空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

大きなスケール感で自分を計ることのススメ、新極真会・第 13 回全世界空手道選手権大会

 先々週の木曜日 (10/12) から先週の木曜日 (10/19) は第 13 回全世界空手道選手権大会 (10/14 ㈯・10/15 ㈰、東京体育館にて開催 ) 関連の出張でした。
 何かにつけて素晴らしい大会でしたが、大会を主催された新極真会緑健児代表をはじめとする関係者の皆様、大会に参加させていただきありがとうございました。

 あのような素晴らしい大会を主催できる組織の末席に連なることを誇りに思いますが、その誇りを矜持として地元徳島で新極真会の発展に微力を尽くしたいと思います。
 同大会では今回より型部門が新設されましたが、岡山東支部の田中選手が優勝、高知支部の山中選手が準優勝、徳島北東あわじ支部の将口選手が 3 位に入賞されました。
 四国・岡山合同稽古に参加されてきた 3 選手の上位独占は非常に嬉しく思います。
 田中選手、山中選手、将口選手、おめでとうございます。

 四国・岡山合同稽古から 3 選手に続く選手が輩出されるように、今後も合同稽古を盛り上げていきたいと思います、
 世界各国の選手の皆様も、素晴らしい闘いをありがとうございました。

 大会後は、大会翌日の月曜日 (10/16) の世界総会を挟んで、火曜日 (10/17)、水曜日 (10/18) に行われた世界セミナーに参加させていただきました。
 世界セミナーは、世界大会、全世界ウエイト制大会後の恒例行事であり、新極真会の世界大会に出場した選手、世界各国の師範、指導員、一般道場生の皆さんと寝食を共にする合宿です。
 世界セミナーでは昇段審査も行われますが、今回は私も受審させていただき五段位を認可していただきました。

 昇段させていただいたものの、基本に癖が付いてる事をご指導いただきました。
 指導ばかりしていると自分の癖に気づかないものですが、昇段を機に癖を意識して、道場生には癖のない基本の指導を心がけたいと思います。
 また型ではいくつか認識の誤りがありましたが、その点も正して道場生には正しい型の指導を行って行きたいと思います。
 世界セミナーでは世界大会からの引き続きで事務局の皆さんにお世話になりましたが、小井事務局長をはじめとする新極真会・総本部事務局の皆様、誠にありがとうございました。
 また審査していただいた各国の師範の皆様、ありがとうございました。

 世界セミナーに参加された世界各国の皆様も、お疲れ様でした。

 一昨日の日曜日 (10/22) には徳島県藍住町で、神武會舘さん主催のリアルチャンピオンシップ四国予選大会でした。
 大会を主催をされた西山館長、神武會舘のスタツフの皆様、大会に参加させていただきありがとうございました。

 新極真会徳島西南支部からは 8 名が参加、イッサ君、カナト君、イマリちゃんが準優勝。

 入賞した人も、惜しくも出来なかった人もよく頑張りました。

 保護者の皆様もお疲れ様でした。

 さて世界大会ですが、先述のとおり何かにつけて素晴らしい大会でした。
 その素晴らしさの一つは、長渕剛さんや和太鼓演奏グループ DRUM TAO さんが出演された演出なども含めたスケール感にあります。

 空手の世界大会は色んな世界大会がありますが、我々新極真会の世界大会はフルコンタクト空手界では一番大きなスケール感を有します。
 一番大きなスケール感はそのまま大会の競技レベルに比例しますが、スケール感があってこそ競技レベルは向上し、また保たれます。
 大会のスケール感を大きく築くには、多くの方々のご尽力、ご協力の賜物ですが、ご尽力、ご協力してくださる方々の思いは一番に選手にあります。
 「血の滲むのような努力を重ねてきた選手に、最高の舞台で闘わせてあげたい。」といった思いが大会のスケール感を大きくし、高めます。

 フルコンタクト空手を志す選手には、その思いに乗じて自分の夢を広げて欲しいと思いますが、空手に限らず世の中には大きなスケール感のレベルの高い場から敢えて身を遠ざける人もいます。
 「中学校ではいつも 2 番の成績で、どうしても 1 番を取れないので、高校は 1 番の成績を取る同級生とは違う高校に進学し、そこで 1 番を取る。」といった話は身近であった話です。

 〝間尺に合う〟〝身の丈に合う〟〝分をわきまえる〟といった言葉がありますが、これらは自分を取り巻くスケール感に関して、似たニュアンスを持つ言葉のように思います。
 また日本語は自分のスケール感に関する言葉がたくさんあるように思いますが、それは〝自分の間尺〟〝身の丈〟といった自分のスケール感への観念の発達のように思います。
 〝自分の間尺〟〝身の丈〟といった自分のスケール感の観念の発達は、〝間尺に合う〟〝身の丈に合う〟〝分をわきまえる〟といったことを心がけることで謙虚さを醸し出す良い面もありますが、〝間尺〟〝身の丈〟〝分〟などの自分を計るスケール感を小さくしてしまうと以前のブログで書いた〝夜郎自大〟的な傲慢さになります。

 上記の身近であった話〝自分より上位の人がいる場から遠ざかり、自分より下位の人たちがいる場に身を置いて自己満足に浸る〟ことなどは、自分を計るスケール感を小さくすることだと私は思います。
 日本人が自分のスケール感への観念を発達させたのは、大きなスケール感で自分を計り、それによって謙虚な心を持ち、自分を高めるためだと思います。
 そして、それは武道の心にも通じるものです。

 〝自分の間尺〟〝身の丈〟などといったものは、その人の資質です。
 それらはスケール感を大きくして計っていくことで、大きくなるものであり「1 番の人がいる世界には行かずに、1 番の人がいない世界で自分が 1 番になろう。」と思うようでは大きくならないものです。
 大きなスケール感で自分を計ることは、自分より上位の人に敵わず、打ちのめされるような苦難が付きまとうものです。

 しかし、その苦難が〝自分の間尺〟〝身の程〟といった自分の資質としてのスケールを大きくするものあり、自分のスケール感が大きくなることで武道の心、一般社会の良識である〝謙虚な心〟は身につきます。
 新極真会フルコンタクト空手界において、競技力、組織力ともに一番大きなスケール感を有しています。

 新極真会徳島西南支部の道場生は、新極真空手を学ぶことで自分を大きなスケールで計ることを通念として身につけ、自分のスケールを大きくし、それによって謙虚さを身にまとい、良識的な社会人になって欲しいと思います。
 そして指導者たる私も大きなスケール感の視点での指導、自身の稽古を心がけたいと思います。
10.24.2023 記