空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

相手を見ずに打つ、正拳中段突きから練り上がった〝当て勘〟

 下記の添付動画、相手がサイドに回り込みながらフックを打ってくるのを躱しながらストレートを合わしています。


カウンター

 ストレートは自分の真横に打っており、下記の添付画像のとおり相手を見ずに打っています。

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 いわゆる〝当て勘〟でストレートをヒットさせています。

 〝当て勘〟は先天的に備わっている人もいますが、20 代前半の時、バッティングセンターで一度もボールを打てなかった私に先天的な当て勘が備わっているとは考えられません。

 私の感覚的にこの当て勘は、基本稽古の正拳中段突きから練り上がったもののように思います。

 30 年前、本格的に空手を始めた時に最初に教わった正拳中段突き。

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 その時教えられた、突く拳をみぞおちに定めることを素直に繰り返して30 年。

 その反復は当て勘を養い、躱しながら相手を見ずに打つことが出来るようになりました。

 道場生にも、素直に反復を繰り返して欲しいと思います。

 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時)


美馬道場少年部3.4.2021

 一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)


美馬道場一般部3.4.2021

 3.5.2021 記

約束組手、間合いを意識することで日本人的感覚を

 組手で利を得るに、最重要項目のうちの一つと個人的に思うのが〝間合い〟です。

 間合いを練り上げる稽古に約束組手がありますが、約束組手は間合いを注意深く意識するように道場生には常日頃から指導していす。

 間合いの解釈は一般的に距離ですが、間合いはタイミングも表すものでもあり、距離とタイミングを合わせたものが間合いとなります。

 間合いを練り上げる約束組手では仕掛ける側が間合いを作り、返し手がその間合いに合わせて動いて間合いをコントロールする感覚を高め、間合いのコントロールを自由攻防の組手、スパーリングに活かしていかなくてはなりません。

 約束組手においては稽古を成り立ててせるため、まず間合いを作ることが肝心ですが、その点、仕掛ける側が重要になってきます。


受け返し

 仕掛ける前に間を置いて間合いを作り、しっかりと攻撃を相手に届かせるように距離を調整しなければなりません。

 約束組手における間合いがおざなりになっているのが散見されますが、道場生にはしっかり間合いを意識して欲しいと思います。

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 日本人は昔から〝間〟に関する意識が深く、それは間がいい、間が持てない、間が悪い、間を合わせる等の慣用句が日常的に使われていることからも分かります。

 〝間〟は日本人的感覚と言っても過言ではないと思いますが、空手の稽古で日本人的感覚を高めて欲しいと思います。


 昨日の鴨島道場

 ストライクフィットネス(14 時~15 時)


ストライクフィットネス3.3.2021

 少年部1 部(17 時45 分~18 時45 分)


鴨島道場少年部1部3.3.2021

 少年部2 部(19 時~20 時)


鴨島道場少年部2部3.3.2021

 一般部(20 時15 分~21 時)


鴨島道場一般部3.3.2021

 3.4.2021 記

余裕に甘んじて出来た技に満足せず

 有利的にリーチに差がある相手とのスパーリングでは、間合いに余裕が出来て色んな技が自然と出来るようになります。


ショルダーディフェンス

 上記添付動画はボクシングでよく見られる肩を使ったディフェンスですが、私的には平安3 の下記添付の画像挙動。

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 間合いに余裕があるスパーリングを多数こなし型・空手の技を広げて行きたいと思いますが、忘れてはならないと思うことは…

 余裕に甘んじて出来た技に満足せず、その技をリーチ的に不利な相手、間合いに余裕が持てない相手にも使えるようにすることを念頭におき実践すること。

 技は不利、余裕がない状況で使えてこそ本物であるかと。

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 さて昨日は稽古後に、日曜日の徳島錬成大会の映像をいただきました。

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 帰宅後、久しぶりの大会後恒例の映像研究。

 試合での動きに、これまでの稽古は反映しているかと。

 勝利に至らなかった点も映像を注視することで改めて見えてきましたが、試合で稽古が反映した部分に今回の課題を今後の稽古に活かして、次に繋げたいと思います。

 昨日は稽古前に「大会を開いてくれて、ありがとうございました。」と言ってくれた道場生がいましたが、次に向かっての意気も高まります。


 昨日の徳島市加茂道場

 少年部クラス(18 時30 分~19 時30 分)


徳島市加茂道場少年部3.2.2021

 一般部クラス(19 時45 分~21 時)


徳島市加茂道場一般部3.2.2021

 3.3.2021 記

〝フルコンタクト空手を文化として昇華していく〟昇華の意味

 昨日のブログで〝フルコンタクト空手を文化として昇華していく〟と書きましたが、昇華とは心理学的に以下の意味となります。

 〝社会的に実現不可能(反社会的な)な目標・葛藤や満たす事が出来ない欲求から、別のより高度で社会に認められる目標に目を向け、その実現によって自己実現を図ろうとすること〟

 空手の試合の本質は自分がどれだけ強いかを試すために、人を殴ったり、蹴ったりすることを競うものです。

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 単に自分を試すために人を殴ったり、蹴ったりする本質の部分だけを抜き取れば、それは反社会的と言えるものです。

 しかしルールが整備され、礼儀を第一として、修練した技として突き、蹴りを競う空手の試合は、人を殴ったり、蹴ったりすることを反社会的行為とは別次元の精神の格調を高めるものとするものです。

 文化とは精神性に由来する言葉として、利便性を由来とする文明との相違がありますが、フルコンタクト空手の試合はやはり〝フルコンタクト空手を文化として昇華していく〟ものと思います。

 昨日は道場を休みにして、日曜日の徳島錬成大会の残務処理と静養させていただきましたが、SNS を見ているとお子さんの久しぶりの試合、初めての試合を保護者様が投稿されているのを散見しました。

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 お子さん達の頑張りを感じていただいたようですが、改めて徳島錬成大会を開催して良かったと思います。

第16 回徳島県空手道錬成大会、開催に一番悩んだこと

 昨日は第16 回徳島県空手道錬成大会でした。

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 コロナ禍での大会、大会後の2 週間が一番気を揉む期間でもありますが、とりあず大会自体は大過なく終えることが出来ました。

 徳島錬成大会に参加していただいた選手、付添者の皆様、大会にご理解いただいた参加流派の師範、保護者の皆様、誠にありがとうございました。

 ほとんどの選手にとって1 年ぶりとなった試合、選手各人のメンタル・技術・体力、まさに心・技・体が浮き彫りとなる試合は、フルコンタクト空手を文化として昇華していくのに必要不可欠のものと昨日は改めて感じました。

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 フルコンタクト空手の文化としての昇華は、先のブログにも書いたように昨日の試合で得た経験を各選手が次に繋げていくことが一番大事です。

 まだまだコロナ収束の見通しが立たない現状、試合の機会もコロナ前のようには多くはありません。

 そのため今年は徳島錬成大会を9 月にも行う予定です。

 選手の皆さんにおいては、次を見据えて稽古を続けることがフルコンタクト空手の文化を享受するものであり、昨日、勝った人も負けた人も勝敗以上の大きな価値を得るものです。

 昨日、第16 回徳島錬成大会に出場した選手、また都合で出場出来なかった選手も次に向かって頑張っていただきたいと思います。

 

 さてコロナ禍の今大会、幸いにも開催日は感染が落ち着いてきた状況ではありましたが、選手募集の期間は感染が拡大しており色々と悩むこともありました。

 一番の悩んんだことは、審判、スタッフのお願いでしたが、裏方となる審判、スタッフにコロナのリスクを負わしてよいものかどうかは悩みました。

 審判、スタッフをお願いする皆さんに色々とご意見を聞き、肯定的にお応えくださるのに実施に踏み切りましたが、今大会にご協力いただいた審判、スタッフの皆さんには感謝の念が絶えません。

 また皆さん率先して動いていただき、大会進行は非常にスムーズでした。

 審判、スタッフの皆さん、誠にありがとうございました。

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 選手の皆さんには、裏方としての審判、スタッフの皆さんの存在を意識して欲しいと思いますが、裏方の存在に感謝することもフルコンタクト空手の文化の享受となるものです。

後ろ蹴り、誰でもしている〝縮地〟

 後ろ蹴りは体の回転を利用して、離れた距離から技を仕掛けられる技です。


後ろ蹴り

 上記の添付動画では、相手の突きが届かない遠い距離から、体の回転を起こす動作とともに軸足を前方にステップさせて 距離を詰め、回転とともに軸足をスライドさせてさらに距離を詰めて後ろ蹴りを被弾させています。

 武術に〝縮地〟という技術があります。

 技術の用法は色んな方が解釈されて様々ですが、〝縮地〟の概念は相手に悟られないよう距離を詰める、もしくは瞬間移動 のように一気に距離を詰めるといったものです。

 その概念に照らし合わせれば、遠い距離からの後ろ蹴りは〝縮地〟であると個人的に思います。

 後ろ蹴りによる縮地は、後ろ蹴りが使える人であれば誰でも行っているものです。

 組手、もしくはスパーリングの自由攻防の駆け引きの中で後ろ蹴りを使おうとすれば、特別に教えられなくても〝縮地〟 は自然発生するものと思います。

 縮地が神秘的な技法のように喧伝されるの見たりしますが、縮地に限らず本来、技というものはその技が本当に使える技 であるのならば、その技そのものの、もしくはそれに類するものは自由攻防の組手、スパーリングで自然発生するものと個 人的に思います。

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 自由攻防の組手、スパーリングをする人で、神秘的に喧伝される技法を知らずに使っている人は多いと思います。

 自由攻防の組手、スパーリングで見られる秀でた技は、必ず武術的技法に繋がると思いますが、その繋がりを個人的に研 究していきたいと思います。

 

 さて、次の日曜日(2/28) は徳島錬成大会です。

 選手の皆さんの健闘を祈ります。

 徳島錬成大会に伴い、前日の土曜日の鴨島道場は準備のために、翌日の美馬道場は残務処理のためお休みです。

 道場生、保護者の皆様、よろしくお願い致します。

 また例年、徳島錬成大会の前日は会場設営を行っており道場生、保護者様にご協力をいただいておりますが、今回は前日 の会場設営は行わず当日設営で、前日準備は前川師範と二人で行います。

 例年より、大会規模が小さいため十分間に合いますが、前日設営の問い合わせを数件いただきました。

 大会を気にかけてくださり、とても有り難がったですが、お気持ちに応えるようにしっかり運営していきたいと思います。

 

 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時)


美馬道場少年部2.25.2021

 一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)


美馬道場一般部2.25.2021

 2.26.2021 記

突き、二次元的位置を三次元的位置に広げる空間認識能力

 最近の基本稽古では正拳中段突きの拳の位置を、しっかり自分のみぞおちの位置に定めること強調して指導しています。

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 みぞおちは自分の体の急所であり、体幹の表面上の二次元的な位置です。

 体幹表面から拳を前方へと押し出す形となる突きをみぞおちの位置、正確にはみぞおちの延長上に置くことは二次元の位置を三次元の位置に広げる空間認識力となります。

 突きをみぞおちに置くことの強調は、手のコントロールによって集中力を高める意味もありますが、空間認識能力を高める意味もあります。

 人の運動は空間において行われるものですが、空間認識能力は運動能力を大きく作用するものと個人的に思います。

 トレーニングには筋力を高めるフィジカルトレーニングと運動能力の高めることにフォーカスしたファンクショナルトレーニングという概念があります。

 空手の基本稽古、移動稽古、型稽古は空間認識能力の向上等、ほかにも諸々の運動能力の高めるファンクショナルトレーニングに適したものと思います。

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 空間認識能力のように基本稽古、移動稽古、型稽古におけるファンクショナルトレーニング的意味合いを研究し、道場生に指導していきたいと思います。


 昨日の鴨島道場

 少年部1 部(17 時45 分~18 時45 分)


鴨島道場少年部1部2.24.2021

 少年部2 部(19 時~20 時)


鴨島道場少年部2部2.24.2021

 一般部(20 時15 分~21 時)


鴨島道場一般部2.24.2021

 2.25.2021 記