空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

我々の空手の理のススメ、「実践なくんば証明されず、証明なくんば信用されず、信用なくんば尊敬されない」

 一昨日の鴨島道場には、新極真会山東支部のシズクちゃんが出稽古に来てくれました。
 大会、四国・岡山合同稽古で当支部のミツキちゃんと仲良くなったのが出稽古の縁となりましたが、慣れない稽古、またハードなスパーリンクにも一生懸命に頑張っていました。

 空手を通じて、本来ならば知り合うこともなかった人同士が、仲良くなることは空手の魅力の一つです。
 シズクちゃん、ミツキちゃんにはこれからも仲良く、お互いに切磋琢磨して頑張って欲しい思います。
 シズクちゃん、そして保護者様も出稽古、お疲れ様でした。

 さて、以前のブログで武道精神を構成する重要要素に〝縦の関係〟があると書きました。
 武道における〝縦の関係〟は因循姑息で封建的な関係でなく、本来、正しい技や理を受け継ぐ、水のように上から下に流れる流れであり、それに伴う先達に対する敬意であると私は思います。
 空手においては、技や理の正しい〝流れ〟がいく通りもあるために〝流派〟が存在するのだと私は思います。

 空手において〝流派〟となる、正しい技と理。

 正しい技とは、その流派の特徴的な突き、蹴りなどの技術と思います。
 正しい理とは、その技を身につけるための、すべきこと、心構えと思います。
 技を身につけるための正しい理とは、我々の空手の場合、我々の空手の創始者が残した「技は力の中にあり」、または「実践なくんば証明されず、証明なくんば信用されず、信用なくんば尊敬されない」などの言葉にあると思います。

 我々の空手は、今は緑健児師範を代表とする新極真会という流派を構成しています。
 我々の新極真空手は世界の 100 を超える国、地域の人たちが集っています。
 新極真空手は、空手の流派としては大河のように大きな流れですが、その流れは創始者が発した正しい技、正しい理を源として時代に沿い、未来に向けて流れています。
 正しい理は、先のブログで書いたような創始者亡き後、最近見られるようになった試合において選手と一緒に行うセコンドの礼を不要とするような武道感覚 < 武道センス >として、大河の流れに集う世界中の新極真空手の稽古生を導いています。

 大河に身を委ねることは心強いものですが、私個人としては仮にも指導者としてあるからには、安穏として身を委ねっきりのままではいけないように思います。
 大河には、時に淀みが生じる時があります。
 淀みは流れが滞ることから生じますが、空手の流派としての大河においての淀みは、個々が流れに身を委ねっきりになることから生じるように思います。

 河の流れが常に時間とともに未来に向かって流れるように、空手の流派として大河に集う我々個々の稽古生も、空手の正しい理から自らのなすべきことを求め、なすべきことをなすべきに思います。

 指導者としての私においては「実践なくんば証明されず、証明なくんば信用されず、信用なくんば尊敬されない。」との理を求め、なすべきかと思います。
 指導者として、尊敬までは得ようと思いませんが、信用は得たいと思います。
 信用を得るためには、証明のための実践が何よりも大切です。

 自分に出来ることで、何を証明し、何を実践すべきか ?

 私が「証明出来る」というよりも「証明したい」と思うことは、我々の空手は汎用性 ( 一つのものを広くいろいろな方面に用いること。) です。

 その汎用性とは、我々の空手の武道精神が我々の空手を稽古するものの社会への適応力などの < 生きる力 > に繋がるということ、そしてもう一つは、我々の空手の技術は様々なルール、スタイルの組手に通じる普遍性 ( 広く行き渡ること。特に、すべての物に共通に存すること。) を持つということです。

 鴨島道場の土曜日の居残り稽古で取り組んでいることは、我々の空手の汎用性、普遍性への試みの一つです。


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 居残りスパーリングで我々の空手の汎用性、普遍性の検証を実践し、それを道場生に伝えること、私の指導者としての信用を得るための手段の一つです。

 流派として、大河のような流れである我々の空手では、多くの人の交流が芽生えます。
 このブログの冒頭の出稽古などは、その一例です。
 人の交流は何かを通 ( とお ) して、何かを通 ( つう ) じて行われるものです。
 空手の出稽古における交流は、当たり前のことですが、空手の稽古を通しての、同じ空手の理に通じるもの同士の交流です。

 地方支部の一道場生同士の交流は、世界規模から見れば小さいものかもしれません。
 しかしそれは、大河を構成する、確かな一つの流れとなる交流です。
 信じる理から生じる流れは、小さな一つでも、かけがえのないものと思います。
 我々の空手の理への信用は、我々の空手を指導する指導者への信用と思います。
 指導者としての信用、常に肝に命じたいと思います。

 < ご案内・道場生対象 >
 次の日曜日 (4/2) に下記のとおり昇級審査会及び新極真会徳島北東あわじ支部さんと合同稽古を行います。
 昇級審査会…9 時~10 時
 徳島合同稽古…10 時 15 分~12 時 15 分
 ともに鴨島東中学にて、道着着用で行います。
 参加できる道場生は頑張りましょう !!
 3.31.2023 記