空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

空手の文化的色合いを身にまとい、色彩とすることのススメ、競技を重ねることで身にまとう空手の文化的色合い

 一昨日の月曜日 (2/12・祝日 ) は、第 3 回香川県空手道選手権大会でした。

 大会を主催、運営された新極真会香川中央支部支部長・原内師範、原内道場スタッフの皆様、道場生ともども大会に参加させていただきありがとうございました。

 新極真会徳島西南支部からは 49 名がエントリー。

 錬成・組手部門で
 キイト君、イマリちゃん、イロハちゃん、エイタ君、カジモトさんが優勝、タイト君、オウシロウ君が 2 位。

 選手権・型部門で
 団体型でイマリちゃん、アヤネちゃん、ミオちゃんチームが優勝。

 個人型でイッシンが優勝、カイト君が 2 位、コウダイ君、イロハちゃんが 3 位。
 選手権・組手部門で
 タイシン君が優勝、トキ君が 2 位でした。

 さて先日のブログで、空手は文化であることを書かせてもらいました。
 文化はそれに接する、属する、身に付けるなどする人の心を豊かにするものですが、その豊かさはそれぞれ文化の特徴が映し出す色合いによって印象付けられます。
 徳島の文化として代表的な阿波おどりならば、白地の衣装に用いられているカラフルな様々な色のように、その文化的色合いは〝鮮やか〟〝艶やか〟などの印象をたたえます。

 一方、空手の文化的色合いの印象を考えた時、私は阿波おどりと同じく白地の道着に身に付ける黒帯の漆黒のように〝深み〟が、その 1 つにあげられるように思います。

 空手は文化的特徴の一つとして、型、組手における競技を有します。
 空手競技は型、組手ともに緊張感が伴なうものです。
 型は敵を想定し、想定された敵との闘争での技を演武し、その演武の出来栄えを競う試合です。
 型競技は演武の出来栄え、その内容を競うものですが、我々の空手の型競技における演武ポイントは力強さ、スピード、技の正確性などがあります。

 型競技における演武ポイントは、型が敵との闘争を想定することから、あくまでも実戦をイメージし、そのイメージが演武する動作に反映されなければなりません。
 実戦をイメージした演武ポイントには、当然ながら技をしくじれば身を損なうような、実戦における緊張感が感じられなければ〝武を演じる〟迫真の演武には至りません。
 型競技における演武は迫真か否かが、各演武ポイントの集約された要点になりますが、型競技においては競技者の競技中の所作全てに迫真としての緊張感の表出が必須となります。

 また組手においては、我々の組手競技は実際に突き蹴りを当てるためダイレクトな緊張感がただよいます。

 我々の組手競技は相手をいわゆるノックアウトする一本勝ちが至高の勝利とされ、選手は一本勝ち、対戦相手を倒すことを念頭に競技にのぞみます。
 組手競技においては自分が対戦相手を「倒そう」とのぞむかわりに、相手も自分を「倒そう」とする中で競技します。
 我々の空手の組手競技は「倒そう」とする気迫どうしの交錯の中から緊張感が必然的に生まれますが、その緊張感には「倒される」ことへの不安や恐怖も多分に入り混じり極度的になります。

 緊張感は、心身を不安定に浮き足立たせるものです。
 特に我々の空手競技における緊張感は型、組手ともに心身の浮き足立ち方が著しいものですが、我々の空手競技は心身が浮き立つ緊張感において、いかに自身の心身を沈めるようにコントロールするかが、勝敗の分かれ目の大きな一因となります。
 我々の空手競技に挑む選手は、競技を重ねることで浮き足立つ心身を沈める術 ( すべ ) を身につけていきます。

 競技を重ねることで培われ、当人または周囲の人も感じることのできる選手の心身の〝沈め様〟は、まさに空手の文化的色合いである〝深み〟の選手の心身への反映に思います。
 空手競技で身につけた浮き足立つ心身を沈める術は、人生で出くわす困難においても作用し、困難を乗り越える人間力になると思います。
 そうした時、空手の文化としての色合いは、それを身につけた個人の色彩になると思います。
 空手の競技を重ねていくことは、空手の文化的色合いを身にまとう手段の一つになります。

 競技には勝敗がつきまとい一喜一憂するものですが、勝って奢らず、負けて腐らず競技を重ねてゆくことで空手の文化的色合いである〝深み〟は増していきます。
 そしてその〝深み〟は、漆黒の光沢のような確固たる色彩を放つものに思います。

 一昨日の香川県大会は、新極真会徳島西南支部の 2024 年の初試合でした。
 出場した道場生の皆さん、よく頑張りました !!
 2024 年もたくさんの試合がありますが、道場生の皆さんが重ねる試合経験は皆さんの人としての色彩となるものです。

 今年もたくさんの試合に挑戦して欲しいと思います。
 2024 年も頑張りましょう !!
 保護者の皆様も香川県大会、お疲れ様でした。
 2024 年もお子さんの試合へのご理解、サポートをよろしくお願い致します。

 < ご案内 >【新極真会徳島西南支部、道場生・保護者様対象】
 4/21 ㈰に高知市で開催される第 41 回全四国空手道選手権大会の申込書の配布準備ができております。
 出場希望の道場生は指導員まで申出てください。
 支部内締切…3/6 ㈬

 2.14.2024 記