空手のススメ、徳島の田舎道場から

written by 逢坂祐一郎(新極真会 第8回世界大会 2位)

上段への初被弾〝逆卒業証書〟

 先週のスパーリングの1 シーン、上段前蹴りの被弾。


上段前蹴り

 普段のスパーリングでも、よく上段前蹴りを使う彼女ですが、普段は前蹴りの起り( モーション) の時点で下段払いでカットしてます。

 しかし今回は、打ち回し蹴り気味に前蹴りを仕掛け蹴りの軌道を変えてきましたが、その軌道の変化にまんまと引っかかり被弾。

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 恐らくはとっさの閃きで軌道を変えたものと思いますが、組手の刹那の瞬間にとっさの閃きで技を仕掛けるのは組手の華である上段系の蹴り技での技あり、一本に繋がります。

 スパーリングで閃きの感覚を練り上げ、試合で技あり、一本を量産して欲しいと思います。

 

 ところで今週、小学校を卒業した彼女、道場でも少年部を卒業し名実ともに一般部編入となります。

 今回の上段被弾は彼女に許した上段への初被弾となりましたが、奇しくも少年部卒業の〝逆卒業証書〟になったかと。

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 逆卒業証書を胸に華のある一般部としての彼女を指導していきたいと思います。

 

 昨日の健康観察トレーニング。

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 3.18.2021 記

顔面パンチあり・なしのスパーリングは基本的に同じ

 先々週のスパーリングの1 シーン。


手差しハイ

 私の牽制の追い突きを捌き、逆突きを返しながら上段回し蹴りまで繋げる道場生。

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 返しの逆突きは反応できましたが、上段回し蹴りは気づけば背足が顔の前にあり、返しの逆突きを躱した時点で追撃を警戒してバックステップしていなければ被弾していたと思います。

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 スリリングなコンビネーションでした。

 私は顔面パンチのないフルコンスパーリングと顔面パンチのあるスパーリングは、顔面パンチに慣れる必要はありますが、基本的に同じと思います。

 その理由の一つはフルコンの技術は、顔面ありでも通用する部分が大きいからです。

 上記添付のコンビネーションは往年の名選手であられる師範のセミナーに参加した時、フルコン組手で突きで蹴りの軌道を隠して被弾させる技術として同じコンビネーションを指導されていました。

 「ボクシングとか習っているんですか?」と聞かれることがありますが、私はボクシングは習ったことはありません。

 またボクシングを参考にすることはありますが、ボクシングをしているつもりもボクシングを求めている訳ではありません。

 フルコンタクト空手の技術をグローブを付けた顔面パンチのあるスパーリングで行っているだけです。

 顔面ありをやっていると使えるフルコンタクト空手の技術がたくさんあり面白く感じますが…、

 フルコンと顔面ありが基本的に同じとするには前提があります。

 それは〝相手の技をもらわないこと〟です。

 この前提をもとにルールを超えたフルコンタクト空手の技術を模索していきたいと思います。


 昨日の健康観察トレーニング。

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 3.17.2021 記

意地を張るために、入念にストレッチ

 東京出張による土曜日までの健康観察期間、指導はお休みをいただいていますが、体調に問題が無い限り自分のトレーニングは行う予定です。

 早速、昨日からいつものサーキットと負荷シャドーを軽めに、そしてストレッチを入念に行いました。

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 面倒くささが先に来て近年ストレッチを疎かにしてきましたが、以前よりも体が硬くなっています。

 出張中には、前川支部長と一緒に谷川支部長よりストレッチを教わりました。

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 谷川支部長に色々と教えていただいて、アンチエイジングとして改めてストレッチの大切さを痛感しました。

 最近、足の疲労が溜まってくると膝が痛くなりますが、下半身のストレッチを入念に行うと痛みが緩和されたのでやはりストレッチはしなければと思います。

 ストレッチもフィジカルトレーニングの一つと思い、取り組みたいと思いますが…


後ろ蹴り、後ろ回し蹴り

 道場生に対して後ろ蹴りを蹴られたら、後ろ回し蹴りを返すような大人気ない意地をいつまでも通せるように。

 

 さて支部内連絡です。

 4/4 ㈰に行う昇段審査受審者を対象とした昇段者稽古ですが、3/28 ㈰を予定していますが、3/21 ㈰も行うこととなりました。

 両日とも午前10 時~正午12 時までですが、昇段受審者はどちらかに参加してください。

 なお3/21 ㈰の参加者は事前に連絡をお願い致します。

 3.16.2021 記

カラテドリームフェスティバル、手でマットのゴミを拾う姿

 先週の金曜日からのカラテドリームフェスティバル全国大会による東京出張を終え、昨晩の深夜、無事に帰宅しました。

 東京には車で往復し、現地でも密集を避けるため電車を使わない等の新型コロナへの対策を講じました。

 今日から一週間、稽古も休講させていただき健康観察しますが、まずはコロナ禍の中、そのご苦労は言うまでもないことですが、素晴らしい大会を開催していただいた緑健児代表、新極真会事務局をはじめとする大会実行委員の皆様、ありがとうございました。

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 大会でのコロナ対策への細心の配慮は、支部運営でのコロナ対策としても大いに勉強させていただきました。

 そして何よりもコロナ禍の困難にも負けずに前に進んで行く組織の姿勢は、支部を預かる身として大いに発奮させられるものです。

 今大会で学んだこと、発奮を受けた気持ちを今後の支部運営に反映させていきたいと思います。

 

 さて参加人数がコロナ禍によって例年より減少したとはいえ、それでもエントリー者が約1,700 名となった今大会、運営スタッフの動員数も相当数となりました。

 運営スタッフは都内近郊の道場生の皆様にご協力いただきましたが、各コートのスタッフの皆様が率先的に現場運営に当たられていたと思います。

 私が審判を担当したコートのスタッフの方は、恐らくは運営マニュアルにはない自発的行為と思いますが、休憩中にマットのゴミを手で拾っていました。

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 スタッフの皆さんのゴミを手で拾う姿に私は感動しましたが、身を挺するように大会協力をしてくださるスタッフの皆さんの存在を忘れてはならないと思います。

 カラテドリームフェスティバル2020 全国大会(3.14・3.13・2021 開催) に参加された全てのスタッフの皆様、お疲れ様でした。

 皆様の懸命に大会協力される姿は、新極真会が如何なる組織かを物語っていたと思います。

 誠に、ありがとうございました。

 3.15.2021 記

受け返しは、返す側、仕掛ける側もお互いの稽古

 昨日の鴨島道場の受け返し。


受け返し3.10.2021

 受け返し棒を使ってのワンツーローをバックステップしながらワンツーを受けローもスネ受け、追撃の左ローをステップ で躱してのワンツースリーローの返し。

 この受け返しのポイントは最初のローのスネ受けで上げた足を一回その場で下ろしてステップするのではなく、上げた足 をそのままステップに連動させることです。

 そのため連動を誘発させるために受け返し棒の持ち手は、スネ受けで足を上げているタイミングで次の棒を仕掛けること が大切となります。

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 またステップで次の棒を躱すとき、〝躱す〟という反応・反射を高めるには実際に自分の身に突き蹴りが迫る臨場感が必要 なため、持ち手は受け返し棒を狙う場所に届かせる距離感が大切となります。

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 いつも指導時に力説しますが、受け返しは仕掛ける側が重要になります。

 その重要点はタイミングと距離、いわゆる間合いです。

 剣術でも〝組太刀〟といった受け返しに似たような稽古がありますが、組太刀においては間合いを熟知した仕掛ける側を 上級者が担ったそうです。

 また、その逆の話として、宮本武蔵との決闘で有名な長刀使いの佐々木小次郎は、元来小太刀という短い刀を使った剣術 流派を修行していましたが、師匠との組太刀で師匠が小太刀の利点をより突き詰めるため仕掛け役を命じた佐々木小次郎に 長刀を使わせていたのに、逆に長刀の利点に気づき自らの〝巌流〟という流派を起こしたと真偽は別にして話として伝わっ ています。

 佐々木小次郎が気づいた長刀による利点とは、間合いに関わるところが大きいと思いますが、仕掛ける側は仕掛け役を務 めることによって習熟した間合い感覚をさらに習熟させるものと思います。

 受け返し棒を使った約束組手でも、仕掛ける側は練習の要点に注意を払って行えば自らの間合い感覚は高まるものです。

 受け返しにおいては、仕掛ける側、返す側、お互いがお互いの稽古と思って行って欲しいと思います。

 

 さて明日から、私はカラテドリームフェスティバル2020 全国大会のため東京出張です。

 東京出張のため帰徳後の健康観察を含め、明日(3/12 ㈮) から3/20 ㈯の徳島市加茂道場、鴨島道場、美馬道場は休講とな ります。

 東京には車で往復し、現地では電車を使わず新型コロナ感染には最大限に気をつけます。

 道場生、保護者の皆様には、休講申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

 

 昨日の鴨島道場

 ストライトフィットネス(14 時~15 時)


ストライクフィットネス3.10.2021

 少年部1 部クラス(17 時45 分~18 時45 分)


鴨島道場少年部1部3.10.2021

 少年部2 部クラス(19 時~20 時)


鴨島道場少年部2部3.10.2021

 一般部クラス(20 時15 分~21 時30 分)


鴨島道場一般部3.10.2021

 3.11.2021 記  

子ども達の目はごまかせられない、本質を見抜く目

 「普段、アドバイスしている後輩に恥ずかしい試合をしなかったが気になる」と、先日の徳島錬成大会に出場した道場生が話していました。

 自分が「口先だけになっていないか」を気にしてのことだと思いますが、私は非常に良い心の持ちようだと思います。

 また口先だけが格好悪いとの認識があるから自省するのだと思いますが、このような心の持ちようは強くなるために欠かせないものです。

 先日ある企業の部下を抱える立場の方が「空虚な自信がある若者が多い」とお話されていましたが、口先だけが格好悪いとの認識はその対極にあるように思います。

 後輩の前で戦う姿を見せるだけで口先ではありませんが、道場生には後輩の目を意識する心を大切に精進を重ねて強く、そして社会で有用な人間になって欲しいと思います。

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 さて、この話、私の中では上記だけでは終わりません。

 上記の道場生が先輩的立場になって後輩の目を気にするということは…

 小学生時代等の後輩的立場の時は自分が先輩に向けての目を持っていた訳で、アドバイスをしてくれる先輩の実力を見ていたのだと思います。

 その先輩への目の延長上には当然、私への目もあったと思います。

 日本は儒教文化の影響を色濃く受け、年長者やその道の権威者を尊重します。

 年長者や権威者への尊重はとりあえずは良いとして、盲目的な尊重は道を誤ります。

 年長者や権威者の本質を見る目が大切なように個人的には思います。

 上記の話は年長者や権威者であるだけでは、子ども達の目はごまかせられないことを物語っていると思います。

 子供たちは本質を見抜く目を持っています。

 私は指導者という年長者や権威者の立場にあって、その眼鏡に叶うように精進しなければと思います。

 

 昨日の徳島市加茂道場

 少年部クラス(18 時30 分~19 時30 分)


徳島市加茂道場少年部3.9.2021

 一般部クラス(19 時45 分~21 時)


徳島市加茂道場一般部3.9.2021

 3.10.2021 記

若さはメンタルのエネルギー

 的確な技を当て続ければ、組手、スパーリングのペースを握れます。

 下記の添付動画は1 分間のスパーリングで右下突きを当て続けたものを編集したものですが、フィジカル差があるので下突きのインパクトは抑えています。


右下突き

 右下突きを合わせるだけにしていますが、被弾が重なるにつれ1 分間のスパーリングでも道場生の勢いが減退するのが実感として分かります。

 ペースを握られるがゆえに勢いが減退する訳ですが、若い道場生においてはこういった時にこそ若さに任せて攻勢を仕掛けペースを取り戻して欲しいと思います。

 若さに任せた攻勢は技術が主体となるものではなく、メンタルが主体となるものです。

 また若さはメンタルのエネルギーとなるものです。

 稽古でメンタルを高めて行き、メンタルによって稽古での壁を突破しないと試合でのメンタルの強さは身につかないものです。

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 「先生には敵わない」などと最初から思わずに、強気でスパーリングにのぞんで欲しいと思います。

 

 昨日の美馬道場

 少年部クラス(19 時~20 時)


美馬道場少年部3.8.2021

 一般部クラス(20 時15 分~21 時15 分)


美馬道場一般部3.8.2021

 3.9.2021 記