空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

上虚下実=体幹の使い方

 先週のスパーリングの1 シーン。


内回し蹴り

 相手の前足への下段回し蹴りを足を軽く後ろに引いて躱し、そのまま切り返しのように内回し蹴りを被弾させています。

 足を引いて躱す動作から内回しを被弾させるまでの体幹部分をスローモーションで見てみると、足を引くときに肩が動いたり、内回しを蹴るときに腰をしゃくるように動かしたりしておらず、体幹部分はほとんど動いていません。 

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 道場生にはよく上段を蹴るとき、上半身を動かさないようにと指導しますが、上半身を動かさないとは添付動画のような体幹の使い方を示しています。

 〝使う〟という言葉の語感には〝動かす〟といったニュアンスが強いですが、〝動かさない〟ことも〝使う〟ことになります。

 体幹は無論〝動かす使い方〝もありますが、〝動かさない使い方〟もあります。

 道場生にはその両方を体得して欲しいと思います。

 

 さて、上虚下実といった言葉がありますが、意味は〝上半身の余分な力みが抜けて、丹田に象徴される下半身に力が充実している状態〟といったことです。

 養生法として使われることが多いようですが、武術的に使われることもあり武術的な意味は様々です。

 大雑把な武術的意味合いとしては〝上半身を空虚のように柔らかく使い、下半身を実利的に使う〟といったことで、虚が実を伴い、実が虚を伴うといった虚・実の相互扶助的な意味としても使われます。

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 上半身を虚とすることとは体幹の使い方だと個人的に思いますが、体幹の使い方が養生法、武術的希望である上虚下実のための重要ポイントの一つであるとも思います。

 体幹の使い方を高めるには、体幹を鍛えることが肝心ですが、昨今は色んな体幹強化の方法を情報として得ることが出来ます。

 道場生には、自ら体幹強化を計る意識を高めて欲しいと思います。

 

 昨日の健康観察トレーニン

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 3.20.2021 記