空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

子ども達への指導方法

子ども達の裸足で運動することの大切さ、ステップ練習

少年部の子ども達の稽古での動きを見てると、足の裏のつま先側に体重を乗せる、つま先重心の未熟さをよく感じます。 空手はつま先重心と、かかと側に体重を載せるかかと重心を必要に応じて使い分ける必要があります。 子ども達など若い世代は機敏さが動きの…

子ども達の楽しそうな表情、真剣な表情、空手道場が引き出すべき子ども達の表情

少年部クラスの稽古前は、鬼ごっこで遊んでいる道場生が多く見られます。 鬼ごっこはトレーニングにもなるので、私も別段止めたりしませんが、遊んでいる時の子ども達の表情は、楽しそうで実に活き活きとしており、とても良いものです。 表情は心ばえを映す…

感情のコントロールのマニュアル化、スパーリングで怒りを覚える反則を被って感じた情操

昨日の午前中は人権擁護委員の活動で、少しだけ美馬市内の中学校を訪問しました。 校内には色んな掲示物が貼られていましたが、その中の一つで〝キレる、怒りのコントロール〟という掲示物に目が止まりました。 滞在時間がわずかなだったので、じっくりと内…

空手の型稽古で身に付ける力〝考える力〟

学びには〝考える〟ことが大切だとよく言われます。 私は少年部クラスの型稽古の指導においては手本となる道場生を先頭に立ってもらい、後ろに並ぶ道場生より先に動作を行ってもらい、後ろの道場生は後からその動作を追うといった手法をよく取ります。 www.y…

少年部クラスのフィジカルトレーニング、年齢に適したトレーニングを提供

私が指導する少年部クラスのフィジカルトレーニングで、よく行うトレーニング種目。 www.youtube.com 上の動画に挙げている 3 つの種目のうち、一つ目は前転。 前転では、回転して立ち上がる時に手を使わずに起立のように身体が真っ直ぐなるように立つように…

力を出さなければならないシチュエーションで呼び起こす、子ども達の覇気

最近、稽古で取り組んでいる〝押しミット〟。 www.youtube.com 文字通り、突きの威力でミットを持つ相手を押していきます。 当然、力一杯、全力で突かないと相手を押すことが出来ませんが、力一杯に力を出す、全力を出さざる得ないシチュエーションとして〝…

気迫、心を苛むほどの緊張感を集中力でコントロールする時に生じるもの

私は空手指導において、緊張感を持った稽古指導を心掛けています。 少年部クラスにおける子ども達の指導においては、緊張感のうえに集中力も伴うように指導しています。 緊張感を持った稽古は、稽古中にふざけた事をしないように、集中力を持つ事に関しては…

自主性のための、保護者の後押し、家庭教育の一環として

ブログでよく書くことですが、私は少年部クラスの型 ( 相手との攻防を想定し、数十種類動作を一人で行う練習方法 ) 指導では、型の順番はあまり詳しく指導せず、順番は自分から見て覚えるように指導しています。 型は初心者向けから上級者向けと、いくつもあ…

必死になることが、自然と身に付く空手道場

昨日の少年部クラス、型の動作があいまいでキョロキョロと落ち着きのない素振りを見せていた小学校中学年の道場生に「必死で見本となる子の動きを追え」と指導したところ、覚束ない動きながらも動き自体には落ち着きを取り戻し、集中して見本を追っていまし…

集団において埋没しまう、子ども達の個々の良さを引き出すには…

普段、私は空手の指導者として、一度の稽古で複数の子ども達に接しています しかし時折マンツーマンの指導になることがありますが、一対一で子ども達に接すると普段の複数指導では感じない子ども達の良さが見えてきます。 普段感じない良さが見えて来る要因…

「何で正座をして目を閉じるのか ?」と、問われれば

我々の空手では稽古の最初と最後に正座をし、目を閉じて黙想をします。 もし道場生に「何で正座をして目を閉じるのか ?」と問われれば、私は「心を静めるため」と答えます。 さらに「何で心を静める必要があるのか ?」と問われれば、私は「技を身につけるた…

子ども達に素直さを求めるための大人の条件

先週土曜日の少年部クラスのミット稽古。 www.youtube.com 奥足下段回し蹴り→前足上段回し蹴り→ワンツースリーパンチ。 先般のブログで書きましたが、下段回し蹴りから上段回し蹴りの繋ぎのポイントは頭をなるべく動かさないことですが、そのためには上段回…

強くなりたいのに努力をしない、その思考に感じる危惧

先日、全く面識のない方の SNS の投稿ですが、以下のような内容を拝見しました。 子どもが戦いごっこが好きで空手を習わすことを思い立ち、子どもに空手を習わないか聞いたところ「空手を習って強くなる」と大変興味を示したため見学にいったところ、いざ見…

ハードな稽古、子ども達の中身を作る機会を与え、人格を見込まれる若者への成長をサポート

一昨日(9/19 ㈰) は、北東あわじ支部さんとの新極真徳島合同稽古でした。 小4 以下(9 時~10 時30 分) 幼年グループ、スパーリング www.youtube.com 小1 グループ・小2 グループ、スパーリング www.youtube.com 小3 グループ・小4 グループ、スパーリング ww…

個人の違いが認められる社会の担い手に、子ども達の型稽古での〝自分の間違い探し〟

型稽古では、見本となる道場生の動きを追って稽古をします。 型の順番のあやふやな子が、見本が負うことで大切になってくるのが〝自分の間違い探し〟です。 www.youtube.com 見本となる子と自分の動きの違いを認識し、それを間違いとして是正することは、単…

暴力的指導と緊張感を与える指導の違い

最近、スポーツ界では、子ども達への暴力的な指導を見直す動きが出てきています。 武道界でも、その動きは起こっていますが、私はとても良いことだと思います。 暴力的な指導を廃絶しようとする声は色んな方が上げられていますが、その声に耳を傾けると一つ…

子ども達の主体性を身に付ける稽古の工夫

主体性を持って、積極的に行動する子ども達には可能性を感じます。 少年部クラスでの型稽古では、初級の型は全員で行いますが、中級、上級の型をするか、しないかは本人の意思に委ねます。 型の順番があやふやでしないことを選択した道場生には見学を指示し…

強さの成分、弱さの成分

〝強さは優しさなり〟空手でよく使われるフレーズです。 このフレースを裏返せば〝優しさが強さ〟となる訳ですが、強さは人の様々な性質が成分となり構成されると思います。 例えば〝素直さ〟。 空手は指導されたことを素直に稽古することで、技と力が身につ…

空手の稽古で、無闇に子ども達の感興に応じてはならないと思う事

昨日の徳島市加茂道場少年部クラスの受け返し。 www.youtube.com ワンツーパンチを下段払いでディフェンスして、上段回し蹴りの返し。 受け返しの基本は、仕掛け手は返し手が受けやすいタイミングで仕掛け、返し手はそのタイミングに応じる、お互いがタイミ…

子ども達への躾、体を通しての心の躾

少年部道場生の入会理由に、空手での子ども達への躾が挙げられるのをよく見受けます。 躾とは、調べると「人間社会・集団の規範、規律や礼儀作法など慣習に合った立ち振る舞い(規範の内面化)ができるように、訓練すること。 概念的には伝統的な子供への誉…

誤った指導方法を見聞きするたびに…

子ども達への指導方法は、子ども達の指導に携わる色んなジャンルの指導者の方が、日夜、試行錯誤されていることと思います。 その中で子ども達の興味を引く指導内容を、子ども達の親しみやすい接し方で指導するのも有効な手段かと思います。 私もそういった…

〝筋を通す〟空手から、〝何事にも筋を通す〟大人に

長年、子ども達を指導してきて思うことが多々ありますが、その中の一つで子どもの成長は長い目で見るべきと思います。 長い目を向けることにおいては、その視線を向ける方向と向き先を定めることが大切と思います。 空手をお子さんに学ばせる保護者様におい…

コミュニケーション能力をどう高めるか?

最近入会した少年部道場生の入門誓約書の稽古への希望欄に「コミュニケーションが取れて明るく優しい子になって欲しい」と書かれていました。 書かれた保護者様の希望に沿うように指導していきたいと思いますが、コミュニケーション能力をどう高めるか? 私は…

放任的指導の効果

以前は「1 の号令でこう動いて、2 の号令でこう動く」といったように指導していた型稽古の新入会者への指導、今は「皆んなが動くのに合わせて動くように」と新入会者が型の順番を覚えるのに放任的です。 太極1 3.25.2021 新入会者にとって正に右も左も分から…

意趣的感情が見られるスパーリング

少年部クラスでは時折、実力が伯仲しての自然なヒートアップというよりは、突き蹴りに意趣的な感情を感じるスパーリングを目にすることがあります。 感情的なスパーリングの背景には恐らく、事前に両者の間に感情をさざなみ立てる言動があったものと思います…

指導者が厳しさによる手応えを、勘違いしないために…

東京出張に伴う私の健康観察期間での休講期間を明け、昨日は10 日ぶりとなる道着に袖を通しての通常稽古での指導。 久しぶりの通常稽古指導に気持ちが引き締まりました。 気持ちの引き締まりから指導にも熱が入り、気を抜いての誤りがあれば指導の語調も厳し…

子ども達の目はごまかせられない、本質を見抜く目

「普段、アドバイスしている後輩に恥ずかしい試合をしなかったが気になる」と、先日の徳島錬成大会に出場した道場生が話していました。 自分が「口先だけになっていないか」を気にしてのことだと思いますが、私は非常に良い心の持ちようだと思います。 また…

空手の稽古における、子供達の集中力の高め方

突き蹴りを当てるのには集中力が必要であり、また突き蹴りを防御するのにも集中力が必要です。 突き蹴りを当てる、防御する空手の稽古において子供達の集中力を養い、高め、その集中力をもって学業等、子供達の可能性を高めることが子供達が空手を習う意義の…

心を削るような組手・スパーリングが、子供達に良いのかどうか?

以前、子供達の組手やスパーリングでのダメージのほどについて、スポーツドクターの方に質問したことがあります。 伺ったお話によると子供達、特に年齢が幼いほど力は弱く、子供たちの力でましてサポーターをつけている状態では、突き蹴りを被弾しても重大な…

〝師範〟師が及ぶ範囲

少年部クラスでの指導では厳しくはあっても、厳しさが乱暴で理不尽ではないように心掛けています。 厳しさが乱暴・理不尽でないために、私は厳しさに制限を設けていますが、それは道場生に与える厳しさが自分が経験してきた厳しさを越えないことです。 〝師…