく見かけるキーワードです。 この氾濫は、以前の社会で主流であった〝自分はこうあるべ…

稽古中の私語の厳禁、吉田松陰のエビソード

我々の空手において、稽古での私語は基本的に厳禁です。 私は道場生同士のコミュケーションのために休憩中などの談笑は大いに認めていますが、約 30 年前、私が本格的に空手を始めた支部では休憩中でも談笑などはあまりせず、稽古においての私語はほとんどあ…

アドバンス・スパーリングでの型の技の発見、〝山突き〟

稽古の休講や時間変更で、久しぶりとなった鴨島道場土曜日の居残り稽古、居残り稽古ではアドバンス・スパーリングとして顔面パンチと簡単な組技ありで行っています。 アドバンス・スパーリングでは時折、型の技の発見がありますが、先週の居残り稽古でもその…

空手は技を当てないと始まらない、間合い感覚

初心者のスパーリングを見ていると少年部、一般部ともに突きが相手の体に届かず、相手の手ともに止まる光景をよく目にします。 そんな光景を目にすると、相手の体に届くように突きを打つよう声を掛けます。 突きが相手に届かないのは、間合い ( 距離とタイミ…

型の正しい形を骨法に求める、正しい骨法の検証

我々の空手の型競技は動作の力強さが判定基準として一番重視されますが、私は道場生への型の指導においては動作の正しい形が身に付いた上での力強さを重視し、力強さより正しい形を優先しています。 正しい形とは内受けの動作であれば肘の角度は 90 度、拳の…

試合に負けた道場生への言葉〝また頑張ろう〟強くなるための心の負荷

日曜日 (9/4) に行われた徳島錬成大会では入賞者にメダルを進呈しますが、それは大会後になります。 メダルは個人名を記載したものとなり、お手元に届くまで少し時間がかかりますが、入賞者の皆さんには楽しみにお待ち願いたいと思います。 さて入賞選手には…

試合後のコートの外での挨拶、試合会場における技と心の空間

一昨日 (9/4) に行われた第 18 回徳島県空手道錬成大会、新極真会徳島西南支部の入賞者。 第 1 グループ、優勝のタイシン君、準優勝のハナちゃん、3 位のヒナタ君、タイミングが合わず画像には写っていませんが、3 位のアヤネちゃん、アオト君。 第 2 グルー…