空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

雑巾とスパーリング、心を浄める手段

 手前味噌ながら、思春期になっても空手を頑張っているうちの道場生は、皆んな素直でスレていません。
 私の秘かな自慢だったりします。
 以前、私が一番感化された方が「雑巾を絞るようにスパーリングを続けなければならない」と仰っていました。
 雑巾は絞り続けなければ使えなくなりますが、スパーリングもやり続けなければ出来なくなる、という教えです。

 雑巾は、本質として〝浄める〟物資です。

 昨日の道場生のスパーリングを見ていて、雑巾をスパーリングに例えた訓話がふとっ頭をよぎり、激しくもコントロールされたスパーリングを頑張り続けるから、うちの道場生は素直でスレていないように思いました。


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 老若を問わず幾つであっても人は、人に交わると世俗的な心の垢が多少なりとも着くものです。
 心の垢は時として人格を蝕むこともありますが、心の垢を浄める手段を持つ人は、その手段で垢を落とすことで人格が磨かれるものと思います。

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 空手、特に正しいやり方の組手・スパーリングは心の垢を浄めるものと思います。
 思春期で空手を頑張っているうちの道場生、彼らの大人なった姿が楽しみです。

 昨日の鴨島道場
 少年部クラス 1 部 (17 時 45 分~18 時 45 分 )

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 少年部クラス 2 部 (19 時~20 時 )

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 一般部クラス (20 時 15 分~21 時 30 分 )

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 10.7.2021 

メンタルトレーニングとして、心映えが映える〝きびきび〟とした型

 我々の空手の型稽古は、全体の動作を 20~50 の号令で区切る方法と最初の「始め」の号令で全部の動作を行う方法があります。


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 私は号令の方法を重視しますが、それは号令が動作を区切ることで、動作のコントロールを高めるからです。
 区切ることとは〝止める〟ことですが、動作のコントロールとは動作を止めることにあると私は思います。
 動作は連動によって動きのパフォーマンスとなりますが、動作の連動は動作の止めをスムーズに繋げていくことが、パフォーマンスの質になると思います。
 道場生の動作の止めを如何に高めるかについては、常に思案するところですが、道場生の型の見た目の印象を〝きびきび〟としたものにすることが動作の止めを高めることとしています。
 型は〝きびきび〟と、しっかり指導して行きたいと思います。

 とろこで〝きびきび〟の漢字が気になり調べて見ましたが、漢字表記は〝気味気味〟となるそうです。
 気味は気配や傾向、そして心持ちの意味ですが、〝きびきび〟には道場生の心持ち、心映えが映えるものです。

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 昨日のブログにも書きましたが、フィジカルトレーニングはメンタルトレーニングにもなります。
 〝きびきび〟とした型で、道場生のメンタルも高めて行きたいと思います。

 昨日の徳島市加茂道場
 少年部クラス (18 時 30 分~19 時 30 分 )

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 一般部クラス (19 時 45 分~21 時 )

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 10.6.2021 記

基本稽古の三戦立ちは、メンタルトレーニングの基本

 我々の空手の基本稽古で行う三戦 ( サンチン ) 立ち

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 手技で行う基本稽古は、ほとんどこの立ち方で行います。
 私はこの立ち方を重視し、稽古中に道場生が立ち方の形を崩すと、細かく注意します。
 重視する理由は三戦立ちのそのものの効能よりも、道場生の足元のコントロールを高めるためです。

 長年の空手経験から、人のメンタルは足元に現れるように思います。
 恐怖や緊張感を覚えると足が震えたりするのはその一例ですが、足元に現れるメンタル面は幅広く、足元がしっかりコントロール出来ている道場生は稽古に対する集中力も高いものです。
 足元をしっかりコントロールすることを身につけることは、逆の作用としてメンタルを幅広く高めるものと思います。

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 基本稽古の三戦立ちは〝足を締め、しっかり固定する形〟となりますが、足を締めることは気持ちを引き締め、しっかり固定することは気持ちを落ち着かせる作用があると思います。
 空手を学ぶ理由をメンタルに求める人は多いと思いますが、空手の場合、稽古そのものにメンタルトレーニングが含まれ、それは多岐に及びます。
 三戦立ちはメンタルトレーニングの基本でもありますが、道場生にはしっかりとした三戦立ちを身に付けて欲しいと思います。

 昨日の美馬道場
 少年部クラス (19 時~20 時 )

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 一般部クラス (20 時 15 分~21 時 15 分 )

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 10.5.2021 記

 “No pain, no gain” 、一週間の疲労に耐えた左クロス

 先週は疲労を感じ、体調全般がずっと不調でした。
 身体の疲労で気分も重く、身体を動かすこと自体に疲れを感じていました。
 現役時代は疲れは稽古の証とポジティブに思えましたが、現役時代ほど稽古をしていない今、疲れには単に自身の〝老い〟を感じ、寂寥感すら覚えます。

 内心ネガティブな気分で迎えた一週間の締めくくりの居残りスパーリング、いつもより集中力を欠いたままこなしていましたが、「これでは駄目だ」と思い、「ラストセットくらいは無理やりでも集中力を高めよう」とのぞみ、ふとっ、サウスポーを思いつきました。


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 居残り稽古のスパーリング形式で、今までサウスポーで構えたことなどありませんでしたが、初めてサウスポーで対峙すること数秒、追い突きに逆突きを合わせることができました。
 ボクシングでいう左クロスですが、初めてのサウスポーでいきなり出来た自分にちょっとびっくりしました。
 付け焼き刃だけに突きは浅かったですが、その反省として「この技を練り上げよう」とスパーリングの直後から思い立ち、その頃には一週間に渡った疲れの寂寥感を忘れていました。

 “No pain, no gain” 、「痛みなくして得るものなし」「苦労なくして利益なし」
 この言葉は〝耐える〟ことの大切さを物語っていると思います。
 先週一週間の疲れ、寂寥感に耐えた代償が、左クロスだったように私には思えました。

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 人には耐えるれることと、耐えれないことがあります。
 私は耐えれないことには耐える必要はないと思いますが、耐えれることには耐え、また自分の耐えれることを見つけることは、自分の宝になると思います。
 私にとって空手は耐えれることですが、空手がネガティブな自分をポジティブに変えてくれます。
 左クロス、練り上げて行きたいと思います。

 

 さて昨日 (10/3) は、10/24 に行われる徳島錬成大会の第 2 次会議でした。

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 今回は前川師範と西南支部の黒帯、指導員の皆さんに参加いただきました。
 会議の大半はトーメントの編成作業でしたが、長時間に渡って作業に従事していただいた昨日の参加の皆さんありがとうございました。
 これからのトーナメント作成は私個人の仕事なり、この一週間は忙しくなりますが、大会準備も頑張りたいと思います。

 

 土曜日の鴨島道場
 選手クラス 1 部 (15 時~16 時 )

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 少年部クラス (16 時 15 分~17 時 15 分 )

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 選手クラス 2 部 (17 時 30 分~19 時 )

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 一般部クラス (19 時 15 分~20 時 30 分 )

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 居残り稽古 (21 時~21 時 30 分 )

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 10.4.2021 

突きをギリギリで躱す感覚が、突きを効かせる感覚と同じように面白い

 最近の居残りスパーリングでは、なるべくバックステップで突きを躱さず、ボクシングでいうダッキングや足を止めてのスウェー、頭を前後に降って躱すようにしています。


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 バックステップで躱すよりも、ダッキングや足を止めてのスウェーで躱す方が難しく、自分の反応・反射能力を一段と高めるために、難しい躱し方にトライしています。

 またリーチ差のある道場生とのスパーリングでは、足を使って後ろに下がるバックステップを使うとリーチ差が自分に有利に働きます。

 それに対し相手が前に出て来るのをなるべく下がらずに躱すことは、相手の懐に入ることになりますが、自分よりリーチの短い相手の懐に入ることは相手にとって有利となります。

 スパーリングで自分に有利な条件を捨て、難しいことにトライする。

 「稽古は難しく」道場生によく言う言葉です。

 率先垂範をはばかりながら。

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 自ら範を示そうとするのは道場生のためが半分、そして自分のためが半分ですが、最近、突きをギリギリで躱す感覚が、突きを効かせる感覚同等に面白く思ったりします。


 さて8 月の新型コロナ感染者急増により施設が使えず、1 ヶ月以上休講していた徳島市加茂道場の稽古が昨日より再開。

 少年部クラス(18 時30 分~19 時30 分)

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 一般部クラス(19 時45 分~21 時)

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 金曜日の徳島市加茂道場の稽古場所は広くて好きですが、もう施設閉鎖にならないように願うばかりです。

 

 昨日の青柳さんでのランチ

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 ぶりの刺身& アジフライ定食( ご飯大盛り)

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 完食でした。

 10.2.2021 記

動きを速める方法、動作のコンパクト化

 昨日の鴨島道場一般部クラスの受け返し。


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 相手のワンツーローをその場で受けワンツースリーの返し、追撃の相手の返しの内股をステップで躱し、ワンツースリーローの返し。


 組手・スパーリングでは〝速く動く〟ことが求められますが、速く動くためには突きや蹴りやステップ、動きそのものを速くする方法ともう一つの方法があります。

 その方法とは余計な動きを削り、動きをコンパクトにすることです。

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 例えば上記の受け返しを例に挙げると、相手の内股をステップで躱す動作において、ステップを90 度で回り込むのと45 度で回り込むのでは、ステップによる移動距離に差が生じ、移動距離の短い45 度のステップの方が必然的に動きは速まります。


 シニア世代の方が、中高生などの若い世代とのスパーリングで動きについていけない、との声はフルコンタクト空手界全体でよく聞くことです。


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 余計な動作を省き、動きのコンパクト化をはかることはシニア世代の若者対策となります。

 受け返しの稽古効能としては、相手とのタイミング、呼吸、総じて間合い感覚を身につけることが主となりますが、間合い感覚の習得に付随して動きのコンパクト化もはかることが出来ます。

 シニア道場生の方達には、受け返しに細心の注意を払い動きを練り上げて欲しいと思います。

 

 <支部内連絡>

 新型コロナへの徳島アラートの引き上げにより、8月より続いた徳島市加茂道場、阿南道場、阿南東道場、三加茂道場の休講、時短、稽古場所の変更は明日(10/1)から解除となります。

 明日から各道場通常どおり稽古が行われますので、道場生、保護者の皆様よろしくお願い致します。

 

 昨日の鴨島道場の稽古

 少年部クラス1 部(17 時45 分~18 時45 分)

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 少年部クラス2 部(19 時~20 時)

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 一般部クラス(20 時15 分~21 時30 分)

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 9.30.2021 記

ジャブを強く打つためのコツは、全ての突きを強く打つコツとなる

 昨日の徳島市加茂道場一般部クラスのミット稽古、突きの指示ミット。


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 持ち手から指示された突きを打ち込んで行きますが、突きの指示は追い突きはジャブ、逆突きはストレートと指示しやすくボクシング風に。

 

 道場生の指示ミットの持つと、ジャブが弱い道場生が散見されます。

 ジャブは力を入れるための反動もしくは力のタメが取りにくく、無理に力の入ったジャブを打とうとすればモーションが大きくなりジャブの特性が失われるため難しい突きです。

 ジャブが総じて弱いのは無理も無いところもありますが、私はジャブを強くすることを昔から心掛けてきました。

 ジャブを強く打つためにはフォームも工夫してきましたが、その工夫は大まかなところでノーモーションでの瞬発力を高め、初動を最大限に速く、そして体重を乗せて打つフォームへと整っていきました。

 工夫を重ねて行くうちに、高名な方のフォーム、古流の空手のフォームと共通点があることが分かりましたが、ジャブを強く打つためのフォームは他の突き、ストレートやアッパーなどを強く打つフォームにも通じることが分かりました。

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 道場生にもジャブを強く打つ意識を高めて欲しいと思いますが、空手では一つの難しい技に取り組むことで、他の技の威力・精度も高めることが出来ます。

 難しいことは一朝一夕では出来ないものですが、コツコツと取り組んで欲しいと思います。


 昨日の徳島市加茂道場の稽古

 少年部クラス(18 時30 分~19 時30 分)

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 一般部クラス(19 時45 分~21 時)

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 9.29.2021 記