先週の日曜日 (3/10)、国立代々木競技場・第一体育館 ( 東京都 ) にて、第 3 回 JFKO 全日本青少年フルコンタクト空手道選手権大会が開催されました。
私は審判員として参加させていただきましたが、JFKO 緑理事長をはじめとする開催・運営に当たられた関係者の皆様、素晴らしい大会に参加させていただきありがとうございました。
徳島西南支部からはタイセイ君が選手として出場、残念ながら 2 回戦敗退でした。
相当悔しかったようですが、今回の敗戦を受け止め、悔しさをバネに次戦にのぞんで欲しいと思います。
タイセイ君、JFKO 全日本青少年大会、よく頑張りました。
保護者様も、サポートお疲れさまでした。
さて、私には物事の由来にこだわる癖があります。
由来には物事の本質があり、由来を知ることで物事の本質を見据えることが、私が由来にこだわる癖の根本ですが、その点については良い癖だと思います。
しかし古い由来には、現代においては由来にまつわる本質が薄れている物事もあります。
物事には昔の由来にまつわる本質が薄れても、物事における現代の価値は影響を受けないことが多々あります。
そういった実状からは物事の由来にこだわる私の癖は偏執的であり、由来に依った物事への言動はうざったく悪い癖のようにも思います。
自分の癖の良し悪しを念頭に置きながら、物事の由来には関心を持ち続けようと思いますが、さて〝道場〟という言葉、現代では「武道の稽古場」との認識が一般的に思います。
しかし道場の由来は、本来、仏教用語であり、仏道修行の場を示したものです。
私は信仰心の薄い人間で宗教に関しては無知ですが、仏教の開祖である釈迦や釈迦の教義への信仰を深めることが仏道修行のように思います。
武道を修練する道場は、信仰心を深める仏道修行の場としての道場をなぞらえて転用したようですが、本来、仏教の信仰の場である道場を武道の修練の場に転用したことは、武道振興において卓抜な手段になったと思います。
武道が道場を転用し得たのは、振興手段の卓抜さによるものだけでなく、武道に何かしらへの信仰の下地が存在するためとも思います。
個人的に武道においては、信仰心はとても大切になるものと思います。
それは武道の信仰心は、その深さが修練者の業法の深さにもなり得る一面があるからです。
しかし武道における信仰心は、その対象や捉え方には重々なる注意が必要であり、注意を誤れば逆に武道の信仰心は、業法を深める修練の仇になるように思います。
武道には様々なジャンルがありますが、そのジャンルは流派などにも色分けされます。
武道の流派は、その流派を創始した流祖の〝技術体系〟と〝技術への思考体系〟が流派としてのカラーになります。
武道の流派における〝流祖〟は、宗教においては〝開祖〟。
流祖の〝技術体系と技術への思考体系〟は、宗教においては〝教義〟に相当するものと思います。
武道の信仰の対象や信仰心で捉えるべきは、宗教の教義に相当する流祖の技術体系と技術への思考体系であるべきに私は思います。
そして信仰の注意として誤ってはいけないことは、道場における指導者個人を信仰の対象とすることだと思います。
武道の指導者にあっては、自らへの信仰心を巧みに煽って自らを権威化し、指導下にある人を権威的に利用する人も時折見受けられます。
武道の指導者が自らへの信仰心を煽り、自らを権威化すると、その流派の流祖からなる信仰すべき技術体系と技術への思考体系は消失し、そしてその流派の人間関係はいびつなものになるように私は思います。
我々の空手、我々の流派が信仰すべき技術体系は、技を直接当てる〝直接打撃 ( フルコンタクト )〟であり、そして信仰心で捉えるべき技術への思考体系は、流派名に冠した〝真 ( まこと ) を極める〟ことであるように個人的に思います。
我々の空手の創始者は「実践なくば証明されず、証明なくば信用されない。」といった言葉を遺されました。
「実践なくば」の言葉には〝直接打撃〟の寓意があり、「証明なくば信用されない」の〝証明〟とは〝真〟であり、人間関係で最も大切なことの一つである信用は〝証明される真〟から成り立つことを説いているように、私は流祖の言葉を理解しています。
我々の空手の技術体系と技術への思考体系は、シンプルに「口であれこれ言わず、実際にやってみろ」といった要旨に集約されると思います。
私は、このシンプルで明快な技術体系と技術への思考体系が、大好きであり、自らの流派の誇りに思います。
私は空手道場の指導者ですが、自らの空手の流派の技術体系と技術への思考体系を自らが信仰し、道場の由来に則した空手の道場としての意義を示して行きたいと思います。
< ご案内 >【新極真会徳島西南支部、道場生・保護者様対象】
今週、以下の道場の稽古はお休みとなります。
ご確認ください。
美馬道場…3/14 ㈭・3/16 ㈯
徳島市加茂道場…3/15 ㈮
鴨島道場…3/16 ㈯
3.12.2024 記