空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

競技における武道とスポーツの違いを認識することのススメ、競技における勝敗への精神修養と精神保養

 一昨日の日曜日 (4/16) は高知市にて、第 40 回全四国空手道選手権大会が開催されました。
 同大会には道場生が選手として、私は審判員として参加させいただきました。

 大会を主催、運営された新極真会高知・愛媛支部長・三好師範、三好道場のスタッフの皆様、素晴らしい大会に参加させていただき誠にありがとうございました。

 新極真会徳島西南支部からは 35 名がエントリー。
 うち組手で、オトちゃんが優勝、ヒナタ君が準優勝、コウダイ君、タイセイ君、トキ君が 3 位。
 型でイマリちゃん、ソウシロウ君、アスマ君が 3 位でした。

 出場した道場生の皆さん、付添いされた保護者の皆様、お疲れさまでした。

 さて私は空手指導者として、現代において混同されている武道とスポーツの違いを打ち出し、世間への武道への理解を深め、武道の素晴らしさの認知拡大を武道としての空手道普及の手段としています。
 武道とスポーツの決定的な違いは、精神性の本質にあることは、これまでのブログで書いてきました。
 精神性の本質の違いのある武道とスポーツですが、共通する部分もあります。

 それは両者とも、肉体 ( フィジカル ) と精神 ( メンタル ) を高めるために、競技を行うことです。

 競技は本来スポーツ特有の、その精神性の本質であるスポーツの技と体力を競うことで楽しむ手段であったように思います。
 武道における技と戦いへの精神の優劣を見極める競技は戦前、戦中、その以前にも行われていましたが、戦後においてそれまでの規模を超えて急速に広まり、戦後における武道の急速な競技化が武道とスポーツが混同される主な原因になったとされています。

 本来、武道の技である武術は死線を制すもので、そのために競技化されにくいものでした。
 時代とともに防具、ルールなどの整備で武術としての武道も競技化が進みましたが、死線を制する技は競技できるものでなく、競技化すれば本来の武術としての技が薄れるとして、今だに競技を否定する武道もありますが、私は武道の競技化は非常に良いものと思っています。

 その理由は武道の心・技・体は形骸化しやすいものであり、また形骸化した武道が権威を持つと虚構な武道として重大な武道の弊害になるゆえ、競技化は武道の心・技・体を競技を持って練り、武道の形骸化、虚構化を防ぐものと思うからです。
 武道の形骸化、虚構化は武道を衰退させるものであり、個人的には断固に防ぐものに思います。

 個人的に武道の衰退防止ために、大いに振興すべきに思う武道の競技化ですが、競技化にあってもスポーツとは違う武道の精神性の本質は認識し、それを守るべきに思います。

 このところのブログでよく書くようにスポーツの精神性の本質は〝楽しむこと〟であり、それは精神保養に思います。
 対して武道の精神性の本質は〝自分を律すること〟〝すべきこと〟であり、それは精神修養です。
 競技においては武道、スポーツ、それぞれの精神性の本質を正して、取り組むべきに思います。
 その取り組み方の一例としては、競技に欠かせない競技の勝敗に対する姿勢があります。

 精神保養を本質とするスポーツにおいての勝敗は、勝利は自分を支えたくれた周囲への感謝と喜びとし、敗北は勝者へのリスペクト、また競技にベストを尽くした自己の充足として、勝っても負けても、自分の心を安んじめるものであるべきに思います。
 スポーツにおける競技の勝敗は、勝者の驕慢、敗者の侮蔑など、プレイヤーの心を乱すものではあってはならないものと思います。

 また精神修養を本質とする武道においては勝敗は、武士道精神が反映しているとされる「勝って奢らず、負けて腐らず」の言葉の通り、勝っても増上慢とならずにさらなる高みを目指し、また負けても自分を卑下せずに次を見据えるといったように、勝っても負けても、その先への経過点にすべきに思います。
 武道における競技の勝敗は、自分の心に停滞をもたらさないものであるべきに思います。
 武道とスポーツ、競技においてもその精神性の本質に違いがあり、その違いを認識すべきに思いますが、違いの中にも共通項があり、その共通項によって両者の良さを互いに取り入れるべきに思います。
 共通項は武道、スポーツともに競技における勝敗を自分の心に反映させることであり、それぞれの良さとは、スポーツは勝っても負けても自分の心を安んじめること、武道は勝っても負けても自分の心を前向きにすることです。

 先般のブログに書いたように武道とスポーツはクロストレーニングすることで、< 武道の国 > 日本のオリジナリティーのある社会体育になると思います。
 クロストレーニングはフィジカル面だけでなく、メンタル面 < 心 > でも両者の良さをクロスさせることが、日本の社会体育としてのオリジナリティーを高めるものに思います。

 一昨日、日曜日の全四国大会、新極真会徳島西南支部の参加選手にも勝者、敗者の明暗が分かれました。
 明暗は光のもとに発生するものですが、勝った道場生は光が届いた自分の心にスポーツにならい周囲への感謝を持ち、また武道としての謙虚さを持って欲しいと思います。

 そして負けた道場生には、心に陰りが差したかもしれませんが、スポーツにならい勝者へのリスペクト、ベストを尽くしたことを自信に思い、武道を志すものとして、心を停滞させずに前向きに、次に向かって欲しいと思います。

 指導者としての私は、明暗が交錯する競技において、勇気を持って挑戦した道場生の皆さんの心を讃えたいと思います。
 また今大会を検証し、検証から得た課題、対策を稽古に反映させ、また次の大会に向かう道場生の皆さんを後押ししたいと思います。

 第 40 回全四国空手道選手権大会、挑戦した新極真会徳島西南支部の道場生の皆さん、よく頑張りました。
 また次に向かって今週から、頑張っていきましょう !!
 4.18.2023 記