一昨日の日曜日 (6/25) は、昇級審査会と支部内強化稽古でした。
昇級審査会は審査として緊張感を持って、そして支部内強化稽古はいつも通りハードに行いました。
さて今読んでいる本によると、ストレスには善玉ストレスと悪玉ストレスがあるそうです。
善玉ストレスと悪玉ストレスについて、同書の原文をそのまま引用 ( 斜体部分 ) させてもらうと以下のとおりです。
私たちはストレスを受けるとストレスホルモンと呼ばれるコルチゾール ( 副腎皮質ホルモンの一つ ) を分泌し、血管を収縮させて血圧を上げたり、体内でグルコース ( 糖 )をつくって血糖値をあげるなどして、ストレスに対応できるように備えます。
これは大切な防御機能ですが、ストレスが慢性化すると、心身にさまざまな悪い影響が出ます。
「こんなんじゃタメだ」と他者からひどく怒られたり、怒られる前から「これでは怒られる」と怖れ、「どうして私はアイディアが浮かばないのか。やはり自分には能力がないのだ」とか「この仕事には向かないんだ」などと考え続けてしまう。
そうやって心身の状態を悪化させてしまうのが悪玉ストレスです。
自己肯定感が弱い人はこうなりやすいと言えます。
これに対し、アドレナリンを出してやる気を出させる善玉ストレスが存在します。
これは他人からでなく「自分から与えたストレス」になります。
たとえば、私が何かの原稿に取り組んでいるとします。
「この文章ではダメだ。もうひとつ何かパンチが欲しい。工夫しなくては」と考えるとき、大量のアドレナリンが出て集中できる。
これは善玉ストレスによるものです。
スポーツなどで言われる「適度な緊張感」がこれに当たります。
引用文によると、善玉ストレスと悪玉ストレスは当人のストレスの受け止め方の違いで明暗が別れ、自ら与え受け止めるストレスは善玉ストレスとなり、他人から与えられ受け止めるストレスは悪玉ストレスになるようです。
引用文から思うに、悪玉ストレスとなる他人から与えられたストレスでも、例えば引用文にあるように〝「こんなんじゃタメだ」と他者からひどく怒られたり〟しても「だったら自分のダメな部分を改めよう」と思えば、悪玉ストレスは善玉ストレスに変えれるように思います。
ストレスは自分の受け止め次第に思います。
空手はストレスを感じやすいものです。
それは特に組手、スパーリング ( 自由に技を攻防させる試合、もしくは試合形式の稽古 ) において顕著です。
我々の空手の組手、スパーリングは実際に技を当てるものです。
技を当てられて「怖い」「痛い」と思い、感じることは誰でもあるもので、それはストレスと言えます。
空手のストレスを悪玉ストレスに感じてしまう人もいると思いますが、本来、空手のストレスは「怖い」「痛い」と思い、感じることを克服する、善玉ストレスでなければなりれません。
空手のストレスが善玉ストレスでなければ、空手の意義はありません。
「悪玉ストレスを感じやすい人は自己肯定感が弱い」と上記引用文にあります。
空手で悪玉ストレスを感じやすい人にも、自己肯定感の弱さを指導者として感じます。
自己肯定感は自己認識から生じるものです。
自己認識は、自分に注意を向けることで生じます。
自己に注意を向ける方法として、以前のブログにも書きましたが、最近読んだ本によると以下の 3 点があります。
1. 他人から見らている事を意識する
2. 自分の姿を鏡で見る事を意識する
3. 自分の声を聞く事を意識する
上記の 3 点は空手においては、組手、スパーリングに至る前の基本、移動、型稽古で意識できるものです。
1 と 2 は教えられた正しい動作が基本、移動、型稽古の各稽古で出来ているかを意識することで、3 は各稽古での気合の発声で意識出来るものであり、それらの意識は各稽古の要諦でもあります。
空手の組手、スパーリングを悪玉ストレスに感じる人は基本、移動、型稽古での要諦が出来ているかを自分で確認し、自分に注意を向けて自己認識を高め、そして自己肯定感を持って欲しいと思います。
新極真会徳島西南支部の昇級審査は基本、移動、型稽古+力量のみの審査である昇級審査に、支部内強化稽古への参加を義務としています。
支部内強化稽古はスパーリングのみの稽古であり、たくさんのスパーリングを行います。
昇級審査で審査員である支部長の私に審査される意識ともに、審査科目が出来ているかどうかを、自分で自分を審査する意識を持てば、自分に注意を払い自己認識を高めることが出来ると思います。
昇級審査の後に自己意識を高めて支部内強化稽古にのぞみ、スパーリングを最後までやりきることが出来れば、自己肯定感を持つことが出来ると思います。
新極真会徳島西南支部の昇級審査会と支部内強化稽古は、善玉ストレスを持つことの出来る良質な機会になるものに思います。
現代社会は〝ストレス社会〟と言われますが、ストレス社会にまつわる悲劇は後を絶ちません。
新極真会徳島西南支部の道場生は、普段の稽古、そして昇級審査、支部内強化稽古で悪玉ストレスを善玉ストレスに変える力を身につけて欲しいと思います。
一昨日の昇級審査、支部内強化稽古に参加した道場生の皆さん、お疲れ様でした。
また保護者の皆様、指導員の皆様もお疲れ様でした。
6.27.2023 記