先週末からの土曜日 (7/20)、日曜日 (7/21)、東京都にてカラテドリームフェスティバル 2024 国際大会及び第 1 回空手チャンピオン オブ チャピオンズ (KCC・7/21) が開催されました。
エントリー選手の延べ人数が 3,755 名となり、フルコンタクト空手界最大規模、過去の同大会でも最大規模となったカラテドリームフェスティバルには、新極真会徳島西南支部から 13 名の道場生がエントリー。
型部門でイッシン君が 3 位、組手・新人部門でイッシン君が優勝、ミオちゃんが 2 位でした。
また第 1 回目となる KCC は、世界各国のチャンピオンクラスの選手による 8 人制トーナメント。
世界トップクラスの試合が一回戦より行われ、見応えがあり、とても勉強になりました。
スケール感、競技レベルがフルコンタクト空手界随一となった両大会の開催に、ご尽力いただいた新極真会・緑代表をはじめとする関係者の皆様、素晴らしい大会に参加させていただき誠にありがとうございました。
さて話は変わりますが、直接、突き蹴りを当てる我々の空手の組手は、相手が「自分より強い」または「自分より弱い」と〝相手との力 ( 実力 ) の差〟を肌で感じ取れる武道です。
我々の空手の組手稽古であるスパーリングにおいては、相手との力の差を感じ取り、相手が自分より強くても、また弱くても、相手の力を受け入れ、相手の力に応じて自分の力を尽くしてスパーリングをしなければなりません。
「尽くす」という動詞は「できる限りのことをして、これ以上はないという状態にする」といった意味が含まれます。
スパーリングにおいて、自分の力が相手より強い場合は手加減をしなければなりませんが、その手加減も〝力を尽くす〟ものでなければなりません。
「手加減をするのに、力を尽くす」とは、矛盾した表現です。
私は道場生に、スパーリングでは〝相手を倒さないように圧倒すること〟を目標とするように、よく指導します。
「相手を倒さない」とは、一方的に打ちのめしてダメージを与え、いわゆるダウンさせる状態まで、相手を追い込まないことです。
突き蹴りを力づく、勢いで当てずにタミング ( 間合い ) で当て、技のスピードは落とさずに技の威力となるインパクトを抜き、逆に相手には技を当てさせないようにディフェンスの意識を高めてスパーリングを終始すれば、相手を倒さずとも圧倒することができます。
非常に難しいことですが〝相手を倒さないように圧倒する〟スパーリングは、相手に対して思いやりを示すだけでなく、困難なスパーリングを自分に課すことで組手の技量を高めることができます。
スパーリングで実力差のある相手を倒すことなど、ある意味、簡単なことです。
しかし、スパーリングで簡単なことに身を甘んじれば組手の技量は伸びず、自分よりも弱い相手には勝てても強い相手には勝てず、武道としての強さは身につきません。
空手は、自らの強さに甘んじない稽古をすることで、さらなる強さを身に付け、どんな相手との戦いでも勝ちを見いだせる、武道としての強さを身に付けることが出来ます。
また、スパーリングで相手が自分よりも強く手加減をされる場合は、手加減をされないように、それこそ文字通りに力を尽くさなければなりません。
自分よりも強い相手に力を尽くし拮抗してくると、相手も手加減を止め、痛い思いをするようになります。
しかし手加減がなくなるということは、自分が強くなっている証拠となります。
強くなるためには、相手の手加減に甘んじてはいけません。
スパーリングで感じる相手の手加減とは、自分の弱さです。
相手の手加減に甘んじるということは、自分の弱さに甘んじるということです。
最初から、強い人などいません。
空手のスパーリングでは、誰でも最初は手加減をされるものです。
私も当然、最初は手加減されましたが、その時感じた自分の弱さに甘んじないように、これまで稽古をしてきました。
自分の弱さを自分自身に受け入れ、自分の弱さに甘んじずに稽古することは、空手を武道として学ぶ、大きな意義の一つとなるものです。
空手は強くても、弱くても〝自分に甘んじない〟ことが、稽古の姿勢として大切です。
空手の稽古での〝甘んじない姿勢〟はスパーリングでの自分の強さ、弱さだけに向くものでなく、身の回りに起きる様々なことに向けることができます。
身の回りの様々なことに〝甘んじない姿勢〟を貫くことで、〝姿勢〟は〝生き方〟となります。
私は田舎の徳島県、田舎の徳島県でもさらなる田舎である美馬町で、選手生活のほどんどを過ごしました。
美馬町は人口は少なく、ろくなトレーニング施設などもありませんが、選手時代には「練習相手、練習環境も恵まれない中…」と評されました。
その評価は、選手としての生活環境が悪くとも、試合で勝つことを諦めなかった環境に甘んじない姿勢を、私の〝生き方〟として評価してくれたものと、矜持に思っています。
〝自分に甘んじない姿勢〟それを貫くことにおいては、様々な辛い、厳しい、困難な思いに晒されます。
しかし〝自分に甘んじない姿勢〟を貫くことで、〝生き方〟としての〝自分の存在意意義〟が見えてくるように個人的に思います。
新極真会徳島西南支部の道場生においては、自分に甘んじない稽古で、自分に甘んじない姿勢 ( 生き方 ) を身に付けて欲しいと思います。
改めて、カラテドリームフェスティバル 2024 国際大会。
空手、特に我々の空手試合はハードであり、空手の試合は挑戦するだけで〝自分に甘んじない姿勢〟となるものです。
最大規模となった今大会において、出場した道場生の皆さんは各々に〝相手との力 ( 実力 ) の差〟を感じたことと思いますが、その差は大きな舞台で感じた差だけに、〝自分に甘んじない姿勢〟をさらに高めてくれるものになったはずです。
出場した皆さん、よく頑張りました。
カラテドリームフェスティバルで感じた差を自分自身に受け入れ、また稽古に励んで行きましょう。
保護者の皆様におかれても、何かと大変な東京遠征ですが、カラテドリームフェスティバルの意義にご理解をいただき誠にありがとうございました。
指導者として、保護者の皆様のご理解に甘んじることなく、今度ともお子さんたちへの指導に全力を尽くしてまいります。
7.23.2024 記