2022-11-15

子ども達の畏れ ( おそれ ) へのススメ、恐れを畏れへと技と体を高める

　喜んだり、哀しんだりと子ども達はその感情を大人よりも日常的によく露わにします。
　その傾向は年齢が低いほど顕著ですが、子ども達への教育、特に情操教育として、子ども達の感情を露わにする機会を与えることはとても大切に思います。
　絵本は子ども達の情操教育のツールである面が強いと思いますが、様々な物語の絵本に楽しいだけでなく、時に残酷なストーリーがあるのは情操教育のためであると思います。

　子ども達が通う空手道場でも、子ども達は様々な感情を露わにします。

　新極真会徳島西南支部では、稽古前などに子ども達同士で遊ぶ姿には、活き活きとした表情から伺える、子ども達の楽しい感情を感じ取れます。
　空手道場も子ども達の情操教育への関与として、子ども達の感情を露わにするシチュエーションを積極的に設定するべきに思いますが、空手道場が専売特許的に与えることが出来る子ども達の感情が私はあると思います。

　それは〝畏れ ( おそれ )〟です。

　組手、スパーリングで自分より強い相手と向き合うと、子ども達は恐怖である〝恐れ ( おそれ )〟の表情を浮かべます。

　恐れは心身を竦ませ萎縮させるもので、恐れは恐れのままであれば子ども達の情操に害を及ぼすものですが、〝恐れ〟は〝畏れ〟へと変質が可能です。
　畏れは畏敬という言葉があるように、恐れ同様に単に怖いという気持ちでなく、敬い ( うやまい ) や憚り ( はばかり ) の心を含むものです。
　畏れは敬いや憚りの謙虚な心の働きがあるため、心身を竦ませ心の働きを奪う恐れとは全く異質なものであると言えます。

　組手、スパーリングで子ども達が最初に見せる〝おそれ〟は恐れです。
　しかし稽古を重ね、技を身に付け、体が強くなると恐れは畏れとなります。
　空手で子ども達の恐れを畏れへと導くには、指導者は適切な技の習得と体力強化の指導を心掛けるべきように思います。

　技と体で、心である畏れへ、恐れは変質すると思います。
　空手の指導者が子ども達に絶対してはならないことは、恐れだけを与える事だと思います。
　組手、スパーリングで抱く恐れならばまだしも、指導者による暴言、ましてや暴力などの恐れは絶対にあってはならないと思います。
　最近、畏れを知らない若者が面白がられて、持て囃される風潮があるように思いますが、個人的にはその風潮に危惧を覚えます。
　日本人は海や山などの自然にすら畏れを抱くほど、畏敬の心を大切にしてき民族です。
　畏敬の心を育てる空手道場であるべく、子ども達の技と体を高める指導を心掛けたいと思います。

　月曜日 (11/14) の阿南道場
　合同クラス 1 部 (18 時～19 時 )

　合同クラス 2 部 (19 時 15 分～20 時 15 分 )

　11.15.2022 記

新極真会徳島西南支部は随時入会者を募集しています。
興味のある方はお近くの道場に、お気軽に見学・体験にお越しください。
お問い合わせはホームページより、「逢坂(おおさか)道場」でご検索ください。
<徳島市の道場>
★徳島市加茂道場
稽古日…火曜日
稽古場所<加茂名コミュティセンター>
徳島市庄町5丁目48番地の5
少年部クラス…18時30分～19時30分
一般部クラス…19時45分～20時45分
稽古日…金曜日　
稽古場所<加茂コミュニティーセンター>
徳島市北田宮町4丁目6番60号
少年部クラス…18時30分～19時30分
一般部クラス…19時45分～21時15分
<吉野川市鴨島町の道場>
★鴨島道場
徳島県吉野川市鴨島町鴨島234<常設道場>
稽古日…水曜日
少年部フィジカルクラス…18 時 20 分～18 時 50 分
少年部クラス 19 時～20 時
一般部クラス…20 時 15 分～21 時 30 分
稽古日…土曜日
少年部アドバンスクラス…15 時 45 分～17 時 15 分
選手クラス ( 小 5 以上 )…17 時 30 分～19 時
一般部クラス…19 時 15 分～20 時 45 分
<美馬市美馬町の道場>
★美馬道場
徳島県美馬市美馬町字大泉51-1
<常設道場・旧重清東小学校>
稽古日…木曜日
少年部クラス…19 時～20 時
一般部クラス…20 時 15 分～21 時 30 分
稽古日…土曜日
合同アドバンスクラス…10 時～11 時 15 分
<阿南市の道場>
★阿南道場
稽古日…月曜日
稽古場所 < 黒津地コニュニティーセンター >
阿南市黒津地町新弥開16-1
合同 1 部クラス…18 時～19 時 15 分
合同 2 部クラス…19 時 30 分～20 時 45 分
アドバンスクラス…21 時～21 時 30 分
稽古日…土曜日
稽古場所 < 阿南市武道館 >
徳島県阿南市大潟町210-56
合同クラス 1 部…18 時～19 時
合同クラス 2 部 ( 選手稽古 )…19 時 15 分～20 時
<三好郡東みよし町の道場>
★三加茂道場
三好郡東みよし町加茂西庄　　
<三加茂町農業者トレーニングセンター>
稽古日…水曜日・金曜日
合同クラス…19 時 30 分～20 時 30 分
<三好市池田町の道場>
★池田道場
三好市池田町三縄<三縄公民館>
土曜日
合同クラス…19 時 30～20 時 30 分
少年部クラスは小学生以下、一般部クラスは中学生以上、合同クラスは少年部、一般部が対象です。
希望者は小学生でも一般部クラスでの稽古は可能です。

2022-11-14

気迫のススメ、気合の発声、元気の根元として

空手のススメ

　土曜日 (11/12) は、トヨタカローラ徳島本店さんの感謝祭での演武会でした。

　参加した道場生の皆んなは、リハーサルでの練習どおりにしっかりと演武してくれました。
　演武のクライマックスでは、西谷師範代からの新極真会徳島西南支部の伝統演武になっていた飛び足刀も復活。

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　ユウタ君が見後に決めてくれました。

　演武会には参加者以外の道場生も応援に駆けつけてくれました。
　一回目の演武後の参加者と応援の道場生。

　二回目の演武後の参加者と応援の道場生。

　一回目と二回目の演武後には体験会としての時間がありましたが、体験会では応援に来た道場生の演武体験を行いました。
　今年は 11/26 ㈯にもう一度演武会がありますが、来年以降は色んなイベントに演武参加していこうと思います。

　演武体験会はそのリハーサルになりましたが、応援に来てくれた道場生には来年からの演武会にぜひ参加して欲しいと思います。

　トヨタカローラ徳島本店さんの感謝祭では、色んなフードやアトラクションが充実しており、演武前、演武後は参加、応援の道場生も大いに楽しんだ様子でした。
　素晴らしいイベントに参加させていただき、トヨタカローラ徳島本店の皆様、誠にありがとうございました。
　来年もご都合がよければ、よろしくお願い致します。

　参加者の皆んな、良く頑張りました。
　また応援の道場生、保護者の皆様もありがとうございました。

　さて話は変わりますが、大人は子供に元気を求めます。
　それは当然の事で、またとても大切なことです。
　以前、著名なスポーツドクターに子どもへのトレーニングの負荷強度を尋ねたことがあります。
　そのドクターは「練習が終わっても子どもたちが、元気に走り回れるようでなければならない。」「大人のように練習後にぐったりするような練習はさせてはならない」と仰っていました。
　大人が子どもに元気を求めるのは、大人が子どもの元気を気にかける、ある意味保護の一面もあると思います。

　空手の稽古では子ども元気を「セイッ」「エイッ」などの動作時の発声である気合に求めます。
　発声の気合は大きな声であることが望ましく、私も以前は稽古での気合が大きくあるように、また演武での気合も大きくあるように指導して来ました。
　しかしコロナ以降、コロナ対策として新極真会徳島西南支部では、気合を最低限に止めるようにしてきました。
　それに伴い少年部道場生の気合も小さくなりました。
　演武では大きな気合であった方が見栄えがよくて望ましいですが、コロナ禍を経験した今の子ども達に大きな気合を求めるのは酷なように個人的に思います。

　コロナ以後、今の子ども達は給食では黙食を強いられ、休み時間に外で大きな声を出して遊ぶことを禁じられ、挙句の果てには放課後も公園でマスクなしで声を出して遊んでいると通報される目に合ってきました。
　コロナ禍を経験した子ども達には、大人の前で大きな声を出す事に潜在的な躊躇があるのではないかと、個人的に思います。
　コロナ禍を経験した子ども達の大きな声を出す事への躊躇を取り払うのが、コロナ禍も 3 年を越えようとしている時期の大人のこれからの責務に思います。

　子どもが大きな声を出す事は、その元気の象徴です。
　空手での子どもの元気の象徴は先に書いたように気合の発声ですが、気合はそもそも気迫を表すものです。
　気迫は元気でもありますが、空手の気迫は発声での気合だけで示すものではありません。

　気迫は例えば組手で、また例えば演武会での試し割りのように、緊張の伴う場面で力強く元気に体を動かす時に発せられ、見る者に感じさせるものです。
　コロナ以降、新極真会徳島西南支部では稽古での気合を制限してきましたが、気迫は失わないように稽古をしてきました。　
　第 8 波に備えて感染者が拡大すれば、国民への行動制限の要請も政府は決定した、と先日の新聞に書いてありました。

　まだまだコロナの煩わしさは無くなりそうにありませんが、新極真会徳島西南支部では子ども達の元気の根元を気迫とし、気迫が小さくならいように稽古でしっかりと培っていこうと思います。
　11.14.2022 記

2022-11-11

自主練習のススメ、〝50 歳の君へ〟何かを積み重ねて

空手のススメ

　よくブログで書くように木曜日の指導前は、一人で行う自主練習が私のルーティンです。
　選手現役時代から、もう 30 年以上行っている一人の自主練習ですが、その目的は年齢ともに変遷しています。

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　選手時代は試合に勝つことだけが目的でしたが、今の目的の一つには道場生とのスパーリングがあります。
　道場生とのスパーリングで後れを取らないためですが、その後れを取らない私の動きが、今の私の年齢である 50 歳に道場生の彼らがなった時「空手の先生、50 歳の時にこんなに動いていたな」と、少しでも記憶に残ればと思ったりします。

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　今、日々の稽古でスパーリングをしている道場生が 50 歳になった時、私は生きていないかもしれませんが、50 歳になった彼らの記憶に 50 歳の私が残っているのならば、スパーリングで後れを取らなかった私の動きを振り返って欲しいと思います。
　もし振り返ってもらえるならば、50 歳という年齢で思慮の深まった彼らには、記憶に残る 50 歳の私の動きにそれまでに積み重ねてきた、私の稽古を感じてもらえるのではないかと思います。

　徳島出身のシンガーソングライターであるアンジェラ・アキさんの曲に〝手紙～拝啓十五の君へ～〟という曲があります。

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　歌詞では 15 歳の「僕」が悩みを未来の自分に宛てて、“手紙”を書くことによって、今を生きていくということを表しているそうですが、〝今を生きていく〟ということは〝何かを積み重ねていく〟ことだと思います。

　今、私が日々の稽古でスパーリングをしている道場生は中学生、高校生、大学生ですが、〝手紙～拝啓十五の君へ～の 15 歳の「僕」同様、何かの悩みを抱えていたり、またこれから大きな悩みを抱えるかもしれません。
　悩みがあっても歌詞のとおり、今をしっかりと生きて欲しいと思いますが、今を生きていくには、何かを積み重ねて生きて欲しいと思います。

　道場生が積み重ねるものが、空手でなくなっても構いません。
　ただ先に書いたように 50 歳になった彼らが 50 歳の私を思い出し、私の積み重ねてきたものを感じることで、自分が積み重ねてきたことも感じ取れるようになって欲しいと思います。
　積み重ねることは何でも良く、それは些細なことでも良いと思います。
　積み重ねてきたことがあること自体が、過去の自分、今の自分、そしてその先の自分の肯定になると思います。

　偉そうなことを書いている私ですが、50 歳の今の私も悩みは尽きません。
　しかし、今まで自分が悩みながら積み重ねてきたものを振り返るに、今の悩みも 60 歳、70 歳、ひょっとする 80 歳、90 歳で何らかの形になっているのではないかと思います。
　これまで私が積み重ねてきたものが、今の私の空手の技になっているように。
　アンジェラ・アキさんの曲にならって今回のブログの表題を〝50 歳の君へ〟としましたが、50 歳の君は、道場生であったり、今の私自身であったりします。

　< お知らせ >
　明日の土曜日 (11/12)、トヨタカローラ徳島さんの感謝祭で下記のとおり演武会を行います。
　時間…111 時～、12 時～の 2 回演武　演武時間…約 12 分
　場所…トヨタカローラ徳島本店 ( 〒770-8011 徳島県徳島市論田町本浦下 67-1)
　ご都合の良い方はぜひお越しください。

　なおイベントのために、明日の美馬道場はお休みさせていたたせきます。
　また明日の鴨島道場は少年部クラスはお休み、他のクラスは以下のとおり時間変更です。
　選手クラス…17 時 15 分～18 時 45 分
　一般部部クラス…19 時～20 時 30 分
　居残り稽古…20 時 45 分～21 時 30 分
　道場生、保護者の皆様、よろしくお願い致します。

　木曜日 (11/10) の美馬道場
　少年部クラス (19 時～20 時 )

　一般部クラス (20 時 15 分～21 時 30 分 )

　11.11.2022 記

2022-11-10

基本のススメ、基本の持つ、基本たる所以に忠実に

空手のススメ

　昨日の鴨島道場一般部クラスの受け返し。

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　左右の前蹴りをバックステップをしながら下段払いで受け、下段回し蹴りの返しを。
　私はこの受け返しを前蹴りに対する基本の受け返しとしています。

　この受け返しを行うと前蹴りをサイドステップで回り込んで下段払いを受け、下段回し蹴りを返す道場生がいます。
　サイドステップを用いる方法も受け返しの技術としては誤りでなく、実践では大いに有効です。
　しかしバックステップをパターンとして指示し、それを基本としているからには忠実にバックステップを行うようにサイドステップをしている道場生には注意を与えます。

　私は前蹴りに対するサイドステップは、前蹴りに対するバックステップの応用としています。

　基本はバックステップであり、応用がサイドステップであると位置付けていますが、その最たる理由はバックステップ、サイドステップとも一番大切な要点は相手の前蹴りのタイミングに合わせて身体を動かすことにあり、基本、応用の要点を共通としているからです。
　バックステップとサイドステップは最大の要点は共通するものであり、違いは後ろに動くか、横に動くかですが、バックステップを基本とするもう一点重要に思う要点は、バックステップの方がディフェンス機能としての幅が広い点です。

　私が私淑している方は「バックステップは万能のディフェンス」と仰っていましたが、どんな相手の攻撃でも取り敢えずは後ろに下がれば躱せます。
　どんな攻撃でも取り敢えずは躱せるバックステップに対し、サイドステップは例えば相手の右の下段回し蹴りに対し、自分が左に動けば被弾するようにカバーできないゾーンがあります。
　相手の攻撃を躱すディフェンスとしてのバックステップとサイドステップは、要点は同じでも効力の及ぶ範囲に違いがあります。
　要点が同じならば効力の広範域の方を基本とし、狭い方を応用として位置付け、その共通する要点を練り上げ、基本と応用を共に実践できるように修練すべきに思います。

　相手の右の攻撃に対し、自分が左に動けないサイドステップのような応用ですが、応用は制限を伴いますが、制限は逆に特化された有効性になりえます。
　相手の攻撃を躱すサイドステップの特化された有効性は、私の感じるところではバックステップで相手の攻撃を躱すよりも、相手の追撃が遅れるタイムラグにあります。

　基本を元に応用は大いに活用すべきですが、しかしやはり応用を基本としてはならず、応用を基本とすれば空手の場合、技術の偏りとなり、それこそ応用が失われてしまいます。

　冒頭に書いたようにバックステップを基本と指示しているところにサイドステップを行う道場生がいるのは、サイドステップがバックステップよりも行いやすいことに理由があると思います。
　人間、体を前にして後ろに歩くよりも、横に歩く方が歩きやすいように、バックステップよりもサイドステップの安易です。
　しかしバックステップで難しい体を後ろに運ぶ足捌きは、体を横に運ぶサイドステップの足捌きに反映するもので、バックステップに習熟することはサイドステップの習熟にも繋がります。
　道場生においては、前蹴りの基本の受け返しでは安易にサイドステップに走らず、忠実に指示したとおりバックステップを行って欲しいと思いますが、道場生に求める忠実さは私への忠実さではありません。

　基本の持つ、基本たる所以への忠実さです。

　水曜日 (11/9) の鴨島道場
　少年部フィジカルクラス (18 時 20 分～18 時 50 分 )

　少年部クラス (19 時～20 時 )

　一般部クラス (20 時 15 分～21 時 30 分 )

　11.10.2022 記

2022-11-09

空手の基本稽古、サンチン立ちのススメ、自身のマインドの委ね先

空手のススメ

　緊張すると足が震える、といった具合に人の精神状態は足元に露わになります。
　脳と足の繋がりは手などの体の他のパーツより近い、といったことを何かの本に書いてあったように思いますが、緊張すると足が震えるのも足と脳の繋がりが近いためのように思います。
　精神状態が足元に表れるのならば、逆に足元をしっかりコントロールすることで精神状態、マインドをコントロール出来ると思います。
　私はスパーリングにおいて、不意の相手の攻撃で足元が乱れ、焦りが生じた時などは、素早く立ち方を整え、足元の乱れを修正し、焦りの生じた気持ちも整えています。

　我々の空手の基本稽古における手技は、サンチン立ちという立ち方で行われます。
　サンチン立ちは固定されたもので、足の横幅は肩幅に開き、縦幅は足の裏の縦幅 ( つま先から踵までの幅 ) に開き、そして足先を内側に閉めます。

　この足先を内側に向けるサンチン立ち、基本稽古の手技で集中力が乱れてくると足先が外側に開き、サンチン立ちの立ち方も乱れます。
　サンチン立ちは稽古への集中力がよく分かるもので、指導者が道場生を把握しやすい稽古の指導システムとして、よく出来ているように個人的に思います。
　私はサンチン立ちについてはうるさく指導していますが、それは稽古への集中力を高めることを第一義としていますが、それとともに足元をしっかりコントロールすることで、自分で自身のマインドコントロールする術を身に付けることを意図しています。

　立ち方は空手の本質である組手の根幹技術としても、とても重要になります。
　立ち方が整っていなければ、攻防の効力は発揮できません。

　立ち方はステップなどの移動を含めてものとなりますが、立ち方の基本はスタンスにあり、サンチン立ちはそのスタンスをしっかり固定して身体に覚えこませる優れた稽古方法に思います。

　前述のとおり、立ち方は攻防の要だけでなく、立ち方を整えることは自身のマインドも整える作用があります。
　空手の立ち方はサンチン立ちだけではありませんが、サンチン立ちをはじめとする空手の立ち方の稽古は、自身のマインドコントロールを自身で行う修練になると思います。

　現代社会では他者にマインドコントロールされ、それが大きな問題を引き起こすことがしばしばあります。
　個人のマインドの委ね先は、社会に大きな影響を及ぼすものですが、新極真会徳島西南支部ではサンチン立ちをはじめとした修練で、マインドの委ね先を自身に定めるように道場生を導きたいと思います。

　火曜日 (11/8) の徳島市加茂道場
　少年部クラス (18 時 30 分～19 時 30 分 )

　一般部クラス (19 時 45 分～20 時 45 分 )

　11.2.2022 記

2022-11-08

礼法のススメ、稽古の組手、スパーリングで「参りました。」と言えることの大切さ

空手のススメ

　稽古での組手、スパーリングで的確な技をもらった場合、その技が相手のコントロールが効いたもので自身にダメージがない場合は、一旦組手、スパーリングを中断し礼を示すべきです。

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　上の添付動画のように、効いてないからといって打ち返すべきではありません。
　添付動画で打ち返せるのは、ヘッドギアを付けているうえに突きの威力のコントロールをしているからです。

　このタイミングで威力をコントロールをせずに、なおかつヘッドギアがなければ倒れるほどのダメージを負うのは確実です。
　礼として示すべきは相手のコントロールへの謝意であり、礼は技をもらったシーンでの自身の技量の拙さを素直に認めることになり、自身の技量の拙さを素直に認める礼の心が「次はもらわないにしよう。」「もらわないためには何をすべきか ?」との考察になり、その考察が自身の技量を高めるものとなります。

　動画は我々の空手の通常のスパーリングのものではありませんが、我々の空手の組手、スパーリングルールでは同様なことが上段への蹴りの被弾に対してよく起こります。

　上段への蹴りをコントロールして寸前で止めたり、軽く当てたりすると蹴りの引き足や蹴りの姿勢を直す動作が一瞬遅れます。
　私も何度かありますが、その隙に乗じられ足を掴まれて投げられたりしますが、上段へのインパクトを止めた蹴りを掴まれたり、投げられたりするのは重大な怪我を負うリスクが生じます。
　技をコントロールした者にとっては相手への配慮が仇になりますが、そのような礼が失われた最悪の状況が生じる最大の原因はコントロールされたものに余裕がなく、コントロールされたことを認識できないためです。

　私は稽古ではライトスパーリングを推奨する空手指導者ですが、ライトスパーリングを推奨する一番の原因は怪我の予防であり、怪我の予防に付随して余裕を持ったコントロールした組手、スパーリングでその都度の攻防を考察し技量向上へと繋げるためです。
　稽古でライトスパーリングが出来ないのは、余裕がないからであり、その余裕が持てないのは勝ちを意識しすぎるからです。
　ライトスパーリングでも勝ちを意識して、攻防を自分優位に進めていくことは技量向上のため必要です。
　しかし最初から勝てるものでなく、また誰にでも勝てるものでもありません。
　勝ちを意識しすぎることは一生懸命さの裏返しの面もあり、その一生懸命さは否定には当たりませんが、勝ちへの過剰意識は技量向上を先とせず、最初から勝とう、誰にでも勝とうとする、傲慢さの裏返しの一面でもあります。

　一生懸命さが傲慢さとなった場合に礼は失われます。
　空手は礼を一番大切にすべき武道であり、一生懸命さを傲慢さへと変質させてはなりません。

　空手の稽古での組手、スパーリングでは勝ちに対して過剰意識を持たずに、余裕を持つことに一生懸命さを向けるべきに私は思います。
　添付動画のような状況では、ボクシングやキックボクシングではグローブタッチが礼を示す礼法となってますが、空手の場合は「参りました。」と声を発するのが礼法です。
　新極真会徳島西南支部では、稽古の組手、スパーリングで「参りました。」と言える道場生を増やして行きたいと思います。

　月曜日 (11/7) の阿南道場
　合同クラス 1 部 (18 時～19 時 )

　合同クラス 2 部 (19 時 15 分～20 時 15 分 )

　11.7.2022 記

2022-11-07

試合のススメ、息の長いサポートを続けることで感じる子どもの成長

空手のススメ

　昨日の日曜日 (11/6) は丸亀市空手道錬成大会でした。
　運動会のような大会がコンセプトの大会でしたが、そのコンセプト通り組手、型以外でも 3 本組手、移動稽古の競技部門があり、またお菓子で作った敢闘賞トロフィーなど参加者が喜ぶ趣向もあり、素晴らしい大会でした。

　空手の試合、特に我々の空手の試合は出場するのにも勇気が要るものですが、参加しやすい大会を設け、参加者の勇気を後押しすることは、とても意義のある事だと思います。
　主催された原内師範、素晴らしい大会に参加させていただきありがとうございました。
　また運営にあたった原内道場のスタッフの皆様も、ありがとうございました。

　さて新極真会徳島西南支部からは、19 名が出場、そのうち型でミツキちゃん、ハナちゃんが 2 位、イロハちゃんが 3 位、組手でミオちゃん、リョウト君、ルイト君、イロハちゃん、ミツキちゃんが優勝、ソウシロウ君が 2 位、コウダイ君、アルト君、エイタ君、レント君が 3 位でした。

　入賞には至らなかった子たちも良く頑張っていましたが、勝って奢らず、負けて腐らず、皆んなにはまた試合を頑張って欲しいと思います。

　さて近年の空手の大会の様相は、私が 20 代の頃に比べて随分と様変わりしました。
　今の大会は少年部の子ども達の参加が圧倒的に多いですが、私が若い頃は少年部の参加は少なく、20 代の若者の参加がほとんどでした。
　そのため選手のサポートも私が若い頃は選手の同年代の先輩、後輩、同輩でしたが、今の大会のサポートは選手の保護者となっています。
　私も息子のサポートして来たので良く分かりますが、子どもの空手の試合のサポートを長年続けていくと子どもの成長がよく分かります。

　我々の空手の試合は冒頭に書いたように、組手試合でノックアウトもありえるもので試合に出場するだけで勇気が要るものです。
　ある意味、勇気が試される一面があるので、子どもの気持ちの強さ、弱さがよく分かります。
　最初は気持ちの弱かった子も試合を重ねることで強くなって行きますが、そういった精神面の成長は今大会に出場した道場生においても見られました。