空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

老いによる衰えに反比例する身体能力のススメ、その裏付けとなる意識を積み重ねた経験

 私の視力はもう長いこと測っていませんが、裸眼で 0.2 か 0.3 くらいです。
 目が悪い上に近年は老眼が進み、目に関しては不自由な思いを年々するようになってきました。
 老眼は特に年々進行しているようで、ここ数ヶ月でそれを如実に感じたのは昨年 9 月の海外出張の時でした。
 私は海外出張での行き帰りの飛行機の中では、席の前のモニターで映画を見ることを楽しみにしています。
 コロナ禍前の 2019 年の 9 月にはモーリシャスに出張しましたが、その折は眼鏡をかけて映画を見れたのですが、昨年 9 月のポーランド出張では眼鏡をかけたままでは見れませんでした。

 老眼の進行に愕然としましたが、50 歳を迎え「仕方がないか…」と老いの寂しさを機上で感じました。

 50 歳を迎えると〝老いによる衰え〟を体調、身体機能の変化で色々と感じるようになり、それを寂しさとともに受け止めざるを得ないようになってきました。
 今後、そういったことはもっと増えてくるように思い、老いによる身体機能の衰えは目だけではなく、身体機能の全般に及んでくると思います。
 しかし、老いによる身体機能の衰えに反比例するかのように個人的に感じる、老いによる別の身体機能の向上も空手を稽古していれば感じることが出来ます。
 私の場合の老いによる衰えに反比例する身体機能は、スパーリングでの相手の技の見切りです。


www.youtube.com

 相手をするのに慣れている、リーチでも私が優位な中・高生の道場生相手のスパーリングですが、相手の技が以前よりも見切れる実感があります。
 ここで言う〝技の見切り〟とは、大まかに言えば相手の突き・蹴りに対するディフェンス ( 防御 ) ですが、空手、または他の格闘技でも突き・蹴りに対するディフェンスは動体視力によるものであり、動体視力が重要と一般的には定説にされています。

 動体視力を改めて調べてみると「動いている物体を視線を外さずに持続して識別する能力」とあり、「各種スポーツに関する能力の多くに動体視力能力が影響している」とも書かれています。
 動体視力は上記の「物体を視線を外さずに持続して識別する」とあるように、眼球を如何にスムーズに動かせるかどうかにかかっているそうですが、眼球を動かすには眼球の周りの6つの筋肉を動かしているそうです。
 眼球の周りの筋肉が動体視力には起因しているため、加齢による動体視力の低下もトレーニングで防ぐことが出来るそうですが、視線のピントを合わせる視力そのものが私のように老眼なども加わり低下すると、いくらトレーニングしても動体視力の維持は難しいように思います。

 眼鏡、コンタクトを使い視力を補正すれば、動体視力の維持は可能だと思います。
 しかし私はスパーリングの時には、眼鏡は元よりコンタクトも使いません。
 選手現役時代の終盤は試合でコンタクトを使っていましたが、それは眼鏡を外すと生じる試合会場内での行動の不便さを解消するためであり、競技そのもののためではありませんでした。

 私のディフェンス技術には、動体視力はあまり関係ありません。
 動体視力に対する静止視力で相手の突き・蹴りの起り ( モーション・予備動作 ) のみを感知して、その感知からの突き・蹴りの軌道を予測しディフェンスをしています。
 予測を用いてディフェンスするため、ディフェンスの精度には経験が大きく反映しますが、経験とは稽古でのスパーリング、試合の組手での経験です。

 経験とは積み重ねであり、長年の積み重ねは「事に古 ( ふ ) りたり」と言いあらわされるように、経験は年齢も共に積み重ねる、老いでもあると思います。
 私は老いで視力が衰えても、逆に視力が必要とされる身体機能としての空手のディフェンス技術が向上したように思います。
 経験を老いに反映させるには、一つ一つの積み重ねでの意識が大切になると思います。
 その積み重ねの意識とは、私のディフェンス技術においては一回、一回のスパーリング、組手で〝しっかりディフェンスをする〟という単純な意識でした。

 私のディフェンス技術のような老いに反比例する身体機能の向上など、一見まゆつばな詭弁ように思われますが、そこには技術の裏付けとなる具体的な〝意識を積み重ねた経験〟があります。
 その意識を積み重ねた経験を、新極真会徳島西南支部の道場生に説いて行きたいと思いますが、説くだけでなく道場生の目の当たりにも示して行きたいと思います。

 また私のディフェンス技術も、人が人としての全ての機能を低下させ死を迎えるように、いずれは消え去るものです。
 先のブログに書いたように〝無常〟なものですが、無常として消え去るには、まだまだ時間はあると思います。
 「50 代は無論こと 60 代、70 代でも大丈夫なのではないか」と思ったりしますが、そう思うのは阿南道場の稽古でスパーリングに参加する 74 歳の武田指導員の姿を見て思います。

 無常は儚いものですが、無常の中にも可能性や希望は見出すことはできると思います。
 無常の中の可能性や希望、それは人の頑張る姿から感じることが出来るように思います。
 2.1.2023 記

新極真会徳島西南支部は随時入会者を募集しています。
興味のある方はお近くの道場に、お気軽に見学・体験にお越しください。
お問い合わせはホームページより、「逢坂(おおさか)道場」でご検索ください。
<徳島市の道場>
徳島市加茂道場
稽古日…火曜日
稽古場所<加茂名コミュティセンター>
徳島市庄町5丁目48番地の5
少年部クラス…18時30分~19時30分
一般部クラス…19時45分~20時45分
稽古日…金曜日 
稽古場所<加茂コミュニティーセンター>
徳島市北田宮町4丁目6番60号
少年部クラス…18時30分~19時30分
一般部クラス…19時45分~21時15分
<吉野川市鴨島町の道場>
鴨島道場
徳島県吉野川市鴨島町鴨島234<常設道場>
稽古日…水曜日
少年部フィジカルクラス…18 時 20 分~18 時 50 分
少年部クラス 19 時~20 時
一般部クラス…20 時 15 分~21 時 30 分
稽古日…土曜日
少年部アドバンスクラス…15 時 45 分~17 時 15 分
選手クラス ( 小 5 以上 )…17 時 30 分~19 時
一般部クラス…19 時 15 分~20 時 45 分
<美馬市美馬町の道場>
★美馬道場
徳島県美馬市美馬町字大泉51-1
<常設道場・旧重清東小学校>
稽古日…木曜日
少年部クラス…19 時~20 時
一般部クラス…20 時 15 分~21 時 30 分
稽古日…土曜日
合同アドバンスクラス…10 時~11 時 15 分
<阿南市の道場>
★阿南道場
稽古日…月曜日
稽古場所 < 黒津地コニュニティーセンター >
阿南市黒津地町新弥開16-1
合同 1 部クラス…18 時~19 時 15 分
合同 2 部クラス…19 時 30 分~20 時 45 分
アドバンスクラス…21 時~21 時 30 分
稽古日…土曜日
稽古場所 < 阿南市武道館 >
徳島県阿南市大潟町210-56
合同クラス 1 部…18 時~19 時
合同クラス 2 部 ( 選手稽古 )…19 時 15 分~20 時
<三好郡東みよし町の道場>
三加茂道場
三好郡東みよし町加茂西庄  
<三加茂町農業者トレーニングセンター>
稽古日…水曜日・金曜日
合同クラス…19 時 30 分~20 時 30 分
<三好市池田町の道場>
★池田道場
三好市池田町三縄<三縄公民館>
土曜日
合同クラス…19 時 30~20 時 30 分
少年部クラスは小学生以下、一般部クラスは中学生以上、合同クラスは少年部、一般部が対象です。
希望者は小学生でも一般部クラスでの稽古は可能です。