空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

昇段を節目とすることのススメ、竹は節目が増えることで高く、強くなるもの

 一昨日の日曜日は型特別稽古、審査会、懇親会でした。
 型特別稽古は今年の末に行う、指導員昇段審査を受審する指導員の皆さんを対象とした内容の稽古でした。

 三段・二段に挑戦する指導員の皆さんには、指導員審査を受審するにあたって、新極真会の全ての型を一通り覚えもらうことを条件としました。
 今回は最高難易のスーシホとカンクウの稽古でしたが、有志道場生の一般参加も認めました。

 低学年の道場生の参加もありましたが、積極的に型を覚えることは、とても良いことです。
 型特別稽古は今年は数回開催する予定で、普段の稽古では行わない難易度の高い型をその都度行う予定です。
 道場生であれば、誰でも参加 OK です。
 有志の道場生は、遠慮せずに参加してください。

 なお型特別稽古では、見本役をハナちゃん、ミツキちゃんにお願いしましたが、二人ともありがとうございました。

 懇親会は、審査会での昇段、また参加者で今春、進学、昇進した道場生の皆さんのお祝いも兼ねました。

 私も楽しいひと時を過ごせましたが、みなさん、おめでとうございます。

 新たなステージでの、皆さんの活躍を祈念します。

 

 さて、私は道場生の昇段を一つの節目によく例えますが、以下は今回の審査会の最後に節目についてお話しさせてもらったことを、一部を改めてブログにした内容です。

 今回、昇段審査を受審したミリウちゃんは、怪我を抱えての昇段審査でしたが、よく頑張りました。
 審査での頑張り、そしてこれまでの長年の稽古での頑張りを認め、初段への昇段を認可しました。
 ミリウちゃん、おめでとうございます。

 昇段、黒帯になることは空手を学ぶ上での大きな節目ですが、昨年末の昇段者の一人が昇段レポートの中で節目についてふれていました。
 その内容は、竹は節目が増えることで高く伸びるものであり、また節目が多ければ多いほど、竹はより高く、そしてより強く成長するもので、黒帯になることを竹の節目のように、これからの自分の成長へと繋げたいといったものでした。
 とても良い一文と感心しましたが、昇段者が新たに腰に巻く黒帯は、正に竹の節目のようなものです。

 組手で直接突き蹴りを当てる、我々が学ぶ空手は、非常に厳しい空手です。
 厳しいゆえに、我々の空手の節目として得る黒帯は、それを巻く人の成長の証 ( あかし ) にふさわしいものと思います。
 今回、昇段したミリウちゃんは、今春、高校 3 年生となりますが、高校 3 年生は人生の岐路を決める人生の大きな節目です。
 ミリウちゃんには、人生の岐路としての節目において、今回の空手の節目を矜持とし、立派な竹のように強く、そして、しなやかに自分の素敵な未来へと進んで欲しいと思います。

 また、ミリウちゃんが空手で節目を迎えれたのは、空手を学ばせてくれたご両親のお陰です。
 ミリウちゃんには、空手を学ばせてくれたご両親に感謝の念を持って欲しいと思いますが、ご両親に報いるには節目を与えてくれた感謝よりも大切なことがあります。
 これからミリウちゃんは、長い人生においてたくさんの節目を迎えます。
 今回の節目においてのご両親への感謝よりも大切なこととは、人生におけるその都度の節目でしっかりと自分を成長させることです。

 人の節目による成長は、一生、続くものです。
親は一生、子の親であり続けます。
 親にとって子の成長は、何よりの喜びとなります。
 今回の昇段のような素敵な節目を、ご両親にずっと見せてあげて欲しいと思います。

 ミリウちゃんの、未来に期待します。

 また今回、昇級審査を受審した道場生の皆さんにおいては、昇級は昇段への節目となります。
 昇段には昇級として 10 コの節目を必要としますが、その 10 コの節目をしっかりと連ねて、道場生の皆さんにおいても昇段の節目を迎えて欲しいと思います。

 ところで、昇段レポートで節目にふれた昇段者ですが、彼は稽古に帯をよく忘れてきます。
 帯を忘れてくるたびに白帯、オレンジ帯、青帯、黄帯と、これまで身につけてきた色の帯をつけて稽古してきました。
 先々月には帯に飽き足らず道着も忘れて、着てきたジャージで体験入門者のように稽古しましたが、ひょっとすると彼が帯や道着を忘れてきたことは、これまでの自分の節目を忘れないためだったのかもしれません。

 節目を振り返ることで「初心を忘れない」といったことかもしれませんが、初心を忘れないことよりも、稽古には帯と道着を忘れないことの方が大切です。
 節目を振り返ることは良いことですが、道場生の皆さんには節目の振り返り方を間違えず、帯と道着を忘れずに稽古を重ね、節目を連ね、竹のように大きな空に向かって真っ直ぐ、高く、そして強く成長していって欲しいと思います。

 一昨日の型特別稽古、審査会、懇親会、各行事に参加された道場生、保護者の皆さん、お疲れ様でした。

 4.9.2024. 記