空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

限界に対する向き合い方、自分の〝限界に沿う〟ことのススメ

 一昨日の日曜日 (9/15) は、徳島県藍住町でリアルチャンピオンシップ四国予選大会 ( すだち杯・併催 ) でした。

 大会を主催、運営された神武會舘 < 館長 > 西山師範、神武會舘スタッフの皆様、大会に参加させていただきありがとうございました。

 新極真会徳島西南支部からは 17 名がエントリー。

 組手でタイト君が優勝、リノちゃん、キイト君、オウシロウ君が 2 位。
 型でリノちゃんが 2 位でした。

 一昨日の月曜日 (9/16・祝日 ) は、兵庫県姫路市で第 2 回兵庫県空手道選手権大会でした。

 大会を主催、運営された新極真会兵庫中央支部 < 支部長 > 山田師範、山田道場スタッフの皆様、大会に参加させていただきありがとうございました。
 新極真会徳島西南支部からは 8 名がエントリー。

 組手でイロハちゃんが優勝、リトちゃんが 2 位、ウタ君が 3 位。
 型でリトちゃんが優勝、コウダイが 2 位でした。

 両大会に出場した皆んな、勝った人も、負けた人もよく頑張りました !!

 保護者の皆様も、お疲れ様でした。

 さて、人の命には限りがあります。
 人の寿命がその象徴となるように、人には何かにつけて、限りとしての〝限界〟が付きまといます。
 スポーツ選手が自らの体力の限界を知り引退するように、限界は人から大切ものを奪います。

 しかし限界は、逆に大切なものをもたらす契機となることがあります。
 武道やスポーツで偉人とされる方は、体格などの競技上で不利となる自らの限界を乗り越え、偉大な実績を残す方がいらっしゃいます。
 人の限界には、乗り越えられるものもあり、人は限界を乗り越えた時に、栄光、名誉などの大切なものを手にすることができます。

 人は誰しもが、何かしらの限界に遭遇するものです。

 限界を乗り越えるのか、それとも限界に阻まれるのか、その岐路の選択は人生に大きな影響をもたらします。
 限界に対しては〝乗り越える〟〝阻まれる〟の 2 つの岐路がイメージされがちですが、私はもう一つの岐路があると思います。
 その岐路とは〝自分の限界に沿う〟ことです。

 私は幸いにも、体格に恵まれて生まれてきました。

 今から 33 年前、本格的に空手を始め、選手として試合をするようになってからは、体格にものを言わせて戦ってきました。
 しかし、試合をするようになった当初から、実際にはなかなか対戦することはありませんでしたが、自分の体格が通用しない対戦相手を想定し、その対策を考えた稽古を工夫していました。
 また 20 歳前後の当時は、体格+若さによる勢いも存分に駆使していましたが「若さによる勢いも歳を重ねれれば、いずれ消えるもの」として、歳を取って若い時のように動けなくなった時のことも考えて、20 歳前後の当時から稽古を工夫していました。

 私は空手を始めた当初から、自分の限界を想定し、自分の限界に対して沿うように空手に取り組んできました。
 限界に沿う空手への取り組み方は、私の選手としての実績にも反映していますが「自分の限界を乗り超えるような稽古をしとけば、もっと良い実績を挙げれていたかも ?」などと、今になって思うこともあります。
 そのように思う一方で「自分の限界に沿った空手の稽古をして来て、良かった」と、思うこともあります。

 これまでの限界に沿った自身の空手の稽古は、今の私のスパーリングにも反映されています。


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 今の私のスパーリングでの技術、フィジカル力は、若い時から「体格に頼らない」「勢いに頼らない」といった稽古への工夫からの培ったものです。
 52 歳となり、体格的に優位な部分は今だに健在の部分もありますが、若さによる勢いが消え失せた年齢で、どうにか若い道場生達とのスパーリングをこなせています。

 今の私にとって、若い道場生達とのスパーリングは生き甲斐であり、自分にとっての大切なものの一つになっています。


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 私の生き甲斐や大切なものは、世間的には取るに足らないものかもしれませんが、自分自身においては矜持として私の心の一部となっています。
 限界に沿うことよって形成してきた自身の心は、空手の指導者でもある自身の指導哲学も形成するものですが、それは道場生に対して、人としての宿命である限界に対する、向き合い方を示すことができると思っています。

 私の示し方は〝限界に沿う〟向き合い方ですが、それは限界に対して、簡単に阻まれる岐路へと向かわないことを示すものです。
 現在 52 歳、年齢を重ねていく今後、私の限界に対する向き合い方も難しくなっていきます。


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 しかしながら、ずぶとく自分の限界に沿い、限界に対する向き合い方を道場生に示して行きたいと思います。

 9.17.2024 記