空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

子ども達への躾、体を通しての心の躾

 少年部道場生の入会理由に、空手での子ども達への躾が挙げられるのをよく見受けます。

 躾とは、調べると「人間社会・集団の規範、規律や礼儀作法など慣習に合った立ち振る舞い(規範の内面化)ができるように、訓練すること。 概念的には伝統的な子供への誉め方や罰し方も含む。」とあります。

 個人的に子ども達への躾は、基本的に親が行うべきと思います。

 親の躾が親子のコミュニケーションとなり、それは良い親子関係を築く中で、とても大切なことのように思います。

 家庭での躾が第一義ですが、空手道場での少年部指導は躾を含む部分もあります。

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 それは組手で体感する自分より弱い人への接し方など、通常の社会生活では体験できない武道価値観の伴う躾であり、武道的価値観の躾は家庭での躾の補助に大いに役立つものと思います。

 躾は心への作用ですが、私は空手での躾は体への作用から心の作用を呼び起こすように指導しています。

 体を通しての心の躾。

 その指導の一つとして、私は動きをしっかり止めることを重視しています。

 例えば稽古で頻繁に行う用意の号令での十字を切る動作、十字を切った後は動かないように口うるさく指導します。

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 特に十字を切る動作で動きをしっかり止めることは、心を静める作用が高いように思います。

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 静かな心であることが、色んな大切な事を吸収する下地となり、それは躾の根幹にもなると思います。

 子ども達への体を通しての心の躾、空手の稽古では色んな形で指導できると思いますが、掘り下げて行きたいと思います。

 

 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時)

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 一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)

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 8.2.2021 記

空手の試合は胸が熱くなる、やはり〝ええもの〟です。

 昨日の日曜日は全中国錬成大会でした。

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 まずは大会を開催していただいた、井上師範、石原師範、岡山北道場、岡山東支部スタッフの皆様、素晴らしい大会をありがとうございました。

 さて徳島西南支部からは6 名が出場。

 ミツキちゃんが型で優勝、組手で3 位、ハルキ君が型で3 位、タイセイ君が組手で3 位、トキ君が組手2 位、ハルト君が敢闘賞でした。

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 試合での明暗はそれぞれにありましたが、いつも通り全員がよく頑張りました。

 コロナ禍により以前のように稽古が出来る、そして試合が出来る日常が奪われ1 年半が経過しようとしています。

 この間コロナ禍で稽古が出来る、試合が出来ることを最優先とし、その結果は正直、二の次としていたことは否めません。

 稽古、試合は目先の結果のみに固執していては、空手を通じて得られる人生に反映する大きな結果が得られないと思う個人的な空手観に変わりはありませんが、やはり、まずは目先の結果を通過点としての目標としなければならないことを今回の大会で改めて感じました。

 目先の結果への固執より、結果を通過点としての目標に。

 今後コロナ禍でも結果を視野に入れて、選手クラスの稽古内容を見直していこうと思います。

 昨日の大会中「やっばり試合は、ええわぁ」と口にする、他支部の保護者様の会話が耳に入ってきました。

 コロナ感染が拡大していますが、この1 年半で対策の要点は見えてきたように思います。

 対策には決して気を緩めず、結果を目標とする稽古を選手クラスで行って行きたいと思います。

 感染対策は各々の意識の問題に追うところが大きいものです。

 空手の試合を良いものと感じていただける保護者の皆様、道場生は空手の試合、そして試合のための稽古を守ろうする意識を持っていただけると思います。

 その意識はコロナ感染対策への意識になるものと思います。

 ますますコロナ禍に振り回される世相となってますが、前に進んで行こうと思います。

 昨日試合に参加道場生の皆んな、お疲れ様でした。

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 よく頑張りました。

 保護者の皆様もお疲れ様でした。

 

 さて、その目標、10 月24 日に延期開催される第17 回徳島錬成大会の申込書を本日より西南支部内で配布を開始し、徳島県内の諸流派様に発送いたします。

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 今大会は参加案内を新極真会四国各支部徳島県内の諸流派様に限定し、最大限のコロナ対策を講じます。

 今大会は組手はもちろんのこと、型・団体型も行います。

 空手を愛する皆様のご参加を募りたいと思いますが、西南支部道場生にも参加できる人は積極的に参加して欲しいと思います。

 空手の試合は胸が熱くなる、やはり〝ええもの〟です。

 8.2.2021 記

中高年世代の方へのスパーリング〝やわらかカラテ〟

 毎週金曜日は、カルチャーセンター徳島さんでの〝やわらかカラテ〟。

 中高年世代向きの健康講座ですが、本格的な空手を〝やわらかく〟練習し、健康寿命を高めることをコンセプトとしています。

 講座では基本、移動稽古、そしてミット打ち、

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 また受け返しを行い、


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 そしてスパーリングも行っています。


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 スパーリングは安全に行っていますが、安全なスパーリングは秀逸なフィットネスと思うところで、広く普及したいとかねがね思っています。

 秀逸なフィットネスと思う理由は、高い集中力の元に行う全身運動であるからです。

 スパーリングは人と対峙する性質から、安全・安心の意識はあっても軽い緊張感を伴い、どの世代の方においても自然と高い集中力を引き出すエクササイズであると思います。

 〝やわらかカラテ〟の皆さんも真剣そのもので、繰り出すパンチも鋭さを増してきており、その鋭さが健康寿命に反映しているように思います。

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 パーソナル空手エクササイズの〝ストライクフィットネス〟同様、〝やわらかカラテ〟でも空手の健康寿命への効果を模索していますが、吟味を重ね講座内容を充実させて行きたいと思います。

 

 昨日の徳島市加茂道場

 少年部クラス(18 時30 分~21 時30 分)

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 一般部クラス(20 時45 分~21 時)

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 7.31.2021 記

暑さが厳しい時期の〝かっちりとした稽古〟

 道場生、特に少年部には〝かっちりとした稽古〟を指導するように心掛けています。

 子ども達が空手を学ぶ意義の一つに人格の土台作りがあると思いますが、土台はしっかりと引き締まったものであるべきと思います。

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 色んな事に対応出来る柔軟性も人格には必要と思いますが、柔軟性の土台として緩みのない根っこは必要に思います。

 揺るがない根っこを持たない柔軟性は、節操のなさのように個人的に思います。

 具体的な〝かっちりとした稽古〟としては、子ども達の集中力を高めることを第一義としています。

 集中力を高める方法としては、稽古で行うことの説明を聞き、説明された通りに稽古を行う、人の話を聞く事を手段としています。

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 暑さで気が緩みがちなこの時期の稽古、暑さの危険性は無視してはいけませんが、簡単に暑さに屈してはいけないようにも個人的に思います。

 暑さへの耐性を養うことも、ゆるがない人格の根っこを培うことに通じるかと。

 

 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時)

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 一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)

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 7.30.2021 記

ディフェンスの差がもたらすもの…

 昨日の鴨島道場、一般部クラスでの受け返し。


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 下段回し蹴りへの反応が遅れたとして、直撃を回避するために被弾する寸前に足を捻りダメージを軽減させワンツースリーの返し、追撃の下段回し蹴りはステップで躱し、ワンツースリーから膝蹴りの返し。

 組手で相手の攻撃はもらわないことは、鉄則として道場生に指導しています。

 しかし現実的に、全ての攻撃をディフェンスすることは不可能に近いものです。

 不可能だからといって攻撃をもらわない原則を諦めるのではなく、原則への最大限の努力はすべきです。

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 被弾直前の直撃回避はその最大限の努力に類するものですが、最大限の努力を技術として身に付けることは、原則の範囲を広げるものです。

 指導でのディフェンス意識の喚起に比べ、まだまだ道場生へのその意識の浸透は薄いものですが、根気よく道場生のディフェンスワーク向上に努めて行きたいと思います。

 組手はディフェンスの差が、将来的な組手力の差となり、生涯武道としての空手の意義の差になるように個人的に思います。

 

 昨日の鴨島道場

 少年部クラス1 部(17 時45 分~18 時45 分)

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 少年部クラス2 部(19 時~20 時)

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 一般部クラス(20 時15 分~21 時30 分)

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 7.29.2021 記

ファンクショナルトレーニングの5 大原則に適う、空手の型稽古

 私がブログでよく引用するトレーニングの概念に、ファンクショナルトレーニングというものがあります。 

 意味は大まかに〝運動機能を高めるトレーニング〟という意味ですが、かねがねブログで書いているように空手の稽古で行う基本、移動、型稽古は、ファンクショナルトレーニングであると私は思っています。

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 ファンクショナルトレーニングについて久しぶりに調べてみると、〝ファンクショナルトレーニングの5 大原則〟と題する興味深いネット記事に行き当たりました。

 その5 大原則とは以下の通り。

 1. 重力を利用する(Gravity)
 2. 共同(Integrate)と分離(Dissociate)
 3. キネティックチェーン(kinetic Chain)
 4.3 面運動(3Dimension Movement Pattern)
 5. 力の吸収(Loading)と力の発揮(Unloading)


 原則の項目だけではピンと来ないと思いますが、記事に詳細が載ってあるので興味のある方は読んでいただきたいと思います。

www.fitnessclub.jp

 この記事を読んでつくづく基本、移動、型稽古がファンクショナルトレーニングに適うように個人的に思います。

 基本、移動稽古は型稽古からの抜粋ですが、型稽古は特に前述の5 大原則を全て網羅する、非常に優れたファンクショナルトレーニングと思います。


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 ファンクショナルトレーニングは競技のパフォマーンスを高めるだけでなく、日常動作の機能性も高めるものとされていますが、空手の型を稽古することは、快適に日常生活を送る健康寿命に大きく関与するものと思います。

 ただし型は、各動作の〝形〟の正確性を踏襲しないと、ファンクショナルトレーニングとしての効果はありません。

 〝形〟の正確性は、型の目的である組手での実用性から引き出せるものであり、新たな正確性の発見も組手から見出せるものです。

 正確な型の〝形〟の考察に努め、道場生に伝えて行きたいと思います。

 

 昨日の徳島市加茂道場

 少年部クラス(18 時30 分~19 時30 分)

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 一般部クラス(19 時45 分~21 時)

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 7.28.2021 記

〝千日をもって初心とし、万日をもって極みとする〟、万日を経て思うこと

 先日のスパーリング、 


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 上段逆突きのモーションを読まれてサイドに回避されるところを、突きの軌道を修正して着弾。

 モーションを起こしてからの軌道修正ですが、コンマ以下の刹那の瞬間に、こういった反応が出来た自分に少しびっくりしました。

 そして49 歳でも、こういった反応が出来ることを嬉しく思いました。

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 驚きと嬉しさの後に、冷静にコンマ以下の軌道修正を検証するに、その背景には白帯時代に基本稽古で指導された、正拳中段突きを鳩尾に打つなどのことを忠実に守り、突き蹴りのコントロールの意識を練った自身の姿が浮かび上がります。

〝千日( 約3 年) をもって初心とし、万日( 約30 年) をもって極みとする〟という言葉があります。

 我々の空手の流派名である〝極真〟の語源といわれる言葉です。

 私は本格的に空手を始めて、今年で30 年になります。

 極みに立ったなどと思っていませんが、ただ万日を経て言えることがあります。

 それは〝千日の初心は、万日の技になる〟ということです。

 初心の忠実さは、素直さです。

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 30 年も空手を続ける道場生は、なかなかいないと思いますが、今、道場生の素直さを引き出すことが、30 年後の道場生の人生に良い影響を与えるものとして指導していきたいと思います。

 

 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時)

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 一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)

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 7.27.2021 記