空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

運動能力、運動神経は空手に関係がない、関係あるのは…

 生れつきの運動能力、運動神経の良し悪しは、空手が強くなるかどうかに関係がないと思うところですが、昨日は、そんなお話しを保護者様にさせていただきました。

 もちろん走るのが速い、球技等が何でも出来るといったスポーツ万能の人は空手も強くなりますが、空手において天才的であるのに球技が全く出来ない方を私は知っており、空手が強くてもいわゆるスポーツ音痴の人は多数います。

 私もどちらかと言えばスポーツ音痴です。

 自画自賛ですが、私は突き蹴りの当て勘は高い方と思っていますが、小学生時代にしていた野球ではバットにボールが当たらず、空手で成績を残すようになってから行ってみたバッティングセンターでもボールは当たらず、小学生時代よりも下手になっていました。

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 運動能力、運動神経は空手に関係なければ、人の資質の何が空手に関係してくるのか?

 それは性格だと思います。

 人と実際に〝戦う〟ということを受け入れ、向き合える性格が空手における一番の資質になると思います。

 人によって性格が違うように、戦いへの受け入れ方、向き合い方は性格によって変わってきます。

 気が強い人はアグレッシブに、臆病な人は慎重にと戦い方も性格によって人それぞれです。

 ただ、それぞれに共通する性格の一面もあります。

 それは稽古に対して真面目であり、自分に厳しく自分を追い込めるといった一面です。

 運動能力、運動神経は関係なく、真面目で自分に厳しい人ならば、空手は誰でも強くなれるものと私は思いますが、空手の最大の魅力は〝性格に由来した、誰でも強くなれる〝点にあると思います。


 昨日の美馬道場

 1 部クラス


美馬道場1部12.3.2020 ※この動画は音声が出ます。

 基本稽古の突き蹴りを思いっきり行うように指導しましたが、皆んな素直に頑張っていました。


 2 部クラス


美馬道場2部12.3.2020 ※この動画は音声が出ます。

 スパーリングに私も参加しました。

 12.4.2020 記

ミット稽古、戦略は戦術から、戦術は技術から

 昨日の鴨島道場一般部クラスのミット稽古。


鴨島道場一般部12.2.2020 ※この動画は音声が出ます。

 遠間からの前足の膝蹴り→ワンツースリーの突き→下段回し蹴りのコンビネーションを。

 遠間から距離を詰めるには、後ろ足を前足に寄せる継ぎ足を用いますが、継ぎ足は上半身を動かさないように行うことで相手の反応を遅らせれる効果があり被弾させやすくなります。

 前足の左膝蹴りは相手が左足前のオーソドックスの場合、相手が左半身ゆえ、右の膝蹴りより角度的に的確に被弾させることができます。

 また足を継いだ時、コンパクトにスイッチ動作を行い蹴る左足を後ろに引けば、膝がより伸びて膝蹴りの威力が増します。

 ファーストコンタクトで強い技を被弾させ、そこからフォローのコンビネーションで相手を削っていくことは、組手の戦略となります。

 戦略を展開するには戦術が必要ですが、ファーストコンタクトにおける強い被弾を実現させるための、継ぎ足、左膝、コンパクトなスイッチといった技が戦となります。

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 道場生が戦略的な組手を展開できるように、戦術の元となる技術を綿密に指導していきたいと思います。


 昨日の鴨島道場

 少年部1 部(17 時45 分~18 時45 分)


鴨島道場少年部1部12.2.2020 ※この動画は音声が出ます。

 少年部2 部(19 時~20 時)


鴨島道場少年部2部12.2.2020 ※この動画は音声が出ます。

 一般部(20 時15 分~21 時15 分)


鴨島道場一般部12.2.2020 ※この動画は音声が出ます。

 12.3.2020 記

切り結ぶ太刀の下こそ…。

 昨日の徳島市加茂道場、一般部クラスの受け返し。


徳島市加茂道場一般部12.1.2020 ※この動画は音声が出ます。

 ワンツーの突きを捌きながら踏込みショートの下突きワンツーの返し、反撃の上段回し蹴りをバックステップで躱しての下段回し蹴りの返し。

 私の指導ではディフェンスを

 ・その場での受け

 ・バックステップ

 ・サイドステップ

 ・距離を詰めての受け

 と4 つに大別して週ごとにパターンを変えて指導しています。

 今週は距離を詰めての受け。

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 個人的に最善のディフェンスは、この距離を詰めての受けにあるように思います。

 “切り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ 一足踏み込め そこは極楽”

 と、本当かどうか、剣豪・宮本武蔵が剣の極意として言ったとされますが、距離を詰めての受けは上記の言葉に通じるものがあります。


 昨日の徳島市加茂道場

 少年部クラス(18 時30 分~19 時30 分)


徳島市加茂道場少年部11.1.2020 ※この動画は音声が出ます。

 一般部クラス(19 時45 分~20 時45 分)


徳島市加茂道場一般部12.1.2020 ※この動画は音声が出ます。

 12.2.2020 記

〝賢さ〟は〝素直さ〟から

 少年部の指導において指摘された指導内容に即座に反応し、それを正確に動きで示す子供達には〝賢さ〟を感じます。

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 その賢さはいわゆる知能指数といった頭の良さでなく、指導を受け入れる素直さが主成分に思います。

 個人的に〝賢さ〟と〝頭の良さ〟は違い、歴史を見るに賢人は頭脳明晰者を用いる立場にあることが、しばしば見受けられます。

 素直になれば誰でも賢くなれるように思いますが、賢くあれば、頭の良さが身に付き、高まるようにも思います。

 先日のある小学生中学年同士のスパーリングで、前足の内側に下段回し蹴りを被弾し続ける子がいましたが、相手の蹴り方が巧みで躱し難いと思ったのか、その子は構えを逆にし、被弾し続ける前足を後ろ足へと蹴られない位置に変更していました。

 小学生中学年ながらのその判断に思わず、その子の頭の良さを感じましたが、彼は稽古では常々素直です。

 賢くて、頭が良い、人の望みうる一つの典型と思いますが、子供達には、まずは賢さから引き出して行きたいと思います。

 

 昨日の美馬道場

 1 部クラス(19 時~20 時)


美馬道場1部11.30.2020 ※この動画は音声が出ます。

 2 部クラス(20 時15 分~21 時15 分)


美馬道場2部11.30.2020 ※この動画は音声が出ます。

 12.1.2020 記

空手が教育、子育てに沿うに足るもの

 道場生が幼稚園、小学生、中学生、高校生の子供達が大半の現状において、空手が子供達にとって教育、子供達を道場に通わす保護者様にとって子育てに沿うものでなければならないと、常々考えています。

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 空手が教育、子育てに沿うに足る、具体的にどういったことで、その目的をなすものか?

 ひとつは空手を通しての経験を、ふんだんに子供達に与えることだと思います。

 例えば試合という経験。

 いわゆるKO、相手にダメージを与えて倒すことを至上とする、我々の空手の組手試合は厳しいものです。

 しかし厳しいがゆえに、敢えてそこに向かっていく勇気、対戦相手も同じ厳しさに晒されていることを感じることによって生じる本当の礼の心、といった教育、子育てに適うものが存在します。

 こういったことは試合に限らず、道場稽古における組手・スパーリングでも同様ですが、空手は毎回の稽古が経験です。

 指導者としては子供達にとって質の良い経験を与えることを常に思案し、保護者様にとっては空手における経験の見極めを通して子供達に接することが大切のように思います。


 土曜日の鴨島道場

 選手クラス1 部(15 時45 分~16 時45 分)


選手クラス1部11.28.2020 ※この動画は音声が出ます。

 少年部クラス(17 時~18 時)


少年部クラス11.28.2020 ※この動画は音声が出ます。

 選手クラス2 部(18 時15 分~19 時15 分)


選手クラス2部11.28.2020 ※この動画は音声が出ます。

 一般部クラス(19 時30 分~20 時30 分)


鴨島道場一般部11.28.2020 ※この動画は音声が出ます。

 11.30.2020 記

「攻撃の死角」を健康増進の運動のエッセンスに。

 昨日のカルチャーセンター徳島さんでの「やわらかカラテ」。

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 受け返しは、相手の攻撃の死角に入る感覚を意識してもらいました。

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 画像は受け返し棒による腹部への突きに対し、突きの死角になる棒の側面にステップしています。

 突いてくる棒に対しタイミングを合わせてステップし、なおかつ棒の死角を意識することは、フィジカル強化+巧緻性による運動スキル向上の効果があると思います。

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 運動に〝攻撃の死角〝というエッセンスを加味することは、運動の体系が空手であることを物語るものですが、「やわらかカラテ」では、空手にこだわって受講生の皆さんの定期的な運動による健康増進に寄与していきたいと思います。

 

 さて本日の鴨島道場は通常どおりの稽古ですので、道場生、保護者の皆様、よろしくお願い致します。

 11.28.2020 記

スポーツ競技で割り切れない部分。

 「手が腫れるからミット打ちはやらない」との、我々とはジャンルが違う空手のトップ選手のコメントを目にしました。

 空手は本来、人を素手の拳で打つことを想定された武道です。

 拳は鍛えないと人を打てるものではありませんが、昔から素手でミット、サンドバックを打って拳を鍛えてきた私としては甚だ冒頭のコメントには違和感を覚えました。  

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 違和感を覚えるトップ選手は、何らかの方法で拳を鍛えているのかも知れませんが、鍛えた拳ならばミットを打っても腫れないように思います。

 もし拳を鍛える意識が無いのであらば、それは空手の本質と掛け離れるものと思います。

 ただ社会において色んな空手が受け入れられている昨今、個人個人においてスポーツ競技として空手を割り切れるのであらば拳を鍛えないことも理解はでき、個人的には〝生兵法〟の言葉のもと完全なスポーツ競技空手に違和感を感じつつも、それを否定できるものではありません。

 しかし空手を武道として捉えるならばスポーツ競技で割り切れない部分があり、その割り切れない部分が武道の特質であり、日本固有の武道精神に通づるものと思います。

 昨日は、そんなことを考えならばサンドバックを…。


自主練習11.26.2020 ※この動画は音声が出ます。

11.27.2020記