空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

たくさんの事がコロナ禍に奪われた 3 年間において、コロナ禍が奪えなかったもの、コロナ禍から守り得た理由のススメ

 新型コロナの位置づけが 5 類感染症に引き下げられ、世間ではコロナ禍前の日常が戻りつつあります。
 お祭りもその一つであり、私はタイミングが悪く見れませんでしたが「お祭り復活元年」とのタイトルの番組も先ごろ放送されたそうです。

 徳島のお祭りと言えば「阿波おどり」、昨年はワイドショーでも取り上げられていたように色々と運営に問題があるようですが、徳島県人としてはコロナ禍前の盛大な阿波おどりの復活が待望されます。

 しかし阿波おどりの復活には、コロナ禍によって深刻な問題が運営の他にも発生している、と先ごろ伺いました。
 県外の方はあまりご存じないかもしれませんが、阿波おどり徳島県の色んな市町村でお盆の頃に開催されます。
 県外の方は規模が一番大きく、有名な徳島市阿波おどりが一般的な阿波おどりの印象だと思いますが、阿波おどり徳島市以外に鳴門市、三好市など、県内の他の市町村でもお盆の頃に開催されます。

 阿波おどりは、「連」と呼ばれるチームみたいな団体ごとに参加するものです。
 阿波おどりにおける連には、それぞれに踊りの個性があり、その個性の違いが阿波おどりの魅力の一つになっています。
 連の個性は練習で磨きますが、阿波おどりの練習は熱心な連では年中行っているようですが、お盆の本番前の時期になると阿波おどりの練習は一層盛んになります。
 練習は連の人たちの仕事や学校が終わった夕方以降に行われるものですが、本番前の時期になると練習は屋外でも行われ、街じゅうにお囃子の音が聞こえる観があり、私が指導する道場でもコロナ禍前は、稽古中に阿波おどりのお囃子が聞こえきて風情があったものです。

 ブログ冒頭の阿波おどりの復活への深刻な問題ですが、徳島市阿波おどりは聞き及んでいませんが、ある町の阿波おどりでは参加する連が少なく、開催が危ぶまれているそうです。
 連の参加が少ない理由は「練習が十分に出来ていないため」とのことです。
 練習不足はこれまでのコロナ禍によるものですが、しかしコロナ禍による理由は練習不足だけではないように個人的に思います。

 コロナ禍の初期の頃には、人の接触を制限するために、人の接触の機会を「不要不急」で仕分けされました。
 空手もそうでしたが、阿波おどりの練習も「不要不急」とされ、練習を中止させられたり、制限されたと思います。
 推察するに、阿波おどりに参加する連の減少には「不要不急」のレッテルを貼られたことによる、踊り手や鳴り物の演者などの阿波おどりの担い手のモチベーションの低下もあるのではないかと思います。
 コロナ禍は色んなものを奪いましたが、その禍は徳島の大切な文化である阿波おどりにも及んでいるように思います。
 またコロナ禍は阿波おどりのように、今後のコロナ収束後にも露わになるものもが多々あるように思います。
 コロナ対策における「不要不急」は、それが正しかったのか、間違っていたのかの、総括がこれから必要のように思います。

 さて新極真会徳島西南支部では、新型コロナの 5 類移行後、コロナ対策で行っていた気合の発声の制限を解除しました。
 我々の空手の全体稽古では、例えば突きの練習を数を決めて行う場合など、号令に合わせて気合の発声を行います。
 号令者が「1」と数えるのに、稽古生が「エイッ」などと気合の発声で応える感じですが、気合は大きいほど良いものです。


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(この動画は大きな音が出ます。御覧の際はご注意ください。)

 この度、気合の発声を復活させることにおいては、稽古で、ほとんど気合を出さなかった 3 年間、その長さから道場生の気合の発声が戻るのか不安でした。
 またコロナ禍以降、気合の制限下で入会した道場生が気合に対応できるのかも不安でした。
 「全く声が出ないのでは…」とも思いましたが、しかし、いざ復活させると心配は杞憂に終わり、コロナ禍前には劣るものの道場生の気合が復活しました。

 社会ではコロナ禍によって奪われたものが多数ありますが、コロナ禍が奪えなかったものもあります。
 当道場の稽古における気合の発声は、コロナ禍が奪えなかったものの一つかと思います。
 道場生の気合をコロナ禍が奪えず、またコロナ禍から守り得たのは、コロナ禍においても空手の本質に沿った稽古を守ったからかと思います。

 その空手の本質に沿った稽古とは、気合の発声がなくても、道場生の気迫、集中力、また素直さといったものを引き出す稽古です。
 そう思うと、道場生の元気な気合の声が、とても感慨深く思えました。

 稽古における気合の発声は、道場の威勢を示すものです。
 コロナ収束期にあたり、稽古の気合において道場の威勢を示し、コロナ禍に奪われなかった、コロナ禍から守った、新極真会徳島西南支部の空手の稽古を社会にアピールしていきたいと思います。
 その道場の威勢を示す機会として、5 月 28 日㈰ (11 時 30 分より約 10 分 )、ダイハツ小松島店さんのイベントで演武をすることになりました。
 昨年の演武では気合は制限していましたが、今回の演武では気合も復活させます。
 加えて新極真会徳島西南支部では、初の試みとなるトランペットの生演奏をバックミュージックに演武を行います。
 先日、今回の演武会のリハーサルを行いました。
 下の動画は、そのリハーサルの模様です。


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(この動画は大きな音が出ます。御覧の際はご注意ください。)

 今回の演武出演者は、初参加の道場生がほとんどですが、当日は威勢良く、演武を頑張ってくれると思います。
 演武参加の皆んな、頑張ろう !!
 5/28、当日都合の良い方は、ぜひダイハツ小松島店さんにお越しください。

 < ご案内 >
 本日 5/19 ㈮~5/22 ㈪まで、逢坂は JFKO 全日本大会関連での大阪出張です。
 よって下記の道場の稽古はお休みとなります。
 5/19 ㈮…徳島市加茂道場
 5/20 ㈯…美馬道場、鴨島道場
 5/22 ㈪…阿南道場
 関係者の皆様、よろしくお願いいたします。
 5.19.2023 記