空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

作家、司馬遼太郎さんが空手の稽古を見て感じたこと

 私が好きな作家、司馬遼太郎さんの紀行文で〝街道をゆく〟というものがあります。

 シリーズもので徳島県の脇町や池田町を訪れたものもありますが、紀行は世界各地に及び〝南蛮のみち〟というシリーズではスペインを訪れています。

 そのスペイン編で日本人が主宰する空手道場を訪れ、20 名ばかりが行う稽古を見た事をわずかながら書かれていますが、日本で空手の稽古を見た事がなかった司馬さんは海外で初めて見る空手の稽古を「拳闘( ボクシング) のジムというようなものでなく、戦前の剣道道場のふんいきにちかいものだった。」と書かれています。

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 〝戦前の剣道道場〟と司馬さんからすれば何気なく書かれた表現かもしれませんが、私はこの〝戦前〟との表記に惹かれます。

 勝手な解釈ですが、戦前と表記するにあたり司馬さんは、稽古に参加する個々が規律を持ち粛然と集団で稽古を行い、その集団稽古が機能的に行われていることを漠然と感じとったのではないかと思います。

 〝個々の規律から発する粛然とした集団稽古〟といった空手の稽古の雰囲気は、私は空手道場の良さだと思います。

 〝個の解放〟が尊重されるようになり、その反面〝個々の規律〟が緩んでいるように昨今の世相を個人的に思いますが、集団の機能性、そして倫理を思えば、〝個の解放〟にあっても〝個々の規律〟は失くしてはならないものと思います。

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 私が勝手に思う司馬さんが異国の空手を見て感じた事を、徳島で守っていきたいと思います。

 

 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時)


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 一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)


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 6.15.2021 記